＜学内ライブ（２）:男子の反応＞ [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第136回
＜学内ライブ（２）:男子の反応＞
Ｃ組は全部で女子９名しかいない。派閥は美女のグループとハウルのグループの２大派閥で、どちらもおさななじみには苦渋を飲ませられたメンバーがいる。どちらにも属さないキャリーとシャノンでさえ声をかけずらい雰囲気が漂っていた。ということで完全に全女子から突き放されている裕美子である。
だが、男どもは違った。
「今度は写真撮ったぞ、おさななじみ」
アンザックが撮った写真をミシェルは受け取った。
「どれ？へえー、やっぱかわいいな。ちょっと場面が場面だっただけに雰囲気よくないけどな」
パウロもそれを覗き込んだ。
「そのまんま濡れた髪だからなー。なんかなまめかしい」
「あの夏のときみたいな笑顔で撮らしてくんないかなー」
アンザックが目を閉じて夏を思い出す。
「あの陽気なおさななじみを小泉が？あれ演技だったってこと？名女優だな」
ウォルトの言った演技にはジョンも同感だ。
「でもさ、この驚いたというか、ちょっと怯えたような表情は作れるもんじゃないからリアルだよ」
背後からやってきたアロンが写真を取り上げる。
「やめてくれよ。その顔見ると、俺、心が痛んでしょうがないんだ」
「おまえ、小泉と付き合ってないのか？お前だけだぞ、小泉の素顔知ってたの。なんでほっといたんだ？もったいない」とミシェル。
「あれは相当無理させた演技だったからな・・」
「態度は多少演技入ってたとしても、あの容姿は本物だろ？おまえ興味ないならアタックしちゃおうー」とパウロ。
アロンは写真をビリビリ破いて、
「似合わねー」
というと、その場から去った。
「ああ、何すんだよ。ったく。まあいくらでも焼き増しできるけどさ」
壁際にかたまっていたハウル達はその様子を見ていた。
「裕美子、急に人気出てきたね」
ハウルがクリスティンに言うと、
「素がいいもの。それに夏におさななじみ見たとき、男の子も女の子も疑いなくかわいいって思ったじゃない」
「今は普段の地味イメージとのギャップもあって余計だね。あ、ミシェルのプレイボーイが行くよ」
「小泉君、なんで君はメガネ取らないんだい？取った方がかわいいよ」
ミシェルがわざわざ裕美子の席まで来て言う。こう次々と男の人が寄ってくるなんて慣れないのでやり場に困っている。ちょこんと椅子に座ってややうつむき加減なまま裕美子は静かに対応した。
「取ったらなんにも見えないですから。ここただでもホワイトボード遠いですし」
「コンタクトにすればいいのに。なんなら俺の横に来る？パウロどかしてやるよ」
「はあ」
「メガネっ子も好きだけどね。ちょっと形変えるだけでも雰囲気変わるよ」
「かけ慣れてるこれでいいです」
パウロがやってきた。
「退くのはミシェル、お前だ。裕美子さん、あなたの髪をいつもまっすぐにするにはどうしたらいいのでしょう」
「はあ、あなたは髪？水かけてくれたらまっすぐになりますよ」
「もう寒い季節だから、お湯でもいいですか？」
「や、やめてくださいね。本当にかけたりしないでくださいね」
アロンが席に戻ってきた。
「またいるのかよ。しっし。うるさい虫みたいだな」
「なんだよ、彼氏でもないのに、とやかく言われる筋合いないぞ」とミシェル。
「たまたま隣にいるだけじゃんか」とパウロ。
アロンは２人を排除しながら
「ごめんよ、俺のアホな思いつきのせいで、こんな連中に付きまとわられて」
ちょうど次の授業の先生が入ってきた。
「おらー、席につけー」
「ちぇっ、また後でね、小泉くん」
ウインクしながらミシェルが去った。
裕美子はみんなが去ってほっとしたところへ、別のところから視線を感じて顔を廊下側のハウルのグループが集まっているところへやった。
カーラが険しい目で凝視している。
「カーラさん、怒ってる・・」
「なによ、男どもみんなして裕美子のところ行って」
カーラはちっともおもしろくない。
「今特に、ものめずらしいだけだって」
クリスティンがなだめるが・・
「アロン君まで、裕美子に気遣って・・」
ブツブツ言いながら席へ戻っていった。
次回「学内ライブ（３）:カーラの憂鬱」へ続く！
前回のお話「学内ライブ（１）:あの後」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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＜学内ライブ（２）:男子の反応＞
Ｃ組は全部で女子９名しかいない。派閥は美女のグループとハウルのグループの２大派閥で、どちらもおさななじみには苦渋を飲ませられたメンバーがいる。どちらにも属さないキャリーとシャノンでさえ声をかけずらい雰囲気が漂っていた。ということで完全に全女子から突き放されている裕美子である。
だが、男どもは違った。
「今度は写真撮ったぞ、おさななじみ」
アンザックが撮った写真をミシェルは受け取った。
「どれ？へえー、やっぱかわいいな。ちょっと場面が場面だっただけに雰囲気よくないけどな」
パウロもそれを覗き込んだ。
「そのまんま濡れた髪だからなー。なんかなまめかしい」
「あの夏のときみたいな笑顔で撮らしてくんないかなー」
アンザックが目を閉じて夏を思い出す。
「あの陽気なおさななじみを小泉が？あれ演技だったってこと？名女優だな」
ウォルトの言った演技にはジョンも同感だ。
「でもさ、この驚いたというか、ちょっと怯えたような表情は作れるもんじゃないからリアルだよ」
背後からやってきたアロンが写真を取り上げる。
「やめてくれよ。その顔見ると、俺、心が痛んでしょうがないんだ」
「おまえ、小泉と付き合ってないのか？お前だけだぞ、小泉の素顔知ってたの。なんでほっといたんだ？もったいない」とミシェル。
「あれは相当無理させた演技だったからな・・」
「態度は多少演技入ってたとしても、あの容姿は本物だろ？おまえ興味ないならアタックしちゃおうー」とパウロ。
アロンは写真をビリビリ破いて、
「似合わねー」
というと、その場から去った。
「ああ、何すんだよ。ったく。まあいくらでも焼き増しできるけどさ」
壁際にかたまっていたハウル達はその様子を見ていた。
「裕美子、急に人気出てきたね」
ハウルがクリスティンに言うと、
「素がいいもの。それに夏におさななじみ見たとき、男の子も女の子も疑いなくかわいいって思ったじゃない」
「今は普段の地味イメージとのギャップもあって余計だね。あ、ミシェルのプレイボーイが行くよ」
「小泉君、なんで君はメガネ取らないんだい？取った方がかわいいよ」
ミシェルがわざわざ裕美子の席まで来て言う。こう次々と男の人が寄ってくるなんて慣れないのでやり場に困っている。ちょこんと椅子に座ってややうつむき加減なまま裕美子は静かに対応した。
「取ったらなんにも見えないですから。ここただでもホワイトボード遠いですし」
「コンタクトにすればいいのに。なんなら俺の横に来る？パウロどかしてやるよ」
「はあ」
「メガネっ子も好きだけどね。ちょっと形変えるだけでも雰囲気変わるよ」
「かけ慣れてるこれでいいです」
パウロがやってきた。
「退くのはミシェル、お前だ。裕美子さん、あなたの髪をいつもまっすぐにするにはどうしたらいいのでしょう」
「はあ、あなたは髪？水かけてくれたらまっすぐになりますよ」
「もう寒い季節だから、お湯でもいいですか？」
「や、やめてくださいね。本当にかけたりしないでくださいね」
アロンが席に戻ってきた。
「またいるのかよ。しっし。うるさい虫みたいだな」
「なんだよ、彼氏でもないのに、とやかく言われる筋合いないぞ」とミシェル。
「たまたま隣にいるだけじゃんか」とパウロ。
アロンは２人を排除しながら
「ごめんよ、俺のアホな思いつきのせいで、こんな連中に付きまとわられて」
ちょうど次の授業の先生が入ってきた。
「おらー、席につけー」
「ちぇっ、また後でね、小泉くん」
ウインクしながらミシェルが去った。
裕美子はみんなが去ってほっとしたところへ、別のところから視線を感じて顔を廊下側のハウルのグループが集まっているところへやった。
カーラが険しい目で凝視している。
「カーラさん、怒ってる・・」
「なによ、男どもみんなして裕美子のところ行って」
カーラはちっともおもしろくない。
「今特に、ものめずらしいだけだって」
クリスティンがなだめるが・・
「アロン君まで、裕美子に気遣って・・」
ブツブツ言いながら席へ戻っていった。
次回「学内ライブ（３）:カーラの憂鬱」へ続く！
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女性が好きそうなドロドロした展開になってきました。
たとえ男子と仲良くなっても、同姓たる女子との仲がうまくいかないと学園生活は楽しくありません。はたして修復できるんでしょうか・・・。
by TSO (2010-10-14 23:58)
kuzeさん、xml_xslさん、タッチおじさんさん、bitさん、釣られクマさん、ケンケン＠さん、niceありがとうございます。
by TSO (2010-10-16 01:31)
いつもいつも＾＾ご訪問♡ありがとうございます(*'-')♪
すっごく感謝の気持ちで～いっぱいです～(*^-^*)♪
by ほちゃ (2010-10-17 23:41)
ほちゃさん、nice&コメントありがとうございます。
かわいくてすてきな作品や歌の紹介や、いつも楽しみにしてますですよー。
by TSO (2010-10-22 23:18)
sujibuo
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