<学内ライブ(4):美女に引っ立てられる> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第138回
<学内ライブ(4):美女に引っ立てられる>
昼休みに裕美子は今度は女子に囲まれた。
肩をつかまれ、
「ちょっときな!」
と声をかけられ、見上げた目線の先には長身の美女がいた。
「今ですか?」
「当然!」
『また・・男問題でもめごとに。ここでも繰り返されるの?』
悲しい裕美子だった。
裕美子は美女とその仲間に廊下へ連れ出さられた。
お昼ご飯で集まってきたハウル達もそれを目撃した。
「裕美子やばくない?」
ハウルが心配する。
「騙してたんだから・・当然の報いよ。私達まで」
カーラがうつむきながら冷たく言う。
「ユミちゃん、本当のところはアロン君、好きなのかな」
クリスティンがぽそりと言う。
「あんまりそういうそぶり見せたことないけどね。頼まれただけだったんでしょ?だって夏以降付き合ってた気配もないし」
「でも、私がアロン君を気にかけてることは知ってるはずなのに・・ちっとも言わなかったじゃない。おさななじみの許嫁がいるってのがどれほど気になったことか・・・。何とも思ってないんだったら、言ってくれるはずだわ」
カーラは膨れっ面になりながら言った。
「そうだね・・・、裕美子はアロンに気があるのか・・・そうだ、夏バーベキューやったとき、あの子濁してたけど好きな人いるって感じだったのよね。それがアロンだとすれば、カーラに遠慮して言えなかったってことで筋が通る。でもその後二人の仲に進展がなかったってことは、アロンの方がその気がないからじゃない?」
「でも、わたしなんかよりずっと一緒にいる時間長いわよ。席が隣同士ってこともあるけど・・」
クリスティンも裕美子が意外とアロンの近くにあることに気付いてきた。
「でもアロン君、カーラとも務めて一緒にいるみたいだけど・・なんか進展しないね。さすがに気付いてるよね?カーラがアロン君に好意を抱いてること。それでも何もない?」
ハウルの指がいらつかせるように机をたたく。
「カーラ、あんたいまだにクリスティンとレソフィックみたいにお友達な関係なだけ?なんで?」
「え、え?ほ、ほら、いつも酔って醜態さらすから、おしとやかに振る舞わらなきゃって・・」
「いいのよあれくらい積極的で!ああ、じれったいなあ!カーラがはっきり言うか、裕美子に気があるなら裕美子が言うかしないから、あいまいなままなんじゃん!」
「だって、美女まで出てきて・・」
カーラは両の人差し指をつんつんしながら弱々しく言った。
「裕美子を許さないなら、美女も許さないってんじゃなきゃ!だいたいアロンの態度も中途半端だよね!目の前を2人の女の子がうろついてるのにどっちつかずな!」
「う・・ん。私がしらふの時にちゃんと言えればいいのよね・・」
一方理科準備室へ引きずり込まれた裕美子。
相手は美女とダーニャ、イザベル、それに美女派のA組の女子一人で、こちらも部屋に入った瞬間からずっともめにもめていた。
「・・・説得は無理かもしれないけど、会見の場を作るくらいならやりましょうか」
「!、是非やってもらいましょうか!」
「アロン君来たら、あとは美女さん次第ですよ」
「だめよ!ペナルティがあるんだから。私になびくよう事前に盛り上げておいてもらわないとね」
「ええ!?、かなり難題なんですけど・・。とりあえず、そういうことで許してもらえますか?」
「うまくいったらよ、うまくいったら!ふん!!」
裕美子はようやく解放された。
『美女さんとアロン君がくっつくとはとても思えないし。どうしよう。
①全面対決=美女vs裕美子でアロンを奪いあう
②和解=アロンを美女とくっつける(可能性ほぼゼロ)
③混沌=アロンの恋敵をもう一人登場させ、美女の矛先を裕美子から変えさせる
④新たな行き先=美女を別の人に夢中にさせる
最後の④案はできないかしら
』
次回「学内ライブ(5):まずは美女から」へ続く!
前回のお話「学内ライブ(3):カーラの憂鬱」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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<学内ライブ(4):美女に引っ立てられる>
昼休みに裕美子は今度は女子に囲まれた。
肩をつかまれ、
「ちょっときな!」
と声をかけられ、見上げた目線の先には長身の美女がいた。
「今ですか?」
「当然!」
『また・・男問題でもめごとに。ここでも繰り返されるの?』
悲しい裕美子だった。
裕美子は美女とその仲間に廊下へ連れ出さられた。
お昼ご飯で集まってきたハウル達もそれを目撃した。
「裕美子やばくない?」
ハウルが心配する。
「騙してたんだから・・当然の報いよ。私達まで」
カーラがうつむきながら冷たく言う。
「ユミちゃん、本当のところはアロン君、好きなのかな」
クリスティンがぽそりと言う。
「あんまりそういうそぶり見せたことないけどね。頼まれただけだったんでしょ?だって夏以降付き合ってた気配もないし」
「でも、私がアロン君を気にかけてることは知ってるはずなのに・・ちっとも言わなかったじゃない。おさななじみの許嫁がいるってのがどれほど気になったことか・・・。何とも思ってないんだったら、言ってくれるはずだわ」
カーラは膨れっ面になりながら言った。
「そうだね・・・、裕美子はアロンに気があるのか・・・そうだ、夏バーベキューやったとき、あの子濁してたけど好きな人いるって感じだったのよね。それがアロンだとすれば、カーラに遠慮して言えなかったってことで筋が通る。でもその後二人の仲に進展がなかったってことは、アロンの方がその気がないからじゃない?」
「でも、わたしなんかよりずっと一緒にいる時間長いわよ。席が隣同士ってこともあるけど・・」
クリスティンも裕美子が意外とアロンの近くにあることに気付いてきた。
「でもアロン君、カーラとも務めて一緒にいるみたいだけど・・なんか進展しないね。さすがに気付いてるよね?カーラがアロン君に好意を抱いてること。それでも何もない?」
ハウルの指がいらつかせるように机をたたく。
「カーラ、あんたいまだにクリスティンとレソフィックみたいにお友達な関係なだけ?なんで?」
「え、え?ほ、ほら、いつも酔って醜態さらすから、おしとやかに振る舞わらなきゃって・・」
「いいのよあれくらい積極的で!ああ、じれったいなあ!カーラがはっきり言うか、裕美子に気があるなら裕美子が言うかしないから、あいまいなままなんじゃん!」
「だって、美女まで出てきて・・」
カーラは両の人差し指をつんつんしながら弱々しく言った。
「裕美子を許さないなら、美女も許さないってんじゃなきゃ!だいたいアロンの態度も中途半端だよね!目の前を2人の女の子がうろついてるのにどっちつかずな!」
「う・・ん。私がしらふの時にちゃんと言えればいいのよね・・」
一方理科準備室へ引きずり込まれた裕美子。
相手は美女とダーニャ、イザベル、それに美女派のA組の女子一人で、こちらも部屋に入った瞬間からずっともめにもめていた。
「・・・説得は無理かもしれないけど、会見の場を作るくらいならやりましょうか」
「!、是非やってもらいましょうか!」
「アロン君来たら、あとは美女さん次第ですよ」
「だめよ!ペナルティがあるんだから。私になびくよう事前に盛り上げておいてもらわないとね」
「ええ!?、かなり難題なんですけど・・。とりあえず、そういうことで許してもらえますか?」
「うまくいったらよ、うまくいったら!ふん!!」
裕美子はようやく解放された。
『美女さんとアロン君がくっつくとはとても思えないし。どうしよう。
①全面対決=美女vs裕美子でアロンを奪いあう
②和解=アロンを美女とくっつける(可能性ほぼゼロ)
③混沌=アロンの恋敵をもう一人登場させ、美女の矛先を裕美子から変えさせる
④新たな行き先=美女を別の人に夢中にさせる
最後の④案はできないかしら
』
次回「学内ライブ(5):まずは美女から」へ続く!
前回のお話「学内ライブ(3):カーラの憂鬱」
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takemoviesさん、bitさん、kuzeさん、ケンケン@さん、ほちゃさん、xml_xslさん、HAtAさん、ヒロさん、yutililさん、niceありがとうございます。
無人運転状態ですみませんです~。
by TSO (2010-10-22 23:27)