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オリエンテーリング (6) [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第6回
<オリエンテーリング (6)>

ウォルトの方向感覚のおかげで一行は目標の切れこんで尾根が低くなっているところにたどり着いた。振り返ると、今たどってきたルートがよく分かった。
「こっちから見ると底の方の地形がよくわかる。俺らのたどった道は全然ベストじゃないな」とアロンが言うと、
「下るの途中でやめて、あの辺から斜面をずっと横にくればよかったのね。そんな急な斜面じゃないし」とカーラも気付いた。
「カーラ、地形見るのがうまいね。山登りするの?」
「いいえ?」
「じゃあ、この数時間で鍛えられたんだ」
「もっと・・いい道、あったの?うえっ」イザベルが咳き込みながら残念そうに言うと、
「でもイザベル、よく頑張ってるわ」カーラがイザベルの背中をたたきながら励ました。

下りきると、中間チェックポイントのある尾根の下まで来た。ここは枯沢のようだ。ここから先の斜面は木が少なめで、チェックポイントの岩までよく見える。すると下っている人たちが見えた。A班に違いない。
「あれ、A班じゃない?」クリスティンが言う。
「あたしら負けてんじゃん」シャルロットが少し悔しそうに言う。
「あんなところ行くわ」カーラがそのA班の進む方向に感心を示した。
「確かに。ものすごい急な崖っぽいところなのに」アロンも不思議に思った。
だがどうやらそこは岩の間にいいルートがあるらしい。垂直な崖をたどることなくそこを通過した。
「下からは見えない道が、上からだとわかるのね・・参考になるわ」
アロンはこの先どう行動すべきか方針が決まった。
「ジョン、もうちょっと登ったところでA班にご挨拶しようぜ」
「ああ、この先のこと聞けるかな」
「何が何でも聞かなきゃダメだって」

次回「オリエンテーリング (7)」へ続く!

前回のお話「オリエンテーリング (5)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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