<入寮(6):自主作成ルール> [片いなか・ハイスクール]
東日本大震災被災地がんばれ!
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「片いなか・ハイスクール」連載第200回
<入寮(6):自主作成ルール>
1月15日、金曜日。
学校。
「アロン君、頭大丈夫ですか?」
後ろから聞こえた裕美子のその問いを聞いたダーニャが振り返った。
「どうしたの?とうとうアロンの頭、パーになっちゃったの?」
「違うよ!昨日道場で勇夫とちょっと調子に乗っちゃって、壁際で投げをやられて頭をぶつけたんだ。5分ほど気失っちゃってさ。今日午後休みとって、道場の知り合いの病院行って検査してくるんだ」
さすが男子である。悪ふざけも命がけだ。
「だ、大丈夫なの?」
「平気平気。万がーで行くだけだから。記憶も飛んでないし。そんなわけだから裕美子、今日は一緒に帰れないよ、ごめんよ」
裕美子もそれほど心配はしてないようである。
「学校終ったらお見舞いに行きますね」
「寮の方は今日は大丈夫なの?」
「食事当番ではないので、夜7時までに帰ればいいです」
「門限きついわねー。全然遊び行けないじゃない」
午後。アロンは午前で早退した。
昼休みの終わりごろ、リーダー格を含む2年生の寮生3人がC組にやってきた。
「小泉さんいる?」
ハウル達のところにいた裕美子は呼ばれて廊下に出てきた。
「あんた明日いる?洗濯当番やってほしいんだけど」
聞いたとたんにいやな感じがして、とっさに答えた。
「週末は実家に帰るつもりなんですけど・・・あの、洗濯当番て、なんですか?」
「文字通り洗濯する係よ。みんなの洗濯物をまとめて洗って干す係。今週は1回もまだやってないから、1週間分たまってるのよね」
「い、1週間洗濯してないんですか?7人分?」
「珍しかないわよ。干し終わったら取り込んで、団欒部屋に置いとけばいいのよ。たたむ必要はないから、あとは各自で取りにいくから」
裕美子の部屋でたばこ吸おうとした娘がその後を続けた。口が寂しいらしくキャンディをくわえている。
「実家帰るんじゃしょうがないね。カミラにやってもらうか。じゃあ今晩はカミラと卒業待ち女だけ?夕食の用意はいらないね」
「あれ?あんたは今日、寮どまりじゃなかったっけ?」
「気が変わった。あの2人とじゃつまんないじゃん」
「じゃあこの足で1年B組寄って、カミラに命令しに行こう」
「小泉、そんな係も持ち回りであるから。覚えといてね」
『持ち回り?それもいつも同じ人に押し付けてるんじゃないの?洗濯はもともと各自がやるものだろうから、きっと生徒側で決めたルールね』
3人は隣のB組へ向かった。
『確かにルール作る側には居心地いいのかもしれないけど・・きっと他にも変なルールあるんでしょうね』
裕美子は寮管と上級生が好き放題にルールを決めてやっている寮の仕組みを垣間見て、心に決めた。
次回「同棲(1):決意」へ続く!
前回のお話「入寮(5):改善要求」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
Copyright(c) 2009-2011 TSO All Rights Reserved
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<入寮(6):自主作成ルール>
1月15日、金曜日。
学校。
「アロン君、頭大丈夫ですか?」
後ろから聞こえた裕美子のその問いを聞いたダーニャが振り返った。
「どうしたの?とうとうアロンの頭、パーになっちゃったの?」
「違うよ!昨日道場で勇夫とちょっと調子に乗っちゃって、壁際で投げをやられて頭をぶつけたんだ。5分ほど気失っちゃってさ。今日午後休みとって、道場の知り合いの病院行って検査してくるんだ」
さすが男子である。悪ふざけも命がけだ。
「だ、大丈夫なの?」
「平気平気。万がーで行くだけだから。記憶も飛んでないし。そんなわけだから裕美子、今日は一緒に帰れないよ、ごめんよ」
裕美子もそれほど心配はしてないようである。
「学校終ったらお見舞いに行きますね」
「寮の方は今日は大丈夫なの?」
「食事当番ではないので、夜7時までに帰ればいいです」
「門限きついわねー。全然遊び行けないじゃない」
午後。アロンは午前で早退した。
昼休みの終わりごろ、リーダー格を含む2年生の寮生3人がC組にやってきた。
「小泉さんいる?」
ハウル達のところにいた裕美子は呼ばれて廊下に出てきた。
「あんた明日いる?洗濯当番やってほしいんだけど」
聞いたとたんにいやな感じがして、とっさに答えた。
「週末は実家に帰るつもりなんですけど・・・あの、洗濯当番て、なんですか?」
「文字通り洗濯する係よ。みんなの洗濯物をまとめて洗って干す係。今週は1回もまだやってないから、1週間分たまってるのよね」
「い、1週間洗濯してないんですか?7人分?」
「珍しかないわよ。干し終わったら取り込んで、団欒部屋に置いとけばいいのよ。たたむ必要はないから、あとは各自で取りにいくから」
裕美子の部屋でたばこ吸おうとした娘がその後を続けた。口が寂しいらしくキャンディをくわえている。
「実家帰るんじゃしょうがないね。カミラにやってもらうか。じゃあ今晩はカミラと卒業待ち女だけ?夕食の用意はいらないね」
「あれ?あんたは今日、寮どまりじゃなかったっけ?」
「気が変わった。あの2人とじゃつまんないじゃん」
「じゃあこの足で1年B組寄って、カミラに命令しに行こう」
「小泉、そんな係も持ち回りであるから。覚えといてね」
『持ち回り?それもいつも同じ人に押し付けてるんじゃないの?洗濯はもともと各自がやるものだろうから、きっと生徒側で決めたルールね』
3人は隣のB組へ向かった。
『確かにルール作る側には居心地いいのかもしれないけど・・きっと他にも変なルールあるんでしょうね』
裕美子は寮管と上級生が好き放題にルールを決めてやっている寮の仕組みを垣間見て、心に決めた。
次回「同棲(1):決意」へ続く!
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xml_xslさん、bitさん、節電野郎さん、くぼたんさん、HAtA.さん、あいか5drrさん、rebeccaさん、niceありがとうございます。
by TSO (2011-05-07 22:22)
ねじまき鳥さん、Ainoさん、niceありがとうございます。Ainoさんお久しぶりで~す。
by TSO (2011-05-09 20:27)
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 履歴書の作成 (2012-01-31 10:34)