<ピクニック(8):バーベキュー当日> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第112回
<ピクニック(8):バーベキュー当日>
バーベキューは一駅さらに田舎のとなりの駅で降りた河原。クスス山を源流とするきれいな川である。
じゅわーっと炭火で肉が焼けていくいいにおいがただよっていた。
「おいしー!」クリスティンとカーラが幸せそうに顔を突き合わせた。
「うまーい!」焼けるやいなや目にも止まらぬ早さで口に放り込むハウルも感嘆の声を上げた。
「お肉をあらかじめタレに漬けてあるんですね。とってもおいしいです」裕美子は落ち着いて味わいながらそれを評価していた。
女の子たちの評判は上々である。
勇夫が自慢げに説明する。
「そのまま焼いて食うのも今日準備してあるけど、お薦めはやっぱこれだよ。これは今朝来る前に漬けたんだけど、時間経つと味濃くなりすぎるから、先に焼いてるんだ」
「まめですね。勇夫君がみんなやったんですか?」
料理好きの裕美子は作り方が気になるようだ。
「豚肉が俺、牛肉がアロン、ラム肉はレソフィックが準備した。みんな違うやり方なんだぜ」
ハウルが焦る。
「やべ!男どもの方ができるじゃん」
すかさずカーラが弱点をついてきた。
「リーダーは何したの?」
リーダーはまだ頭がすっきりしない顔をしていた。
「いや、酒飲まされちゃって酔いつぶれて、朝起きらんなくって・・これには何も手伝ってないんだ」
「リーダー、酒弱すぎだっつうの!また昨日の夜も・・」
最も飲ませたレソフィックが言いかけたが一応止めた。しかし・・
「また吐いちゃったんですか?」
裕美子がさらりと言ってのけた。
「う!ゆ、裕美子さん、まだ俺にその印象を・・!」
「え?!いやあ・・ち、違いますよ(あたふた)。わたしもほら、お酒弱かったから、よくわかるなーって思って・・」
「そ、そうでしたか」
リーダーは裕美子の手を握りにいって
「あれはつらいですよねー。頭は痛くなるし、胃の中はたらふく食ったつまみが煮え繰り返って、すっぱいものが急に込みあげてくるし・・」
裕美子はその手を振りほどいた。
「や、やめてください。食べてるところなのに」
「がーん。し、しまったあ・・また余計なイメージに上塗りするようなことを・・・」
しかしアロンがクーラーボックスからお構いなくビールを取り出した。
「ほら、リーダー。焼き肉で飲むとうまいよ」
リーダー、激しく首を横に振る。
「女の子も飲む?」
「くださーい」「じゃあ、ちょっとだけ」
レソフィックが放って配った。
ハウルがさっそくプルタブを開けるとカーラをせっついた。
「ほら、カーラ。乾杯乾杯」
「ちょ、ちょっと待ってよ・・」
裕美子も1本もらったが、前回酔いつぶれて寝てしまったので躊躇してる。それを知ってるアロンが声をかけた。
「ビールだからワインよりアルコール度低いけど、無理に飲まなくてもいいから。小泉は酔うと寝ちゃうんだよね。寝ちゃうとさあ、あの連中がいやらしいことしてくるから・・・」
「!?わたし、なにかされました?」
「もみくちゃにされてて・・なんか直視できなかったんだけど・・」
裕美子が恥ずかしさで顔を赤くした。
「・・そういえば服みだれてたんですよね・・・脱がされた?アロン君、見た?」
「い、いやあ、さすがに脱がされてはなかったけど・・ハウルお尻とかもんでたぞ」
言ったその場ではずかしくなってアロンも顔を赤らめた。
「ハウルさん!」
肉をほう張りながらハウルは
「大丈夫よ、胸まだちょっと小さいけど、これから成長するから」
裕美子は缶ビールをしゃかしゃか振ると、プルタブを少しあけてブシャーっとハウルに・・
「胸も触ったんですか?あなたって人はー!」
わあー!っと一時騒然となる。
次回「ピクニック(9):ハウルと勇夫はどうなった?」へ続く!
前回のお話「ピクニック(7):カレシか僕(しもべ)か」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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<ピクニック(8):バーベキュー当日>
バーベキューは一駅さらに田舎のとなりの駅で降りた河原。クスス山を源流とするきれいな川である。
じゅわーっと炭火で肉が焼けていくいいにおいがただよっていた。
「おいしー!」クリスティンとカーラが幸せそうに顔を突き合わせた。
「うまーい!」焼けるやいなや目にも止まらぬ早さで口に放り込むハウルも感嘆の声を上げた。
「お肉をあらかじめタレに漬けてあるんですね。とってもおいしいです」裕美子は落ち着いて味わいながらそれを評価していた。
女の子たちの評判は上々である。
勇夫が自慢げに説明する。
「そのまま焼いて食うのも今日準備してあるけど、お薦めはやっぱこれだよ。これは今朝来る前に漬けたんだけど、時間経つと味濃くなりすぎるから、先に焼いてるんだ」
「まめですね。勇夫君がみんなやったんですか?」
料理好きの裕美子は作り方が気になるようだ。
「豚肉が俺、牛肉がアロン、ラム肉はレソフィックが準備した。みんな違うやり方なんだぜ」
ハウルが焦る。
「やべ!男どもの方ができるじゃん」
すかさずカーラが弱点をついてきた。
「リーダーは何したの?」
リーダーはまだ頭がすっきりしない顔をしていた。
「いや、酒飲まされちゃって酔いつぶれて、朝起きらんなくって・・これには何も手伝ってないんだ」
「リーダー、酒弱すぎだっつうの!また昨日の夜も・・」
最も飲ませたレソフィックが言いかけたが一応止めた。しかし・・
「また吐いちゃったんですか?」
裕美子がさらりと言ってのけた。
「う!ゆ、裕美子さん、まだ俺にその印象を・・!」
「え?!いやあ・・ち、違いますよ(あたふた)。わたしもほら、お酒弱かったから、よくわかるなーって思って・・」
「そ、そうでしたか」
リーダーは裕美子の手を握りにいって
「あれはつらいですよねー。頭は痛くなるし、胃の中はたらふく食ったつまみが煮え繰り返って、すっぱいものが急に込みあげてくるし・・」
裕美子はその手を振りほどいた。
「や、やめてください。食べてるところなのに」
「がーん。し、しまったあ・・また余計なイメージに上塗りするようなことを・・・」
しかしアロンがクーラーボックスからお構いなくビールを取り出した。
「ほら、リーダー。焼き肉で飲むとうまいよ」
リーダー、激しく首を横に振る。
「女の子も飲む?」
「くださーい」「じゃあ、ちょっとだけ」
レソフィックが放って配った。
ハウルがさっそくプルタブを開けるとカーラをせっついた。
「ほら、カーラ。乾杯乾杯」
「ちょ、ちょっと待ってよ・・」
裕美子も1本もらったが、前回酔いつぶれて寝てしまったので躊躇してる。それを知ってるアロンが声をかけた。
「ビールだからワインよりアルコール度低いけど、無理に飲まなくてもいいから。小泉は酔うと寝ちゃうんだよね。寝ちゃうとさあ、あの連中がいやらしいことしてくるから・・・」
「!?わたし、なにかされました?」
「もみくちゃにされてて・・なんか直視できなかったんだけど・・」
裕美子が恥ずかしさで顔を赤くした。
「・・そういえば服みだれてたんですよね・・・脱がされた?アロン君、見た?」
「い、いやあ、さすがに脱がされてはなかったけど・・ハウルお尻とかもんでたぞ」
言ったその場ではずかしくなってアロンも顔を赤らめた。
「ハウルさん!」
肉をほう張りながらハウルは
「大丈夫よ、胸まだちょっと小さいけど、これから成長するから」
裕美子は缶ビールをしゃかしゃか振ると、プルタブを少しあけてブシャーっとハウルに・・
「胸も触ったんですか?あなたって人はー!」
わあー!っと一時騒然となる。
次回「ピクニック(9):ハウルと勇夫はどうなった?」へ続く!
前回のお話「ピクニック(7):カレシか僕(しもべ)か」
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バーベキューとか楽しそう~(゜◇゜*)
か、会話の内容はキワドイでふね・・・・・・
執筆おつかれさまですにゃ(・∀・)/
by K-STYLE (2010-08-10 22:03)
copperさん、xml_xslさん、HAtAさん、F−USAさん、K-STYLEさん、niceありがとうございます。
かっぱちゃん、コメありがとうです。
お色気シーンもたくさん書こうと思ってますにゃ(行き過ぎないように)。
青春ですから(だから行き過ぎないように)。
by TSO (2010-08-12 01:16)