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<表彰式> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第21回
<表彰式>

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こうして出合ったC組の面々。
そのC組の結束を固めたオリエンテーリングも終わり、話は再び時系列へ戻る。

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オリエンテーリングのあった週の金曜日。C組は休み明けである。
この日、講堂でオリエンテーリングの表彰式があった。
A組、B組は全員リタイヤであったが、各班の班長が台上に呼ばれ、校長から班の結束を固めた労をねぎらわれた。

そしてC組へ。

「C組、A班およびB班。君達はこの過酷な条件の中、正確なルートファインディングによって中間点近くでランデブーすることができ、しかもそこでお互いの班の情報を交換し合うことによって、後半のルートを安全に早く移動することができた。まさにクラスのチームワークと知恵の結束がこの結果を生んだのだ。栄光の第1回クスス山オリエンテーリング、完走おめでとう。各班長は前へ」

わああ!とC組から歓声が上がった。
誇らしげなA班リーダーのチャンと、放っておいてもかっこいいジョンがガッツポーズしながら壇上へあがる。

校長はニコニコして2人を見た。
「クラス担任より記念の楯を進呈する。どちらか代表で受け取りたまえ」
ジョンとチャンは見合わせると、ジョンが
「クラスのリーダーはお前だろ。みんな認めてる、行けよ」
「そ、そうか?じゃあ」
チャンがドジ担任の前へ出た。

ドジ担任は満足そうに微笑むと
「C組代表、チャン・リーウェイ。君達の栄光をたたえ、この楯を贈る。おめでとう!」
「ありがとうございます!」
ドジ担任は楯をチャンに渡すと、C組みんなに向かってにやりと笑った。そして
「お前達・・・最高だぜー!!」
C組みんなが飛び上がって喝采したところで、ドジ担任は横っ飛びに移動すると、天井から垂れていた紐を掴んだ。
その先には・・・あのクス玉があった!

「ああー!!」

C組みんなが一斉に叫んだ。

ドジ担任が紐をぐいっと引っ張ると・・

やはり!クス玉は真下に向かって落下!
C組みんなが目をつぶる。

ごんっという鈍い音が講堂に響く。

2,3秒して、ばたーんという音が続いた。

C組みんなが目を恐る恐る開けると・・・

真っ青な顔になったドジ担任、および各クラスの担任。
そして、ひっくり返って気を失っている校長の大の字。
もちろん、クス玉は割れることなく、丸いまま校長のそばに転がっていた。

一瞬静まった講堂で、チャンが叫ぶ。
「C組、気を付け!!」
何事という感じで、それでも背筋がみんな伸びた。そしてなぜかチャンは言った。
「敬礼!!」
ザッ、と呼吸が合って、ぴしっとC組は敬礼した。
「C組、解散ー!」
リーダー、チャンがなぜか仕切って、C組はわああーっと一斉に講堂から走り出した。
全身激しい筋肉痛で動けないイザベルをアロンとダーニャが、靴ずれで足に包帯しているクリスティンをハウルが引きずって行く。

全責任をかぶったドジ担任が
「ああ!ちょ、ちょっとまってぇ!!」


次回「クラス委員」へ続く!

前回のお話「初登校日(4)」
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