オリエンテーリング (12) [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第12回
<オリエンテーリング (12)>
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A班ゴール地点
「え?まだ行く?でももう真っ暗だろう?大丈夫か?」
・・(行きます。今声援もらってモチベーション高いんです。A班の人達に言ってください。元気をありがとうって)・・
「・・わかった。気を付けてな。変化あったらすぐ連絡してくれ。定時まで待たなくていいから。な」
電話が切れた。
勇夫が覗きこむ。
「なんだって?」
ドジ担任はみんなの方に向き直った。
「B班からA班に伝言だ。いいか?みんな」
みんなが担任の顔を見た。みんながいることを確認した担任はきりっと言った。
「B班から、『元気をありがとう。私達は行きます』。聞こえたか?B班はまだあきらめないぞ!」
「そうこなくっちゃ!」
わああ!っと歓声が上がった。
レソフィックが提案を出した。
「俺らゴールしたから、ここもう撤収していいんだろう?ドジ担任!B班のゴールへ行こうぜ、みんなで!」
「そりゃいい案だ。みんなで迎えさせてください!」チャンも賛同した。
するとハウルが勇夫を押さえつけて上から
「のったー、その案乗った!」
と飛び出してきた。
「ドジ担任の車どこ?・・あれね!勇夫、車占拠して!みんな乗り込め、いくわよー!」
ハウルが聞いたとたんに行動に走った。
「ばっか、免許もねえだろ!」担任が焦るが、
「へっへっへ、動かし方なら知ってるもんね」とニヤつきながら勇夫が車に向かって行った。
「うわ、やめてくれ!C組の栄誉をそんな形でぶっ壊さないでくれ」
「じゃあ、早く運転してよ、ドジ担任さん。」
「乗るならそっちのミニバンだ。10人乗れるのはそっちだ。スミマセーン!B班の生徒迎えに行きます、撤収お願いしまーす」
とドジ担任は天幕に残るほかの2名の先生の返事を聞くまでもなく言い放して車に乗り込んだ。
「みんな乗ったか?」
「大丈夫でーす、はやく、出発、出発!」とハウルが急かす。
ぶろろろろっと車は走り出した。
とたんに後ろで騒いでる。
「走れ!全力で走れ、そして飛び乗れ!」
「うわわわ、まってくれー!」
立ち小便してちょっと離れていたパウロが取り残されていたのだ。
ミニバンの観音開きの後部ドアからミシェルが手を伸ばしている。ミシェルの体を勇夫が掴んでサポートしていた。パウロは全速力で走ってミシェルの手を掴み、車に引き上げられた。
「ぜー、ぜー、ぜー、はうる~!!」
「おい、誰か置いてったか?」
担任が後ろをチラッと見ながら聞く。
「間に合ったじゃない。問題ないでーす」調子のいいハウルだった。
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そしてB班。
ウォルト達が協議していた間、特殊任務をしていたシャルロットとアンザック、そしてアロンが戻ってきた。
特殊任務とはこうだ。
シャルロットはB班みんなの近くにあって、アンザックはシャルロットが持つライトの光が直接見えるできるだけ遠くに行った。そしてそこから500mある細いロープをアロンのベルトに縛って、アロンは一体を偵察したのだ。
そして道を見つけてきたのだ。
「あったぜ、道が。400m先に」
誇らしげに報告するアロン。
暗闇で長時間待たされたアンザックは足の震えがまだ収まっていなかった。
次回「オリエンテーリング (13)」へ続く!
前回のお話「オリエンテーリング (11)」
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「え?まだ行く?でももう真っ暗だろう?大丈夫か?」
・・(行きます。今声援もらってモチベーション高いんです。A班の人達に言ってください。元気をありがとうって)・・
「・・わかった。気を付けてな。変化あったらすぐ連絡してくれ。定時まで待たなくていいから。な」
電話が切れた。
勇夫が覗きこむ。
「なんだって?」
ドジ担任はみんなの方に向き直った。
「B班からA班に伝言だ。いいか?みんな」
みんなが担任の顔を見た。みんながいることを確認した担任はきりっと言った。
「B班から、『元気をありがとう。私達は行きます』。聞こえたか?B班はまだあきらめないぞ!」
「そうこなくっちゃ!」
わああ!っと歓声が上がった。
レソフィックが提案を出した。
「俺らゴールしたから、ここもう撤収していいんだろう?ドジ担任!B班のゴールへ行こうぜ、みんなで!」
「そりゃいい案だ。みんなで迎えさせてください!」チャンも賛同した。
するとハウルが勇夫を押さえつけて上から
「のったー、その案乗った!」
と飛び出してきた。
「ドジ担任の車どこ?・・あれね!勇夫、車占拠して!みんな乗り込め、いくわよー!」
ハウルが聞いたとたんに行動に走った。
「ばっか、免許もねえだろ!」担任が焦るが、
「へっへっへ、動かし方なら知ってるもんね」とニヤつきながら勇夫が車に向かって行った。
「うわ、やめてくれ!C組の栄誉をそんな形でぶっ壊さないでくれ」
「じゃあ、早く運転してよ、ドジ担任さん。」
「乗るならそっちのミニバンだ。10人乗れるのはそっちだ。スミマセーン!B班の生徒迎えに行きます、撤収お願いしまーす」
とドジ担任は天幕に残るほかの2名の先生の返事を聞くまでもなく言い放して車に乗り込んだ。
「みんな乗ったか?」
「大丈夫でーす、はやく、出発、出発!」とハウルが急かす。
ぶろろろろっと車は走り出した。
とたんに後ろで騒いでる。
「走れ!全力で走れ、そして飛び乗れ!」
「うわわわ、まってくれー!」
立ち小便してちょっと離れていたパウロが取り残されていたのだ。
ミニバンの観音開きの後部ドアからミシェルが手を伸ばしている。ミシェルの体を勇夫が掴んでサポートしていた。パウロは全速力で走ってミシェルの手を掴み、車に引き上げられた。
「ぜー、ぜー、ぜー、はうる~!!」
「おい、誰か置いてったか?」
担任が後ろをチラッと見ながら聞く。
「間に合ったじゃない。問題ないでーす」調子のいいハウルだった。
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そしてB班。
ウォルト達が協議していた間、特殊任務をしていたシャルロットとアンザック、そしてアロンが戻ってきた。
特殊任務とはこうだ。
シャルロットはB班みんなの近くにあって、アンザックはシャルロットが持つライトの光が直接見えるできるだけ遠くに行った。そしてそこから500mある細いロープをアロンのベルトに縛って、アロンは一体を偵察したのだ。
そして道を見つけてきたのだ。
「あったぜ、道が。400m先に」
誇らしげに報告するアロン。
暗闇で長時間待たされたアンザックは足の震えがまだ収まっていなかった。
次回「オリエンテーリング (13)」へ続く!
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