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<決戦!(2):告白!> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第143回
<決戦!(2):告白!>


ハウルがアロンのところにつかつかとやってきた。

席に座って机の上の雑誌に目を落としていたアロンの横に立ち止まると、いきなりその腕を取って引き上げるように起こした。
横にいた裕美子はびっくり。喧嘩でもするのではという勢いだったからだ。

「アロン、ちょっと顔かして」
「なんだ?!おまえ力あるなー」

アロンを立たせて後ろから背中を押して連れ出す。
裕美子の前を通過するとき、ハウルは下目使いに目線を裕美子に向けると無愛想に言った。

「なんであれ2カ月、友達を騙したんだ。私はカーラ応援するからね」

がたっと不安にかられた裕美子は椅子から立ってしまった。

『ハウルさん!そう、当然だよね・・・裏切ったのはわたしだもの』
裕美子は孤立無縁をかみしめる。


立ち上がったものの、うつむいてしまった裕美子の姿を見たアロンも何が起こるか悟った。

教室の出入り口の先に、廊下で仁王立ちするカーラがいた。顔が紅潮している。




廊下で顔を紅潮させて仁王立ちするカーラ。しかし近くに行ってそれが飲んでるせいだと分かった。今回はカーラも躊躇しなかった。
クリスティンがその起爆剤である酒瓶を胸の前で大事そうに抱えている。

「見つかんないうちに隠しといた方がいいぞ。どっからもってきたんだ?それすごく高いんだぞ」
アロンに言われて、慌ててかばんに隠すクリスティン。

「おいしいお酒だったわ。そんなことよりアロン君。私と裕美子と、決めてもらおうじゃないの」

さすがアルコール入りのカーラである。直球勝負だ。

「おさななじみ事件のせいで君らの仲が悪くなってるのは知ってるよ。でもあれは俺が仕組んで強要したことなんだ。小泉は言われてやっただけなんだよ」
「知ってるわ。でも別におさななじみに化けたことに怒ってるんじゃないわ」

「・・・」

「友達の私たちにもずっと黙ってたことよ、ばれるまで。私の思いを知っていながら。なぜ?どうして?このところ親しいようだけど、裕美子はなぜ誰にも言わずに今までいたのか言った?」
「いや・・」
「でも察しがつくでしょう?裕美子はほかのみんなをけん制してきたのよ、取られないために!」
「そうなのかな・・・。カーラが俺を思っていることは気付いてたよ。クリスティン達もそれとなくフォローしてたし。はっきり言われたことはないけど。今が初めてかな?」
「そう、好きなの!だから決めて!選んで!」

すごい。この積極性の半分でも普段あれば、カーラはかなり違った人生を歩んでいるかもしれない。
だが、今日は飲んだからだけではない。確かに踏ん切りをつけるのに1杯煽ったが、ハウル達が自分のために校長室へ忍び込んだりする様を見て、カーラも次第に気持ちが高ぶっていた。
『きちんと言わなきゃ!私がしっかりしなかったから、美女や裕美子が入る隙間を与えちゃったんだから。もう中途半端な態度なんてしてられない!』

アロンにもその気迫は伝わっていた。
『今日ははっきりさせないとなんだろうな・・』

次回「決戦!(3):答え」へ続く!

前回のお話「決戦!(1):カーラの決意」
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コメント 1

TSO

takemoviesさん、bitさん、kuzeさん、HAtAさん、xml_xslさん、むじん君運転状態の中いつもniceありがとうございます。(^^)/

by TSO (2010-10-31 21:26) 

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