<球技大会(5):本番試合の行方は?> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第151回
<球技大会(5):本番試合の行方は?>
その後練習試合の方は、裕美子とイザベルに代わって美女とダーニャが入ったが、バレー部員のサーブを拾えずぼろ負けになってしまった。
バレー部の2人は試合に勝って、さらに生意気な裕美子を退場させたことで気分よく教室へ向かった。
美女とキャリーはやたらと悔しがる。
「ちきしょう、あのやろーら、頭くる!」とキャリーはギリギリと歯ぎしりしながら拳を握っていた。
「くっそう、血も涙もない連中だね!ああ、自分が情けない、なんで取れないんだ、あんな球!」と美女も拳を壁にたたきつけた。
シャノンが残念そうに美女に声を掛ける。
「逃げないで取りに行ったのにね」
「キャリーのアタックに比べたらあんなのなまくら球だわ!」
キャリーと前後半フル出場でそうとう疲れの見えたカーラも怒りが収まらない様子だった。
「力いっぱい打ってくるんだもん、こっちは素人なのに。ひっどいよね!」
ここでいつもなら火に油を注ぎそうなハウルだが、今日は冷静に友達を心配し、みんなに声をかけた。
「みんなよくやったわよ。私達の実力も測れたし、次に生かしましょう。それより怪我人の見舞い行こうよ」
みんなして医務室へ見舞いに向かった。
球技大会当日。
裕美子は古いメガネを持ち出したが、ピントが合わない上、当時は乱視も入っていたとかでよくボールをとらえられず、1回戦目途中で戦力にならないと判明、早々に交代してしまった。
後がまは何かと万能なハウルが引き継いで、1回戦はなんなく突破したが、2回戦目で不幸にもB組に当たり、あまりの実力差にストレート負けしてしまった。
B組女子はそのままとんとん拍子で勝ち進み、圧倒的勝利でバレー部門優勝を果たした。
一方、女子の分頑張ろうと奮闘した男子野球チームは敗者復活戦で銅メダルを獲得した。
-----
夕方、運動場から帰るC組一向がいた。
健闘した男子チームをほめる女子。しかし男子もまた女子をほめたたえる。
「だって優勝したB組と対等に渡り合ってたんだぜ。惜しいなあ、小泉のリタイヤ」と残念がるパウロ。
「すみません・・・」裕美子はぽそりと言った。。
「ごめん、みんな。私がもう少し体力あれば裕美子を巻き込まなくて済んだのに・・怪我までさせて」
イザベルは裕美子に謝った。
「私は大丈夫だから」
「その分イザベルは今日応援で頑張ったから気にすんな。あれ?」
ジョンが声をかけたとたん、イザベルは遅れて集団から取り残されそうになっていた。疲れて足が棒のようだ。1日中体育などという体育祭は、イザベルにとっては拷問である。
するとウォルトがイザベルのところにやってくると、
「よーし。俺がだっこしてやる」
と覚え立ての王子様だっこをしようとした。
「いやー!きもいー!」
「なんでよ!医務室までこうやって運んだの俺だぞ(途中からだけど)!感謝しろよ!」
「太ってる人いやー、汗くさいよ、君」
「なんでぇ、せっかく王様が親切に・・。なら歩け!その方が体力つくわ!」
「・・・じゃあ、駅までの道のり半分許したげる」
と、だっこを許したが、実際はそこまで持たず。
「・・だ、だめだ、ここまででいい?もうかついでられない」
「なんだ、だめじゃん、頼りになんないな。いっとくけど、私が重いからってのは通用しないからね!」
イザベルはやせているのだ。
次回「球技大会(5):この人の横がいい」へ続く!
前回のお話「球技大会(4):ご指名」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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<球技大会(5):本番試合の行方は?>
その後練習試合の方は、裕美子とイザベルに代わって美女とダーニャが入ったが、バレー部員のサーブを拾えずぼろ負けになってしまった。
バレー部の2人は試合に勝って、さらに生意気な裕美子を退場させたことで気分よく教室へ向かった。
美女とキャリーはやたらと悔しがる。
「ちきしょう、あのやろーら、頭くる!」とキャリーはギリギリと歯ぎしりしながら拳を握っていた。
「くっそう、血も涙もない連中だね!ああ、自分が情けない、なんで取れないんだ、あんな球!」と美女も拳を壁にたたきつけた。
シャノンが残念そうに美女に声を掛ける。
「逃げないで取りに行ったのにね」
「キャリーのアタックに比べたらあんなのなまくら球だわ!」
キャリーと前後半フル出場でそうとう疲れの見えたカーラも怒りが収まらない様子だった。
「力いっぱい打ってくるんだもん、こっちは素人なのに。ひっどいよね!」
ここでいつもなら火に油を注ぎそうなハウルだが、今日は冷静に友達を心配し、みんなに声をかけた。
「みんなよくやったわよ。私達の実力も測れたし、次に生かしましょう。それより怪我人の見舞い行こうよ」
みんなして医務室へ見舞いに向かった。
球技大会当日。
裕美子は古いメガネを持ち出したが、ピントが合わない上、当時は乱視も入っていたとかでよくボールをとらえられず、1回戦目途中で戦力にならないと判明、早々に交代してしまった。
後がまは何かと万能なハウルが引き継いで、1回戦はなんなく突破したが、2回戦目で不幸にもB組に当たり、あまりの実力差にストレート負けしてしまった。
B組女子はそのままとんとん拍子で勝ち進み、圧倒的勝利でバレー部門優勝を果たした。
一方、女子の分頑張ろうと奮闘した男子野球チームは敗者復活戦で銅メダルを獲得した。
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夕方、運動場から帰るC組一向がいた。
健闘した男子チームをほめる女子。しかし男子もまた女子をほめたたえる。
「だって優勝したB組と対等に渡り合ってたんだぜ。惜しいなあ、小泉のリタイヤ」と残念がるパウロ。
「すみません・・・」裕美子はぽそりと言った。。
「ごめん、みんな。私がもう少し体力あれば裕美子を巻き込まなくて済んだのに・・怪我までさせて」
イザベルは裕美子に謝った。
「私は大丈夫だから」
「その分イザベルは今日応援で頑張ったから気にすんな。あれ?」
ジョンが声をかけたとたん、イザベルは遅れて集団から取り残されそうになっていた。疲れて足が棒のようだ。1日中体育などという体育祭は、イザベルにとっては拷問である。
するとウォルトがイザベルのところにやってくると、
「よーし。俺がだっこしてやる」
と覚え立ての王子様だっこをしようとした。
「いやー!きもいー!」
「なんでよ!医務室までこうやって運んだの俺だぞ(途中からだけど)!感謝しろよ!」
「太ってる人いやー、汗くさいよ、君」
「なんでぇ、せっかく王様が親切に・・。なら歩け!その方が体力つくわ!」
「・・・じゃあ、駅までの道のり半分許したげる」
と、だっこを許したが、実際はそこまで持たず。
「・・だ、だめだ、ここまででいい?もうかついでられない」
「なんだ、だめじゃん、頼りになんないな。いっとくけど、私が重いからってのは通用しないからね!」
イザベルはやせているのだ。
次回「球技大会(5):この人の横がいい」へ続く!
前回のお話「球技大会(4):ご指名」
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takemoviesさん、bitさん、kuzeさん、xml_xslさん、りたーむさん、HAtAさん、むじん君運転状態のところniceありがとうございます。
皆さんところへのご訪問も遅れておりますが、待っててくださいね。
それにしてもこの球技大会も、前の展覧会も、題名になってるイベントそのものはほとんど取り上げられず、その前後のやりとりばかりが話の中心になってますね。
by TSO (2010-11-23 13:58)
K-STYLEさん、niceありがとうございます。
ビブラム 5本指シューズさん、mbtさん、コメントいただいてますが、本サイトコンテンツの内容とは無関係のようなので申し訳ありませんが削除させていただきます。
by TSO (2010-12-01 23:04)