＜ピクニック（１４）:いつでも暇しといてよね！＞

「片いなか・ハイスクール」連載第118回
＜ピクニック（１４）:いつでも暇しといてよね！＞


夕方、一駅戻ったところで解散となった。

冒頭一番、ハウルが男の子達に向かって言った。

「楽しかったわ、ありがとうみんな」
「うわ、ハウルどうしたんだ、やけに素直だな！」
とアロンが必要以上に驚いて見せた。

「あんた、変な印象私に持ってない？いつだって私は思ったとおりのこと言ってるよ？」
「そうよ、アロン君。ハウルはいつもこういったことには正直よ？」
カーラが弁護した。
「俺もそう思う。いまどき本音で付き合える女友達って、ありがたいと思うぜ」
レソフィックまでもが援護する。
さすがにアロンもこれ以上悪ふざけはできなくなった。

「悪かったよ・・いつものように俺が変にからかってるだけだから・・・。俺はこのグループのカラっとした、へんな言い方だけど女子っぽくないさっぱりした雰囲気が気に入ってるんだ。それはハウルのおかげだと思ってるから。また遊ぼうな。勇夫も喜んでたし」
「ああ。俺も今日はすごく楽しかったよ。ハウルって女っぽくないのな、女言葉でしゃべってるんだけどさ」

「あああ、もいういいよ！褒められてんだかなんだか、よくわかんないよ、君達！」

はははっと苦笑いの男ども。



「まあまあ皆さん。一応ペアも決まったみたいだし、これからもよろしくお願いしますね。それで・・ここから愛が芽生えたら、もっといいですね」
クリスティンが仕切り直した。

「え？ほ、本当に今日のにはそういう魂胆が？」
女の子側が本当にそういったことを考えていたことにアロンは驚いて思わず聞き返すとともに、横にいたカーラを見てしまった。

「基本はグループ交際だから。無理に愛人になることないけどね」
ハウルが上目っ面で微妙に勇夫の方を見て言うと、カーラも
「そ、そうそう、グループ交際ね」
と、とりつくろったような笑った顔をしてアロンに言った。
するとクリスティンがカーラをつっつきながら付け加えた。
「お気に入りの人はいっぱいひいきにしていいですからね」

ハウルがピンと背筋を伸ばすと男の子達に言った。
「とにかくね、また声かけるから。いつでも遊べるように暇しといてよね」
「ハウルらしいや。了解」とアロン。

「それじゃ、我らがリーダー。締めの挨拶で解散しようぜ」
とレソフィックがチャンを前に引き出した。
チャンは裕美子とペアになって喜ばしいはずなのだが、ずっと静かであった。引き出されたチャンだが、青い顔をしてみんなの前に立たされると・・・

「お・・おう。あ・・の・・・・・うえ、げろげろげろげろ」

「うわあ、やったー！」

こうしてバーベキューは大騒ぎして幕を閉じた。


次回「改めてカップルで（１）:遊んでくれなかったなー？」へ続く！

前回のお話「ピクニック（１３）:女の子達のデザート」
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コメント 4

さわやかに解散と思いきや、ま、まさかの展開！？
でも、そんなみんなが好きですにゃ～
(゜∀゜*)ほわ
これからどんなふうになっていくのか楽しみにゃ～
by K-STYLE (2010-08-16 20:00) 

takemoviesさん、xml_xslさん、copperさん、K-STYLEさん、niceありがとうございます。

かっぱちゃん、コメントありがとにゃ～
お約束のオチということで・・・。
だいたいキャラの性格付けも落ち着いてきて、パターンも決まってきたかなぁ。

14話も引っ張ってしまったピクニックの章、これにて終了です。筆に任せてダラダラと書き綴ってしまいました。
今回決まった暫定ペア、さてさてどう発展させていきましょうか。
by TSO (2010-08-16 22:36) 

リーダーは最後まで散々でしたね（笑）
by ケンケン＠ (2010-08-17 15:46) 

やまさん、ケンケン＠さん、niceありがとうございます。

ケンケン＠さん、コメントありがとうございます。
リーダー、どうもことあるごとに道化にされちゃってます（たぶんまだまだ続きます）。C組のリーダーやってるってのはすごいことなんですけどね。
ちゃんとどこかで挽回してあげなといけないですねぇ。（新しく書かないとエピソードないんですが・・・(^^;）
by TSO (2010-08-17 19:29)