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<オリエンテーリング (13)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第13回
<オリエンテーリング (13)>

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ここはB班ゴール地点。
B班担当の先生の他、車でやってきたドジ担任とA班メンバーが揃っていた。
A班メンバーも疲れたせいか静かである。シャノンは寝入っていた。

ゴールから300mほど入った地点で、勇夫とパウロが焚火をしてB班の来るのを待っている。

19時は既に回っていた。


ゴールにあるテントの電話が鳴った。電話の先はA班ゴール地点からだった。
「ダム先生いるか?B班カーラからこっちに定時連絡があった。そっちの電話から折り返しかけてあげなさい」
ドジ担任は定時連絡用電話をA班ゴール地点に置きっぱなしできたのだ。伝言を聞いたドジ担任は
「すんません、すんません」
と言いながら電話を借りて、A班カーラの持つ衛星電話にかけた。

「あー、おほん。カーラか?無事か?」
・・(みんな無事です。道は迷ってないと思いますが、でもどの辺かわかりません・・どの辺まで来たのか)・・
「周りに何か特徴ないか?」
・・(真っ暗であまり特徴らしきものは・・)・・
後ろからハウルが大きなバックノイズで
「懐中電灯振ってみてー」
と言う。そして森の中で焚火している勇夫に無線で
「そっち、何か見えない?よく探して」
と伝えた。

・・(今、みんながライトであちこち照らしてます。上にも下にも)・・
そのとき無線から勇夫が
「光った!今、一瞬、光った!」

ゴールから勇夫たちが焚火の木を手にとって振り回し始めるのが見えた。
さらに、急に焚火の火が大きくなった。ドジ担任がちょっと心配する。
「なんだあれ、大丈夫か?」

ハウルがバックノイズで叫ぶ。
「こっちで光が見えたみたい!勇夫がおっきい焚火してるよ!見える?!」
すると無線から
・・<こちら勇夫、応援頼む。増加照明用の薪をくべたら異常発火した。水、水!>・・
レソフィックが立ち上がる。
「バカか、あいつは!」
シャノンの体にかかっていた毛布を取り上げて森へ走った。
リーダーが慌てる。
「みんな、水!」

その騒ぎの中、カーラの声が
・・(見える!ちらちらオレンジ色の火が木々の向うに見えます!)・・
「カーラ、がんばれ、もうちょっとだ。ちょ、ちょっとその火は大ごとになりかけてるから、いったん電話切るぞ」
・・(は?)・・


次回「オリエンテーリング (14)」へ続く!

前回のお話「オリエンテーリング (12)」
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