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<イザベルのお礼アタック(2)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第24回
<イザベルのお礼アタック(2)>

数日後、帰り際に再びダーニャを運び屋にしてクッキーが渡された。

「はいこれ。イザベルの愛第二段よ。今度は本人に直接感想言ってあげてね。あ、そうそう勇夫、レソフィック!こんどはつまみ食い一切禁止だからね!」
横に並んでいる2人にダーニャは釘を刺すと去っていった。
「えー?こっぴどく疲れてるときは効きそうな甘さだったのに」とがっかりする勇夫。

するとA組の男がやってきてアロンに声をかけた。
「すまんが君、ダーニャさんの彼氏?」
「はあ?なんでよ」
「違うの?何か彼女にもらってたし・・・」
「ダーニャは他の人に頼まれて、俺にコレ持ってきただけだよ」
「そっか!悪かったな、変な問いかけして」
その男子は去っていった。

レソフィックがその後ろ姿を見ながら言った。
「知ってっか?ダーニャって他のクラスで人気あるらしいぞ」
「ほお」
「あいつ美女とよくいるだろ。美女はハードル高すぎるってんで、ダーニャ狙いの男が結構いるって話だ」
すっかりシャルロットには美女のあだなが定着していた。身長170cmの美女に160cm前後のダーニャのコンピは、上級生が1年生のフロアに様子を見に来たりするくらい、学校ではそれなりな存在だった。
「ふーん。確かに美女の横にいても霞んでないよな」
「だろ?普通に見りゃあいつも美人の仲間だぜ。だろ?」
レソフィックは今度は勇夫に向って言った。
「そうかなあ・・」
「レソフィック、こいつに聞くのは大間違いってもんだろ。中身小学生なんだから」
「なにー!?」


帰る途中、苦みの強いコーヒーを買って帰った。レソフィックと勇夫もアロンの家に上がりこむ。
「少しは食わせろよ」
レソフィックが袋の中身に興味津々である。
「わかったよ」

コーヒーを入れて準備が整うと、アロンはポリポリ食べてみるが、
「今度はあまり・・というかほとんど甘みない。極端だなあ。バターを練りこんだ乾パンみたい。食う?」
「もらい。・・・うーん。栄養ありそうだから遭難したときの栄養食には使えるな。どこで買ったか教わろう」
山好きの勇夫であった。が、アロンがフォローする。
「これ手作りだろ。砂糖入れ忘れただけじゃねぇの?」
「見かけはよくできてるんだけどなあ。それでアロン、どうだイザベルの評価は」
レソフィックはアロンの反応に興味つつな様子である。
「なんでお前が気にするんだ。なんだっていいだろ」
「照れるなって!」
「照れてねえよ。・・でもあの険のある顔からはちょっと意外だったな、手作りクッキーとは」
また一つ頬張りながら勇夫が言った。
「俺これでいいからまた作ってもらってくれ」
「自分で頼め!」


次回「イザベルのお礼アタック(3)」へ続く!

前回のお話「イザベルのお礼アタック(1)」
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