<ピクニック(13):女の子達のデザート> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第117回
<ピクニック(13):女の子達のデザート>
寝てしまったカーラを運んで敷物の方で寝かせて、トイレに行ったアロンは、帰りに涼んでる裕美子に会った。
「やあ。リーダーも寝てたね。暇になっちゃったんだろ」
「暇になったというか、暇にしたというか・・ちょっと面白かったのでお酒勧めちゃったんです」
「えー?帰り大丈夫かな」
「アロン君に注意してもらったおかげで、わたしは寝ずに済みました」
「・・小泉、けっこう容赦ないんだな。・・・そうそう、あの幼馴染やってもらったやつだけど、レソフィックや勇夫にも正体ばらしてないんだ」
「え?どうしてですか?」
「どうしてってわけでもないけど・・なんとなく小泉の秘密って感じがしてさ」
「でも、秘密にしてもらっても、もうわたしやりませんよ」
「うん、もう頼んだりしないよ。ずいぶん自分勝手なことで迷惑かけたからね。だからあれはちょっと面白い思い出ってことで、小泉が完璧に演じた、もう見ることない幼馴染と一緒にしまっとくよ」
「・・わたしも、ちょっとドキドキした思い出として、少しもらっていいですよね?」
「もちろん」
へへっと2人で笑った。
「あの、デザートがあるんです。もうすぐおやつ時だから。食べませんか?」
「へえー、すごい。小泉のは期待できるからなー」
「ちゃんとみんなと作ったんですよ」
戻ってくる途中で2人はレソフィックとクリスティンに会った。
「クリスティンさん、そろそろおやつ出しましょう」裕美子はクリスティンに言った。
「あ、そうね。もういい時間ね」
「あれ?どうしたんだ?お前ら」レソフィックがアロン達に聞いた。
「お互い最初の相方が酔いつぶれてるんだよ」
「またリーダー、ひっくり返ってんのか。誰だそんなに飲ましたの」
ペロリと舌を出す裕美子だった。
リーダーが気を失ってる傍で、静かに寝息を立てているカーラの横にアロンは座った。ハウルが向うにいる。
「ハウル、いたずらすんなよ」
「え?じゃ、アロンいじったら?私が許可するよ」
「な、なに言ってんだ!」
「遠慮なしよ~。途中まで手伝ってあげようか?結構立派よ?」
ハウルがカーラの服に手をかけて、おへそが出るまでまくった。
「や、やめろ!お、起こそう。カーラ、カーラ!」
アロンはカーラの体をゆすり起こした。
「カーラ、カーラ。起きれる?」
「アロン君・・・わたし・・どうしたんだっけ?」
「酔って寝ちゃったんだよ。ハウルが何かしそうだから起きて」
「あのね、アロン君の胸の中で寝てたんだよ?」くすくす笑いながらクリスティンがまたばらす。
「い、言わなくていいことを・・!」
「ええ?!・・ご、ごめんなさい!!いや、酔ってやったことなので、何やったかよく覚えてないんだけど、許してください!」
平謝りするカーラをアロンは制止した。
「何も悪いことしてないから大丈夫だよ」
「・・はしたなくってごめんなさい」
「気にしない気にしない」
「カーラさん、目が覚めたら、デザート出しましょう」
裕美子がクーラーボックスを引きずってきた。
「ああ、そうね・・。アロン君、待っててね」
女の子達が自ら持ってきたクーラーボックスから取り出されたのは、見るも涼しげなキューブフルーツのゼリー詰めだった。それも豪華な量だ。
「あ、すげー!」勇夫が大喜びする。
「はい、アロン君」
カーラが一塊持ってきた。
「へー、これは見ても涼しげだし、食っても冷たくて、よく考えたなあ」
「あたしよ、作ったの」とハウルが言い出すと、
「何度言っても、ぜってーそれはねえ!」力を込めてレソフィックが言い終わる前に即答する。
「ひっどーい!少しは手伝ったんだよー!」
「小泉、こいつ、何したの?」
レソフィックが一応聞いてみた。
「え・・と、味見・・」
「裕美子のいじわる!」
楽しげな笑いが続いた。
次回「ピクニック(14):いつでも暇しといてよね!」へ続く!
前回のお話「ピクニック(12):それじゃクリスティンとレソフィックにまとめてもらいましょう」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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<ピクニック(13):女の子達のデザート>
寝てしまったカーラを運んで敷物の方で寝かせて、トイレに行ったアロンは、帰りに涼んでる裕美子に会った。
「やあ。リーダーも寝てたね。暇になっちゃったんだろ」
「暇になったというか、暇にしたというか・・ちょっと面白かったのでお酒勧めちゃったんです」
「えー?帰り大丈夫かな」
「アロン君に注意してもらったおかげで、わたしは寝ずに済みました」
「・・小泉、けっこう容赦ないんだな。・・・そうそう、あの幼馴染やってもらったやつだけど、レソフィックや勇夫にも正体ばらしてないんだ」
「え?どうしてですか?」
「どうしてってわけでもないけど・・なんとなく小泉の秘密って感じがしてさ」
「でも、秘密にしてもらっても、もうわたしやりませんよ」
「うん、もう頼んだりしないよ。ずいぶん自分勝手なことで迷惑かけたからね。だからあれはちょっと面白い思い出ってことで、小泉が完璧に演じた、もう見ることない幼馴染と一緒にしまっとくよ」
「・・わたしも、ちょっとドキドキした思い出として、少しもらっていいですよね?」
「もちろん」
へへっと2人で笑った。
「あの、デザートがあるんです。もうすぐおやつ時だから。食べませんか?」
「へえー、すごい。小泉のは期待できるからなー」
「ちゃんとみんなと作ったんですよ」
戻ってくる途中で2人はレソフィックとクリスティンに会った。
「クリスティンさん、そろそろおやつ出しましょう」裕美子はクリスティンに言った。
「あ、そうね。もういい時間ね」
「あれ?どうしたんだ?お前ら」レソフィックがアロン達に聞いた。
「お互い最初の相方が酔いつぶれてるんだよ」
「またリーダー、ひっくり返ってんのか。誰だそんなに飲ましたの」
ペロリと舌を出す裕美子だった。
リーダーが気を失ってる傍で、静かに寝息を立てているカーラの横にアロンは座った。ハウルが向うにいる。
「ハウル、いたずらすんなよ」
「え?じゃ、アロンいじったら?私が許可するよ」
「な、なに言ってんだ!」
「遠慮なしよ~。途中まで手伝ってあげようか?結構立派よ?」
ハウルがカーラの服に手をかけて、おへそが出るまでまくった。
「や、やめろ!お、起こそう。カーラ、カーラ!」
アロンはカーラの体をゆすり起こした。
「カーラ、カーラ。起きれる?」
「アロン君・・・わたし・・どうしたんだっけ?」
「酔って寝ちゃったんだよ。ハウルが何かしそうだから起きて」
「あのね、アロン君の胸の中で寝てたんだよ?」くすくす笑いながらクリスティンがまたばらす。
「い、言わなくていいことを・・!」
「ええ?!・・ご、ごめんなさい!!いや、酔ってやったことなので、何やったかよく覚えてないんだけど、許してください!」
平謝りするカーラをアロンは制止した。
「何も悪いことしてないから大丈夫だよ」
「・・はしたなくってごめんなさい」
「気にしない気にしない」
「カーラさん、目が覚めたら、デザート出しましょう」
裕美子がクーラーボックスを引きずってきた。
「ああ、そうね・・。アロン君、待っててね」
女の子達が自ら持ってきたクーラーボックスから取り出されたのは、見るも涼しげなキューブフルーツのゼリー詰めだった。それも豪華な量だ。
「あ、すげー!」勇夫が大喜びする。
「はい、アロン君」
カーラが一塊持ってきた。
「へー、これは見ても涼しげだし、食っても冷たくて、よく考えたなあ」
「あたしよ、作ったの」とハウルが言い出すと、
「何度言っても、ぜってーそれはねえ!」力を込めてレソフィックが言い終わる前に即答する。
「ひっどーい!少しは手伝ったんだよー!」
「小泉、こいつ、何したの?」
レソフィックが一応聞いてみた。
「え・・と、味見・・」
「裕美子のいじわる!」
楽しげな笑いが続いた。
次回「ピクニック(14):いつでも暇しといてよね!」へ続く!
前回のお話「ピクニック(12):それじゃクリスティンとレソフィックにまとめてもらいましょう」
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ピクニック楽しそうですね^^
by ケンケン@ (2010-08-15 19:17)
ケンケン@さん、F−USAさん、ヒロさん、HAtAさん、copperさん、タッチおじさんさん、xml_xslさん、c_yuhkiさん、K-STYLEさん、niceありがとうございます。
ケンケン@さん、いつもコメントありがとうございます。
そうですねー、異性とこんな楽しげなピクニック、うらやましいなぁ~。
#願望が文章に?
by TSO (2010-08-16 22:27)