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オリエンテーリング (10) [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第10回
<オリエンテーリング (10)>

担任が電話に出た。
「カーラか?どの辺だ?道に出たか?」

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B班
「B班カーラです。道にはまだ出てません。でもA班からもらったノートによれば、もう近いとは思いますが。でももう日が暮れてしまって、周囲がよく見えないんです」
「怪我人たちはどうだ?」
「かなり厳しいです。それで・・この先どうするかちょっと話し合っているところです。場合によっては・・リタイヤという結論が出るかもしれません」

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A班
「ドジ担任、なんだって?」勇夫が聞く。
「まだ道に出られてないそうだ。怪我人もだいぶ酷いらしい。今協議中だそうだ。もう動けないなら、リタイヤするかもしれないって」
「ちょっと話せないか?」
「ダメだ。俺しか話しちゃいけないんだ。アドバイスもやっちゃいけないんだ」
「くっそー!」

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B班
「救護班の私がこんなじゃ世話ないわ・・ダーニャさんは大丈夫?」
クリスティンのソックスは血が滲んでいた。
「私はちょっと擦りむいた程度だから、平気よ」
ダーニャはニコッとしたが、それが空元気なのは明らかだった。

B班リーダーのジョンが元気な連中の意見をまとめてきた。
「僕らの意見は、君達の怪我を悪化させてまで無理する価値があるか疑問というものだ。あとは君達が決めればいい。みんなどう結論が出てもいいって言っている。遠慮しなくていいからな」

ウォルトが、土産用の水の蓋を開けて、最後の1本のクスス山のおいしい水を味わいながら言った。
「もう暗くてルート見えないし、無理じゃないか?道にさえ出られれば可能性あったんだけど」
傍らでイザベルが足を揉んでいた。
「ウォルト、あたしくやしいわ。裕美子さんの書いたメモでは道の最後からスタート地点、私達のゴール地点まで20分なんでしょう?そして道までたぶんいくらもないんでしょう?道さえ見つかれば・・私這ってでも進みたい」
イザベルは悔し涙を流していた。
「そうだね。道が見つかれば、俺もがんばれるかな」


次回「オリエンテーリング (11)」へ続く!

前回のお話「オリエンテーリング (9)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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コメント 1

TSO

おおおおお、連載10回あにばーさりー。
すげー!なんだこのペースは!
誰だここ更新してんの!ぜってえTSOじゃねえ!

ところでこれ、ほんとにラブコメ?
ラブコメってなんだっけ?

ま、いつか恋愛っぽい話も出るでしょ。今はまだ布石ってことで。
#読む人いねえよ(--#
by TSO (2010-01-17 03:53) 

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