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オリエンテーリング (11) [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第11回
<オリエンテーリング (11)>

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A班
ハウルが担任のところに来た。

「クリスティンの怪我酷いのかなあ。ちょっと励ましたいんだけど」
ハウルは同じ中学だったクリスティンを気遣った。だが担任は・・・

「だめだって。俺しか話せないんだ」
「アドバイスするわけじゃないのよ。たんにがんばれって言うだけ」
「話の中身にかかわらず、俺だけしか電話出ちゃいけないんだ」
「たかががんばれって激励もできないの?!」
「ダメだ」
「なんでよ、それぐらい!けち!けち!どけちーーーい!!」
ハウルが絶叫する。

「それだわ、ハウルさん!」

足を抱えて静かに座っていた小泉が急に起き上がった。
「なに?けち?」
「違います。バックノイズです。直接電話に出なくても、電話の後ろでバックノイズとして激励の声を届けるんです」
キャリーが手をたたいた。
「いい手じゃない。それやろうよ、応援しよう。みんな!来て!」

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B班
「??!」

カーラが気付いた。
「先生?・・その後ろの声・・もしかしてA班ゴールしたの?」
「あ?ああ。君の電話がかかるちょっと前に着いたんだ」
「みんな!A班ゴールしたって!」
「なんだって?」
「聞いて、これ!ほら、電話口の後ろで、聞こえるでしょう?みんなの声、がんばれって声!」

電話を受け取ったウォルトが「ほんとだ」
次に受け取ったイザベルが「聞こえる、みんなの声援が」
クリスティンが「このちょっと高い大声、ハウルだわ、くすっ」
ダーニャも聞く。「元気そうだね、やっぱ体育会系チームは。シャルロット!A班のみんなが応援してるよ!」

シャルロットとアンザックとアロンは特別任務中でちょっと離れたところにいた。近い方にいたシャルロットが答えた。
「A班、たどり着いたんだ。わたしらの情報のおかげでずいぶん早く着いたね。感謝しろって言っといて」

ウォルトが言った。
「俺達も行かなきゃ。声援に答えて。ここで諦めたら、一生後悔しそうな気がする」
クリスティンも賛成した。
「そ、そうですよ。ここは無理する価値ある気がします。ね?イザベルさん!」
イザベルは黙ってうなずいた。
ウォルトがジョンに向かって答えた。
「結論出たぞ、進もう!」
「い、いいのか?」
「くどい!クスス山の水がなくなる前にゴールしたい!」
「わかった。カーラ!」
「はい!連絡します」


次回「オリエンテーリング (12)」へ続く!

前回のお話「オリエンテーリング (10)」
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TSO

いよいよオリエンテーリングもラストスパートです。
みんな栄光のゴールへ向けてがんばれ!

by TSO (2010-01-20 02:15) 

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