<第2部:第12章 女の子たちのグループ交際反省会(3):ハウルのお古の服> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第351回
<第2部:第12章 女の子たちのグループ交際反省会(3):ハウルのお古の服>
ポタ山の運動広場でラジオ体操した3人は、サンドイッチ屋ハイウェイのモーニングで朝食を食べていた。
「う~ん、ここのフレンチトースト、やっぱり美味しいわあ」
とろけそうな笑顔のほっぺたに手をやるクリスティン。
「ふわふわです。今度、作ってみようかな・・」
「呼んで。その時は私も呼んで」
「ハウルさんのは甘くないんですね」
「そう、シンプルな塩こしょう味。美味しいよ?」
そこへハウルのケータイに電話がかかってきた。
「おや、シャノンだわ。ハロー、ハウルでーす。・・・・お、読み終わったのね。持ってこれる?他の貸すよ?これから来るんだったら裕美子にも会えるよ。・・・分かった。ゆっくりおいで。じゃあね」
電話を切るとテーブルの上ににっこり顔を向けた。
「これからシャノンも来るって。裕美子がいるって言ったら大喜びしてたわよ」
『え?な、なんでわたしがいるとシャノンさん喜ぶの?』
裕美子は驚きに警戒心を交えた顔になった。
シャノンとはオリエンテーリングでも同じ班だったこともあり知らない仲ではない。ハウル達とも美女のグループとも対等に交流してC組女子の中では中立的な位置にいる。裕美子より背が低くて容姿も幼く力も非力なのだが、恐れることなく、というか、そんな事気にもとめずに遠慮なくズバズバ言うので、よく無事でいられるものだと裕美子としては驚きの存在にして、取っつきにくい人であった。
『なんか怖いな・・』
「あ、あの、シャノンさん、何の用事で来るんですか?読み終わったとか何とか言ってましたけど、何か本貸してたとか?」
「そうなの。私達カーラからたくさん恋愛小説借りてて、みんなで回し読みしてるのよ」
「へえ。カーラさん、そういうの好きなんですか」
「好き・・なのかしらね。恋愛って言っても妙に幅広い感じがするけど」
「研究してるんじゃなぁい?」
「??」
「ほぼ共通してるのは、肌色多いっていうことかしら」
「肌色?」
「裕美子にも貸すよ。お勉強してみたら?」
「はあ・・」
ハウルの家に移動すると、最初に取りかかったのは着替えだった。
「裕美子、これ全部いらない服だから、気に入ったの持っていって」
どさっと一山あった。
「こんなに?これ全部着れないんですか?」
聞いてた通り本当に新品のようで、どこも痛んでなんかなかった。あの行動的なハウルが着て痛んでないということは、いかにも着る回数なくしまわれてしまったということを伺わせる。
「この頃は本当に成長著しかったもんねぇ。身体ばっかり変わっていって。ちょっと持てあましてたよね」
「身体ばっかりってところがなんか少しひっかかるわね、クリスティン」
『クリスティンさんはいつこんなに立派な身体になったのかしら。その変化に戸惑いはなかったのかな』
裕美子もこのところ、幼児体型を引きずっていた中学の頃とは違う体つきに変わってきているのを実感していた。夏を迎えて、特にアロンと水着を買いに行った時から、自分にも¨女性¨という言葉が当てはまるような気がしてきて、そう意識すると気持ちが落ち着かなかったのだ。
『アロン君も、ビキニになったわたしの身体に意識してたみたいだったもんね。わたしでも少しは色仕掛けっていうのができるようになってるのかな。・・実際どうやればいいのか分かんないけど』
まあアロンが裕美子の身体を意識してたのは、男の子が常に同年代の女子の体(特に裸)に興味を持ち続けているからだろうけど。
「あ、ユミちゃん試着してみようよ」
クリスティンが立ち上がって服を選び始めた。
「え?でも・・」
「はい。これとこれ」
「ええ?こ、これ、ちょっと短すぎます!」
「ぜんぜん普通だよ?履いてごらんよ」
「ひ、膝より上なんて、無理、無理です」
ハウルもクリスティンの横に来ると、楽しそうに裕美子に服をかざした。
「履き慣れてないだけでしょ。新鮮だから試してごらんよ。かわいいと思うよ?」
ブンブン首を横に振るが、
「試すだけやろ~。今女の子しかいないし、こんな時じゃないとできないかもよ?」
とクリスティンに隣の部屋に連れて行かれた。
「まずジャージ脱ごうね」
「ひ、一人でできます」
「ユミちゃん、下着はもう少し気を使おうよ」
「やあ、み、見ないで」
そこにシャノンが到着した。
「こんちゃー」
「お、来たね。いらっしゃーい。おーいクリスティン、シャノン来たからアイスティーもう一個追加ー」
「あなたのお家でしょう?自分で入れなさーい。私は今、忙しいのよぉ~」
「ちぇーっ、しょうがないな」
上がりこんできたシャノンは、被ってた帽子を取って鞄を肩から下ろすと部屋を見回した。
「クリスティン隣の部屋?あれ、こいずみもいるんでしょ?」
「今着せかえ中」
「何?どゆこと?」
「はーい、お待たせぇ」
足を内股に、手を交差させて、赤くなった困惑顔で裕美子が押されて入ってきた。それを見たシャノンが肩から外した鞄をすとんと落っことした。
「こいずみ?!わあ、いいじゃーん!」
スコッチ柄の短いスカートに袖がフリルなTシャツといういでたちだった。
ハウルとシャノンが近くに寄ってきて360度なめるように見渡した。
「合うよねえ」
「あうあう。こいずみ、いい足してるじゃーん」
「わあ!足触らないで」
いろいろ前だの後ろだの見回してたが、そしたらシャノン、いきなりスカートを捲った。
「きゃあ!」
「なんでデニムのパンツ履いてるの?」
裕美子はスカートの下にデニムのショートパンツを履いていた。
「次はこれでーす」
と言ってクリスティンにスカートを下ろされ、それだけでなく上のTシャツまで脱がし始めた。
「いやあ!ちょ、ちょっと、何するんですかあ!」
「は~い、このキャミは見せてもいいものよー」
「わーぁ、こいずみ、なにそれ色っぽーい」
「こ、こんな格好で出歩くんですか?ほとんど下着じゃないですか」
今まで来てた服を一皮むくと、デニムのショートパンツと、胸元にレース柄の入ったキャミソールという格好になった。
「まあ私もそのままで出たことはないけどね。あら裕美子、お胸いい感じじゃない。こないだより成長してるよ」
やあっと手を交差させて前屈みにしゃがんでしまった。その時きゅっとすぼめられたら胸元には、寄せられたことでできた谷間が妙にエッチで、自分らしくなくて物凄い恥ずかしさと罪悪感のようなものがこみ上げてきた。
『やだ。これわたしなの?いやらしい・・』
「あたしもこういうふうにしたら色っぽくなるかな!!」
「シャノン意外と胸あるんだよね。・・でもなんか犯罪のような絵になりそうでイヤだわ」
「幼児に大人の格好させるのがあったわね。恐いわ、あんまり見たくないわぁ」
ハウルとクリスティンが口を揃えて言う。
「なんで!!」
「シャノンも着れそうなのあったら持っていっていいわよ」
「ほんと?見さして」
裕美子は前屈みになったまま自分の鞄の所に這っていった。
「・・自分の服に着替えます」
「それどっちも良かったよ。持って行って。あとこっちのワンピースなら無難だよ。膝よりちょっと上くらいの丈だし。キュロットだったら丈短めでもまくれる心配もないし。ミニのスカートはさ、生足出すの嫌だったら下にレギンスとか履いて合わせてもいいと思うよ」
「・・ありがとうございます」
『断れそうにないし、貰っていこうか・・。確かにそうやればわたしでも履けるかもだし』
「ハウル~、これミニなのに丈がちょっと長いよー」
「シャノンには小学生の時のお下がりの方がよさそうねえ」
次回「第2部:第12章 女の子たちのグループ交際反省会(4):カーラから借りた本」へ続く!
前回のお話「第2部:第12章 女の子たちのグループ交際反省会(2):ラジオ体操」
対応する第1部のお話「第1部:第16章 改めてカップルで(1):遊んでくれなかったなー?」
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シャノンちゃんも加わって女の園の場面となりました。漫画で見てみたいですねえ。
次回は問題のカーラちゃんの恋愛小説が取り上げられます。
※片いなか・ハイスクール第2部は、第1部のエピソードを裏話なども交えながら本編のヒロイン裕美子の視点で振り返るものです。ぜひアロン目線の第1部のその部分と読み比べてみてください。「対応する第1部のお話」で飛ぶことができます。
ぽちっと応援してください。
<第2部:第12章 女の子たちのグループ交際反省会(3):ハウルのお古の服>
ポタ山の運動広場でラジオ体操した3人は、サンドイッチ屋ハイウェイのモーニングで朝食を食べていた。
「う~ん、ここのフレンチトースト、やっぱり美味しいわあ」
とろけそうな笑顔のほっぺたに手をやるクリスティン。
「ふわふわです。今度、作ってみようかな・・」
「呼んで。その時は私も呼んで」
「ハウルさんのは甘くないんですね」
「そう、シンプルな塩こしょう味。美味しいよ?」
そこへハウルのケータイに電話がかかってきた。
「おや、シャノンだわ。ハロー、ハウルでーす。・・・・お、読み終わったのね。持ってこれる?他の貸すよ?これから来るんだったら裕美子にも会えるよ。・・・分かった。ゆっくりおいで。じゃあね」
電話を切るとテーブルの上ににっこり顔を向けた。
「これからシャノンも来るって。裕美子がいるって言ったら大喜びしてたわよ」
『え?な、なんでわたしがいるとシャノンさん喜ぶの?』
裕美子は驚きに警戒心を交えた顔になった。
シャノンとはオリエンテーリングでも同じ班だったこともあり知らない仲ではない。ハウル達とも美女のグループとも対等に交流してC組女子の中では中立的な位置にいる。裕美子より背が低くて容姿も幼く力も非力なのだが、恐れることなく、というか、そんな事気にもとめずに遠慮なくズバズバ言うので、よく無事でいられるものだと裕美子としては驚きの存在にして、取っつきにくい人であった。
『なんか怖いな・・』
「あ、あの、シャノンさん、何の用事で来るんですか?読み終わったとか何とか言ってましたけど、何か本貸してたとか?」
「そうなの。私達カーラからたくさん恋愛小説借りてて、みんなで回し読みしてるのよ」
「へえ。カーラさん、そういうの好きなんですか」
「好き・・なのかしらね。恋愛って言っても妙に幅広い感じがするけど」
「研究してるんじゃなぁい?」
「??」
「ほぼ共通してるのは、肌色多いっていうことかしら」
「肌色?」
「裕美子にも貸すよ。お勉強してみたら?」
「はあ・・」
ハウルの家に移動すると、最初に取りかかったのは着替えだった。
「裕美子、これ全部いらない服だから、気に入ったの持っていって」
どさっと一山あった。
「こんなに?これ全部着れないんですか?」
聞いてた通り本当に新品のようで、どこも痛んでなんかなかった。あの行動的なハウルが着て痛んでないということは、いかにも着る回数なくしまわれてしまったということを伺わせる。
「この頃は本当に成長著しかったもんねぇ。身体ばっかり変わっていって。ちょっと持てあましてたよね」
「身体ばっかりってところがなんか少しひっかかるわね、クリスティン」
『クリスティンさんはいつこんなに立派な身体になったのかしら。その変化に戸惑いはなかったのかな』
裕美子もこのところ、幼児体型を引きずっていた中学の頃とは違う体つきに変わってきているのを実感していた。夏を迎えて、特にアロンと水着を買いに行った時から、自分にも¨女性¨という言葉が当てはまるような気がしてきて、そう意識すると気持ちが落ち着かなかったのだ。
『アロン君も、ビキニになったわたしの身体に意識してたみたいだったもんね。わたしでも少しは色仕掛けっていうのができるようになってるのかな。・・実際どうやればいいのか分かんないけど』
まあアロンが裕美子の身体を意識してたのは、男の子が常に同年代の女子の体(特に裸)に興味を持ち続けているからだろうけど。
「あ、ユミちゃん試着してみようよ」
クリスティンが立ち上がって服を選び始めた。
「え?でも・・」
「はい。これとこれ」
「ええ?こ、これ、ちょっと短すぎます!」
「ぜんぜん普通だよ?履いてごらんよ」
「ひ、膝より上なんて、無理、無理です」
ハウルもクリスティンの横に来ると、楽しそうに裕美子に服をかざした。
「履き慣れてないだけでしょ。新鮮だから試してごらんよ。かわいいと思うよ?」
ブンブン首を横に振るが、
「試すだけやろ~。今女の子しかいないし、こんな時じゃないとできないかもよ?」
とクリスティンに隣の部屋に連れて行かれた。
「まずジャージ脱ごうね」
「ひ、一人でできます」
「ユミちゃん、下着はもう少し気を使おうよ」
「やあ、み、見ないで」
そこにシャノンが到着した。
「こんちゃー」
「お、来たね。いらっしゃーい。おーいクリスティン、シャノン来たからアイスティーもう一個追加ー」
「あなたのお家でしょう?自分で入れなさーい。私は今、忙しいのよぉ~」
「ちぇーっ、しょうがないな」
上がりこんできたシャノンは、被ってた帽子を取って鞄を肩から下ろすと部屋を見回した。
「クリスティン隣の部屋?あれ、こいずみもいるんでしょ?」
「今着せかえ中」
「何?どゆこと?」
「はーい、お待たせぇ」
足を内股に、手を交差させて、赤くなった困惑顔で裕美子が押されて入ってきた。それを見たシャノンが肩から外した鞄をすとんと落っことした。
「こいずみ?!わあ、いいじゃーん!」
スコッチ柄の短いスカートに袖がフリルなTシャツといういでたちだった。
ハウルとシャノンが近くに寄ってきて360度なめるように見渡した。
「合うよねえ」
「あうあう。こいずみ、いい足してるじゃーん」
「わあ!足触らないで」
いろいろ前だの後ろだの見回してたが、そしたらシャノン、いきなりスカートを捲った。
「きゃあ!」
「なんでデニムのパンツ履いてるの?」
裕美子はスカートの下にデニムのショートパンツを履いていた。
「次はこれでーす」
と言ってクリスティンにスカートを下ろされ、それだけでなく上のTシャツまで脱がし始めた。
「いやあ!ちょ、ちょっと、何するんですかあ!」
「は~い、このキャミは見せてもいいものよー」
「わーぁ、こいずみ、なにそれ色っぽーい」
「こ、こんな格好で出歩くんですか?ほとんど下着じゃないですか」
今まで来てた服を一皮むくと、デニムのショートパンツと、胸元にレース柄の入ったキャミソールという格好になった。
「まあ私もそのままで出たことはないけどね。あら裕美子、お胸いい感じじゃない。こないだより成長してるよ」
やあっと手を交差させて前屈みにしゃがんでしまった。その時きゅっとすぼめられたら胸元には、寄せられたことでできた谷間が妙にエッチで、自分らしくなくて物凄い恥ずかしさと罪悪感のようなものがこみ上げてきた。
『やだ。これわたしなの?いやらしい・・』
「あたしもこういうふうにしたら色っぽくなるかな!!」
「シャノン意外と胸あるんだよね。・・でもなんか犯罪のような絵になりそうでイヤだわ」
「幼児に大人の格好させるのがあったわね。恐いわ、あんまり見たくないわぁ」
ハウルとクリスティンが口を揃えて言う。
「なんで!!」
「シャノンも着れそうなのあったら持っていっていいわよ」
「ほんと?見さして」
裕美子は前屈みになったまま自分の鞄の所に這っていった。
「・・自分の服に着替えます」
「それどっちも良かったよ。持って行って。あとこっちのワンピースなら無難だよ。膝よりちょっと上くらいの丈だし。キュロットだったら丈短めでもまくれる心配もないし。ミニのスカートはさ、生足出すの嫌だったら下にレギンスとか履いて合わせてもいいと思うよ」
「・・ありがとうございます」
『断れそうにないし、貰っていこうか・・。確かにそうやればわたしでも履けるかもだし』
「ハウル~、これミニなのに丈がちょっと長いよー」
「シャノンには小学生の時のお下がりの方がよさそうねえ」
次回「第2部:第12章 女の子たちのグループ交際反省会(4):カーラから借りた本」へ続く!
前回のお話「第2部:第12章 女の子たちのグループ交際反省会(2):ラジオ体操」
対応する第1部のお話「第1部:第16章 改めてカップルで(1):遊んでくれなかったなー?」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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シャノンちゃんも加わって女の園の場面となりました。漫画で見てみたいですねえ。
次回は問題のカーラちゃんの恋愛小説が取り上げられます。
※片いなか・ハイスクール第2部は、第1部のエピソードを裏話なども交えながら本編のヒロイン裕美子の視点で振り返るものです。ぜひアロン目線の第1部のその部分と読み比べてみてください。「対応する第1部のお話」で飛ぶことができます。
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