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<決戦!(1):カーラの決意> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第142回
<決戦!(1):カーラの決意>


「かあらー。いつになったら行動起こすの?」
ハウルはカーラの席の前まで気来ると、じれったそうに聞いた。
「う・・ん」
「最近の裕美子見てる?あの子は幼なじみ役やって落とした信頼を取り戻そうとがんばってるよ。アロンにアタックしないのは、もしアロンに気があるなら、私から見れば何か遠慮してるんだと思うけど・・もしかするとそれはカーラにかもしれない。あの子、カーラとアロンの仲を取り持とうとしてるのかな・・きっと次はカーラとの関係修復にくるわね」

そうかもしれない。でもそうだとしても、カーラは複雑な気持ちだった。

「でもさ、このままじゃやっぱり行動してるのは裕美子で、アロンの目には裕美子ばかり映っちゃうよ。あんたも裕美子にお膳立てされてもつまんないでしょ?」
「うん。どうしたらいい?どうしたら勇気が出る?」
「勇気?・・・よし、奥の手使うか!」

ハウルはシャノンを巻き込んだ。クリスティン、カーラに加えてシャノンを従えると、校長室の前に行った。

「あそこは体が小さくないと入れないのよ。シャノンならいけるわ」
「たいへんねぇ、あなた達も。男の子一人巡って」
「ところであなた、浮いた話聞かないけど、誰かと付き合いってないの?」
「わたし、高校生みたいなガキに興味ないの」

カーラ・クリス・ハウルは
「はあ・・」
と、そろってため息をついた。
『あんたほど見かけがガキな娘も、この高校にはいないけど』
とハウルは思ったが、口には出さなかった。

シャノンはさらりとしたきれいな金髪の長髪を後ろで束ねると
「いいわよ」
といって準備完了を告げた。

ハウルとカーラは、校長室の明り取りの窓の下までシャノンを持ち上げた。シャノンはその小さな隙間から中に入っていった。
そして校長室の書棚に飾ってある校長秘蔵の高級ウイスキーを1本失敬すると、再び戻ってきた。

21章_1_01挿絵s.jpg

「シャノン、でかした!」
「ハウルの頼みだからね。じゃ、牛丼半額券頼むね」
「なに?それ」クリスティンがいぶかしげに聞く。
「人にもの頼むときはお土産を包むのが基本でしょ?・・明日持ってくるからね」
「よろしくー。うまくいったらのろけ話聞かせてね、カーラ」
と手を振りながらシャノンは教室へ帰っていった。


次回「決戦!(2):告白!」へ続く!

前回のお話「学内ライブ(7):でこぼこが合う人」
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コメント 2

TSO

takemoviesさん、Ainoさん、HAtAさん、bitさん、kuzeさん、ncieありがとうございます。

今回の挿絵も下書きに直接色塗っちゃいました。
雰囲気、雰囲気さえ伝われば・・(^^;

by TSO (2010-10-27 00:37) 

TSO

xml_xslさん、dorobouhigeさん、釣られクマさん、いっぷくさん、niceありがとうございます。
むじん君運転状態ですみませんですー。
by TSO (2010-10-31 17:10) 

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