<改めてカップルで(1):遊んでくれなかったなー?> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第119回
<改めてカップルで(1):遊んでくれなかったなー?>
夏休みも終わって2学期がスタートした。みんなは久々に学校に揃った。
いつもアロン達は始業時間ぎりぎりにやってくるので、もっぱら会話が始まるのはホームルームが終わってからだ。
「いつも暇しとけっていったじゃーん」
アロン達が教室の後ろの座席に一列に並んでるところへハウルがやってくると、開口一番そう言った。
「だって勇夫がキャンプするってきかないもんだから・・」アロンが慌てて言い訳するとレソフィックが、
「わりぃ、ハウル。おまえの亭主の放浪癖は一筋縄ではないんだ」
「だれが亭主だって?!」ハウルと勇夫が同時に答えた。2人してむっと見つめあう。
レソフィックが追い打ちをかけた。
「だって勇夫と遊びたかったんだろ?」
するとハウルがぴしっと人差し指をレソフィックの鼻先に向けた。
「あなたクリスティンほっぽって一緒に行ったんでしょ?」
続いてアロンをぴしっと指さすと
「アロンも!カーラ差し置いてこんな男どもと」
「か、カーラ?」
カーラが慌てて否定した。
「な、何言ってるのよ。私そんなこと・・・。それにほら、私家族で旅行行ってたし・・」
それを聞いてハウルがこつりとカーラの頭にゲンコツを落とした。
「アピールしなさいよ」
「な!なんでよ!ハウルも勇夫君にもっと違う言い方あるんじゃないの?」
そこへ勇夫が割って入った。
「どうせハウル、行こうとしたのショッピングタウンのシオカラ・スイーツの閉店セールだろ」
「よくわかったわね」
「それも俺のおごりでだろ」
「ますます感心するわ。さすが僕(しもべ)」
「だれが僕だ!お前、閉店セールの特別優待券、20個75%割引券の写真、ケータイで俺に送ったろ!」
「あれで気付いたんだ?」
「あれみりゃ何考えてるか誰だってわかるって!どっから仕入れたんだ、あんなの」
「一応おごってもらうにしても配慮したのよ~。75%割引ならそんなお財布にひびかないでしょ?」
「おごるのが決定されてる!でも20個?日持ちしない生菓子なのに、食いきれるか!だいいちあんま旨くないからつぶれんだぞ」
(たしかにシオカラ・スイーツってどんなんだ?)
「でも勇夫、クイーンバーガーの移店セールでパティ(パンに挟むハンバーグです)追加料金1枚0.5カレントっての使って10枚挟んだって・・・」
2人の尋常ならざるやりとりに唖然とするみんなだった。クリスティンが大粒の汗を後頭部にたらしながらコメントした。
「に、似てるわよね、この2人・・」
昼休みにはこの2人の悶着は解決していた。
ハウルがにこにこしていた。
「で、どうなったの?良い方に片付いたみたいね」カーラが聞く。
「うふふふ。シュークリームで手をうったわ。」
「いっとくけど、割り勘だぞ!」
「それは勇夫が一発で坂登ったらでしょ?だめだったらおごりだもんね」
「坂とシュークリーム?もしかして『シューちゃん』」
「知ってるの?」
「前に誕生日にアロン君が連れてってくれたところよ」
「あ、そこなのね。おいしかった?」
「うん、すっごくおいしかったわよ」
「勇夫君、期待してるわぁ。包帯と湿布は用意しとくから、安心しておごってちょうだい」
「ぜってー一発で行ってやる!」
「じゃあ今週末は私、家来とスイーツ食べに行くから。あなた達もどっか行ったら?せっかくエスコートさせる相手決めたんだから」
次回「改めてカップルで(2):各々別行動」へ続く!
前回のお話「ピクニック(14):いつでも暇しといてよね!」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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<改めてカップルで(1):遊んでくれなかったなー?>
夏休みも終わって2学期がスタートした。みんなは久々に学校に揃った。
いつもアロン達は始業時間ぎりぎりにやってくるので、もっぱら会話が始まるのはホームルームが終わってからだ。
「いつも暇しとけっていったじゃーん」
アロン達が教室の後ろの座席に一列に並んでるところへハウルがやってくると、開口一番そう言った。
「だって勇夫がキャンプするってきかないもんだから・・」アロンが慌てて言い訳するとレソフィックが、
「わりぃ、ハウル。おまえの亭主の放浪癖は一筋縄ではないんだ」
「だれが亭主だって?!」ハウルと勇夫が同時に答えた。2人してむっと見つめあう。
レソフィックが追い打ちをかけた。
「だって勇夫と遊びたかったんだろ?」
するとハウルがぴしっと人差し指をレソフィックの鼻先に向けた。
「あなたクリスティンほっぽって一緒に行ったんでしょ?」
続いてアロンをぴしっと指さすと
「アロンも!カーラ差し置いてこんな男どもと」
「か、カーラ?」
カーラが慌てて否定した。
「な、何言ってるのよ。私そんなこと・・・。それにほら、私家族で旅行行ってたし・・」
それを聞いてハウルがこつりとカーラの頭にゲンコツを落とした。
「アピールしなさいよ」
「な!なんでよ!ハウルも勇夫君にもっと違う言い方あるんじゃないの?」
そこへ勇夫が割って入った。
「どうせハウル、行こうとしたのショッピングタウンのシオカラ・スイーツの閉店セールだろ」
「よくわかったわね」
「それも俺のおごりでだろ」
「ますます感心するわ。さすが僕(しもべ)」
「だれが僕だ!お前、閉店セールの特別優待券、20個75%割引券の写真、ケータイで俺に送ったろ!」
「あれで気付いたんだ?」
「あれみりゃ何考えてるか誰だってわかるって!どっから仕入れたんだ、あんなの」
「一応おごってもらうにしても配慮したのよ~。75%割引ならそんなお財布にひびかないでしょ?」
「おごるのが決定されてる!でも20個?日持ちしない生菓子なのに、食いきれるか!だいいちあんま旨くないからつぶれんだぞ」
(たしかにシオカラ・スイーツってどんなんだ?)
「でも勇夫、クイーンバーガーの移店セールでパティ(パンに挟むハンバーグです)追加料金1枚0.5カレントっての使って10枚挟んだって・・・」
2人の尋常ならざるやりとりに唖然とするみんなだった。クリスティンが大粒の汗を後頭部にたらしながらコメントした。
「に、似てるわよね、この2人・・」
昼休みにはこの2人の悶着は解決していた。
ハウルがにこにこしていた。
「で、どうなったの?良い方に片付いたみたいね」カーラが聞く。
「うふふふ。シュークリームで手をうったわ。」
「いっとくけど、割り勘だぞ!」
「それは勇夫が一発で坂登ったらでしょ?だめだったらおごりだもんね」
「坂とシュークリーム?もしかして『シューちゃん』」
「知ってるの?」
「前に誕生日にアロン君が連れてってくれたところよ」
「あ、そこなのね。おいしかった?」
「うん、すっごくおいしかったわよ」
「勇夫君、期待してるわぁ。包帯と湿布は用意しとくから、安心しておごってちょうだい」
「ぜってー一発で行ってやる!」
「じゃあ今週末は私、家来とスイーツ食べに行くから。あなた達もどっか行ったら?せっかくエスコートさせる相手決めたんだから」
次回「改めてカップルで(2):各々別行動」へ続く!
前回のお話「ピクニック(14):いつでも暇しといてよね!」
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ハウルと勇夫はいいコンビですね(笑)
by ケンケン@ (2010-08-28 18:24)
こんばんにゃ(・◇・)/
ご心配をおかけしました_(._.)_ふかぶか
でも、もう元気になったですにゃ(*・∀・*)ありがと~
シオカラ・スイーツとはいったいどのようなモノか・・・
(゜◇゜)・・・・・・きになる
みんなのやり取りがとっても和気あいあいとしていて、
とっても楽しいですにゃ~
次回はおでかけ~?
by K-STYLE (2010-08-28 20:05)
kashimiさん、Ainoさん、xml_xslさん、ケンケン@さん、K-STYLEさん、HAtAさん、copperさん、ほちゃさん、niceありがとうございます。
Ainoさん、お久しぶりです!お元気でしたか?
ケンケン@さん、コメントありがとうございます。
そうなんです、この2人いいコンビなんですが、似たもの同士ってことを理解しないことでもコンビ組んじゃってるんです。
かっぱちゃん、元気になったみたいでよかったです。
これから特別企画とか大変でしょうけど、応援してます。
ワタシも想像つきません、このスイーツ。ルピナスさんなら描けるだろうか。
そしてまたまた波乱のお出かけが待ってるかもです。(^^;
by TSO (2010-08-31 00:18)