＜ピクニック（１）:バーベキューしよー＞ [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第105回
＜ピクニック（１）:バーベキューしよー＞
８月も中旬の頃。
今日はレソフィックの部屋で晩飯である。用意されたのは夏なのに鍋であった。
レソフィックとアロンが支度をしているところに、勇夫がやって来た。ちょっと遅れたのは電話がかかってきたからだ。
「さっきハウルから電話があったんだけど、夏休み前にちょっと話に上がったバーベキューを、来週やろうって」
アロンが鍋に材料を入れながら対応する。
「あの連中も暇だなー。こないだダリ･ビーチで肉食ったじゃんか」
「でもクラス全員だと意外と配分少なかったからな。食い足りなかったんじゃねえの？」
「ハウルらしい・・。彼氏とデートでもしてりゃいいのに」
アロンのその一言にレソフィックが突っ込む。
「彼氏なんかいないからだろ？だから俺らに声かけてくるんじゃないか」
アロンの手が止まった。「ひょっとして、俺らをターゲットに？」
はっとして３人は顔を見合わせた。
「来るの誰だって？」レソフィックが勇夫に向かって聞いた。勇夫が答える。
「ハウル、カーラ、クリスティン、小泉」
３人は想像してみる。
誰とだれの組み合わせだろう。
それを受けてアロンとレソフィックがやりとりし始めた。
「いつもの４人か。男が一人少ないじゃんか」
「補充しよう。今時ほかに暇そうなさみしい男といえば・・リーダーとアンザックか？」「アンザックはじいさんの船で旅行中だろ？」
「そっか。・・でもいいな、じいさんの海賊船で海へ出るって。来年の夏はそれでどっかの無人島にでも連れてってもらおうぜ」
海賊船と聞いて勇夫が乗り出してきた。
「それいいな！ダリ・ビーチよりいい企画じゃん。来年それぜったいやろうぜ。決まり！いいな？」
アロンが勇夫を見上げて言った。
「なんかハウルとお前って、反応似てる」
「え？あれと一緒にしないでくれっての！それじゃもう一人はリーダーってことで、連絡してみよう」
勇夫は電話をかけに行った。
レソフィックとアロンはその間に鍋をよそる。お玉を手にしながらアロンがレソフィックに聞いた。
「ところで、なんで鍋なんだ？」
「こないだお前と勇夫が無人販売所でやたらと野菜買うからだ。安いからったって、この季節もたねえんだぞ。早く消費しないとよ」
「だからって、よりによって鍋？」
「・・・他に思いつかなかった」
そして汗だくの食事が始まる。
勇夫はすぐ戻ってきた。
「予想通りリーダー暇そうだった。行く行くって」
先に食い始めていたアロンが見上げながら言う。
「よっしゃ、メンバーは決まったな。食いながら段取り考えようぜ」
「ところでアロン。あのダリ・ビーチのおさななじみの代役、見つかったのか？」レソフィックが思い出して聞いた。
「え？見つかるわけないじゃん。どうやって探すんだよ」
実はアロン、この2人にも裕美子がやったことを明かしてなった。
「もう一度ダリ・ビーチ行って張り込みするとかさあ。なんで連絡先とか聞いとかないんだよ。だってかなりかわいい子だったぞ。もったいなない」
「そ、そうか？」
「お前が声かけてすぐ承諾したんだから、相手もきっと気があったって。連絡先くらいすぐ教えてくれたよ」
「おーし、じゃあ夏休み後半はダリ・ビーチで張り込みキャンプだ」勇夫の目的はどちらかというとキャンプそのものだろう。
「真夏の浜辺でのキャンプはあちーからやだよ」
次回「ピクニック（２）:女の子集合中」へ続く！
前回のお話「夏のエピソード後編（８）:ナニモノ？」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
Copyright(c) 2009-2010 TSO All Rights Reserved
＜ピクニック（１）:バーベキューしよー＞
８月も中旬の頃。
今日はレソフィックの部屋で晩飯である。用意されたのは夏なのに鍋であった。
レソフィックとアロンが支度をしているところに、勇夫がやって来た。ちょっと遅れたのは電話がかかってきたからだ。
「さっきハウルから電話があったんだけど、夏休み前にちょっと話に上がったバーベキューを、来週やろうって」
アロンが鍋に材料を入れながら対応する。
「あの連中も暇だなー。こないだダリ･ビーチで肉食ったじゃんか」
「でもクラス全員だと意外と配分少なかったからな。食い足りなかったんじゃねえの？」
「ハウルらしい・・。彼氏とデートでもしてりゃいいのに」
アロンのその一言にレソフィックが突っ込む。
「彼氏なんかいないからだろ？だから俺らに声かけてくるんじゃないか」
アロンの手が止まった。「ひょっとして、俺らをターゲットに？」
はっとして３人は顔を見合わせた。
「来るの誰だって？」レソフィックが勇夫に向かって聞いた。勇夫が答える。
「ハウル、カーラ、クリスティン、小泉」
３人は想像してみる。
誰とだれの組み合わせだろう。
それを受けてアロンとレソフィックがやりとりし始めた。
「いつもの４人か。男が一人少ないじゃんか」
「補充しよう。今時ほかに暇そうなさみしい男といえば・・リーダーとアンザックか？」「アンザックはじいさんの船で旅行中だろ？」
「そっか。・・でもいいな、じいさんの海賊船で海へ出るって。来年の夏はそれでどっかの無人島にでも連れてってもらおうぜ」
海賊船と聞いて勇夫が乗り出してきた。
「それいいな！ダリ・ビーチよりいい企画じゃん。来年それぜったいやろうぜ。決まり！いいな？」
アロンが勇夫を見上げて言った。
「なんかハウルとお前って、反応似てる」
「え？あれと一緒にしないでくれっての！それじゃもう一人はリーダーってことで、連絡してみよう」
勇夫は電話をかけに行った。
レソフィックとアロンはその間に鍋をよそる。お玉を手にしながらアロンがレソフィックに聞いた。
「ところで、なんで鍋なんだ？」
「こないだお前と勇夫が無人販売所でやたらと野菜買うからだ。安いからったって、この季節もたねえんだぞ。早く消費しないとよ」
「だからって、よりによって鍋？」
「・・・他に思いつかなかった」
そして汗だくの食事が始まる。
勇夫はすぐ戻ってきた。
「予想通りリーダー暇そうだった。行く行くって」
先に食い始めていたアロンが見上げながら言う。
「よっしゃ、メンバーは決まったな。食いながら段取り考えようぜ」
「ところでアロン。あのダリ・ビーチのおさななじみの代役、見つかったのか？」レソフィックが思い出して聞いた。
「え？見つかるわけないじゃん。どうやって探すんだよ」
実はアロン、この2人にも裕美子がやったことを明かしてなった。
「もう一度ダリ・ビーチ行って張り込みするとかさあ。なんで連絡先とか聞いとかないんだよ。だってかなりかわいい子だったぞ。もったいなない」
「そ、そうか？」
「お前が声かけてすぐ承諾したんだから、相手もきっと気があったって。連絡先くらいすぐ教えてくれたよ」
「おーし、じゃあ夏休み後半はダリ・ビーチで張り込みキャンプだ」勇夫の目的はどちらかというとキャンプそのものだろう。
「真夏の浜辺でのキャンプはあちーからやだよ」
次回「ピクニック（２）:女の子集合中」へ続く！
前回のお話「夏のエピソード後編（８）:ナニモノ？」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
Copyright(c) 2009-2010 TSO All Rights Reserved
☆☆ 災害時 安否確認 ☆☆
ランキング参加してます
☆気に入った記事あったらぽちっとクリックしてね☆
応援
エアコンがガンガン効いてる部屋なら鍋もアリですけどねぇ。
この時期、焼肉とか行くとホント汗だくになっちゃいます（笑）
by ケンケン＠ (2010-07-26 19:14)
xml_xslさん、copperさん、aspirebeatさん、dorobouhigeさん、ケンケン＠さん、やまさん、niceありがとうございます。
ケンケン＠さん、いつもコメントありがとうございます。
昨日はあの猛暑にもかかわらず、ウチの夕飯は「おでん」が登場しました（なお空調は扇風機のみ）。マジでやる人がいるなんて・・・しかも身内で。。。
by TSO (2010-07-27 00:36)
こんにちにゃ(^o^)/
暑いときは熱いものを・・・
よく言うけれど、実際にやるのはけっこうチャレンジングですにゃ～
でも、ハフハフ(゜◇゜*)言いながら食べるのもいいかも？
かっぱは冷たいもののとりすぎで、お腹こわし中でふ～
by K-STYLE (2010-07-27 12:55)
ヒロさん、かっぱちゃん、niceありがとうございます。
かっぱちゃん、こめんとありがとです。(^^)/
暑い時は熱いものをって、お茶くらいならいいですけど、お鍋はがまん大会の世界ですヨー。
お腹大丈夫ですか？それこそ熱いほうじ茶なんていいかもしれませんよ。お大事に~
by TSO (2010-07-28 22:06)