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<イザベルのお礼アタック(3)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第25回
<イザベルのお礼アタック(3)>

翌日。このところ避けていたイザベルが遠まきにアロンをうかがっていた。

しかしこういったことには鈍感な男どもである。気付く様子もないので、とうとう隣にいた裕美子が諭した。

「アロン君、イザベルさん・・目で訴えてますよ」
「え?あっ!ホントだ。レソフィック、どうしたらいいんだ?」
「まあ少なくとも食ったってことは言った方がいいんじゃねえの?俺達が食ったことは言わなくていいぞ」

「や、やあ」とまずは手を上げてみる。
イザベルは赤い顔をして、そばにいるダーニャにかくれるようにしてしまった。が、ダーニャに前へ押し出された。
「ほら、勇気出していってきなよ」
アロンも立ち上がってイザベルの方へ行く。
ハウルのグループがそれに気付き、「お?お?」とその様子を面白そうにうかがっていた。カーラのみなんとなく不機嫌そうに見守る。

「ありがとう。食ったよ。あれだけ味を変えられるってことは手作り?」
「そ、そうなの。ど、どうだった?さっぱりした方がアロン君好きらしいってダーニャから聞いたので・・」
「前のと同じつもりで苦いコーヒー用意してたから、最初驚いちゃったよ。お茶受けには前のと足して2で割ったくらいがいいかもな」
「ご、ごめん。やっぱり変だった?私もなんか変かなとは思ったんだけど・・・こういうのが好みかもしれないと思って・・また作ってみたら食べてくれる?今度こそ外さないから」
「え?また作るの?いいけど・・」
「そ、それじゃあ今度の日曜に渡す。あの、ショッピングタウンで待ち合わせしていい?ついでに、か、買い物に付き合ってくれる?」
「ショッピングタウン?そっかー、そしたら俺も寄りたいところあるんだよね」
「じゃあ一緒に行こう。いいよね?」

ダーニャのところに戻ったイザベル。なぜかハウルのグループのカーラとクリスティンが横に来て報告に聞き耳をたてている。
「日曜日デートの約束した」
「やったね!イザベル」

一方ハウルは裕美子のところへ来たふりをしてアロンの話に聞き耳を立てている。裕美子の顔を見てハウルは
「にひひひ・・」
とへんな笑いをした。
「あんまりいい趣味とは思えませんね」と裕美子。

機嫌のよさそうなイザベルを見て勇夫が、
「なんかイザベルうれしそうだぞ。なに言ったんだ?」と聞く。
「日曜ショッピングタウンで買い物付き合えって。ついでに俺も例の買い出しするわ」
「おまえ、それデートに誘われたんじゃねえの?あの買い出ししたらそれどこじゃねえぞ」とレソフィック。
「買い終わったら電話するからさ、荷物取りに来てくれよ」
「デートに専念したほうがいいと思うけどなあ」
と大人な意見を言うレソフィックだった。


次回「イザベルのお礼アタック(4)」へ続く!

前回のお話「イザベルのお礼アタック(2)」
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コメント 1

TSO

本業?のブログページの方が忙しくてこちらが止まっておりますが、理由はもうひとつ、イラストも入れたいなあ・・・でも、現時点挫折しました。
本業?の方がもっと暇になったら考えよう。
by TSO (2010-02-20 00:31) 

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