<決戦!(3):答え> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第144回
<決戦!(3):答え>
「そう、好きなの!だから決めて!選んで!」
カーラ決死の告白!
アロンもそれをひしひしと感じ取っていた。その真剣なまなざしが痛いほどに突き刺さる。
ややうつむき加減なまま、何か思案するようにアロンは口を開いた。
「確かに小泉のことは、特にここ最近、強く意識するんだ。でも、カーラの気持ち、わかってるから、答えてあげなきゃって、ずっと思ってたんだよ。」
カーラは微動だにせず聞いていた。
「カーラは俺の好きなタイプだから、きっともっとお互いの気持ちがわかるはずだって。小泉のことは・・まだよくわからない。向こうがどう思ってるかも知らないし、別になにもないし・・」
いらつき始めたハウルが一言で間に入った。
「で!?」
回りくどいことが嫌いなハウルは当然結果を知りたいのだ、しかも今すぐ。
「だからって気持ちが固まるまで待ってって言うのは酷だよな」
アロンはカーラに向き直って気を付けをすると、がばっとふかぶかと頭を下げた。
「ごめん!!」
「!!・・・な、なぜ・・・なぜまだ気持ちもわからない人に賭けるの?・・」
アロンはまだ頭を下げたままだ。
「あなたまだ好きってまでいってないんでしょう?裕美子の気持ちだって、わからないんでしょう?それなのになぜ!・・」
アロンは頭を上げてカーラを見つめた。その顔をまたカーラも見返した。その顔は決して涼しいものではなかった。後悔の念があるかのような、申し訳なさそうな、複雑な表情だ。が、カーラのところには戻らないという決意をしたことを目だけが語っていた。
「・・・俺はでカーラの心を砕かせることができなかった。カーラはもっと自由に振る舞える人のはずなのに、させてあげられなかった」
アロンは教室へ振り向いた。
「カーラが、酒の力を借りずにこれればよかったんだけどな」
教室へ戻るアロン。
がくと崩れるカーラ。クリスティンが支えに来る。
腕組をしたハウルがアロンの背中を見ながら言った。
「理想の高い奴。結婚できないんじゃないの?」
クリスティンがカーラを支えながらハウルを見上げてぽそっとつぶやく。
「カーラの心を砕かせることができなかった・・・」
「まるで役不足だったって言いたげね。でもやっぱり裕美子も気になってただって?」
「それならなぜ、あの夏の後もアロン君はユミちゃんとの仲を進展させなかったのかしら」
「見かけだけじゃ決定打にならないってことでしょ。裕美子は確かにかわいかったけど、それだけじゃだめなのよ」
「ほかにも何か求めてたってこと?」
「だから理想高い奴って言ってんのよ」
席に戻ってきたアロンを裕美子は見れなかった。
アロンはかばんを持つと、
「カーラを・・断わっちゃった」
ぼそっとそう言うと、帰って行った。
裕美子は廊下を見た。そこにはクリスティンに慰められつつも泣き崩れるカーラがいた。
通りかかったレソフィックがそれを気に留めて一緒に慰めているようだ。
『アロン君、選ばなかったの?・・・。カーラさん・・あなた大丈夫?大丈夫なの?ハウルさん、クリスティン』
裕美子は急にものすごい不安に襲われた。ふるえが来た。カーラは思いっきり振られたのだ。
ハウルがつかつかとやってきた。
「カーラは、勝負に負けたわ。次はあなた。決着をつけてほしい。彼女のためにも白黒つけてよね」
次回「決戦!(4):裕美子の気持ち」へ続く!
前回のお話「決戦!(2):告白!」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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<決戦!(3):答え>
「そう、好きなの!だから決めて!選んで!」
カーラ決死の告白!
アロンもそれをひしひしと感じ取っていた。その真剣なまなざしが痛いほどに突き刺さる。
ややうつむき加減なまま、何か思案するようにアロンは口を開いた。
「確かに小泉のことは、特にここ最近、強く意識するんだ。でも、カーラの気持ち、わかってるから、答えてあげなきゃって、ずっと思ってたんだよ。」
カーラは微動だにせず聞いていた。
「カーラは俺の好きなタイプだから、きっともっとお互いの気持ちがわかるはずだって。小泉のことは・・まだよくわからない。向こうがどう思ってるかも知らないし、別になにもないし・・」
いらつき始めたハウルが一言で間に入った。
「で!?」
回りくどいことが嫌いなハウルは当然結果を知りたいのだ、しかも今すぐ。
「だからって気持ちが固まるまで待ってって言うのは酷だよな」
アロンはカーラに向き直って気を付けをすると、がばっとふかぶかと頭を下げた。
「ごめん!!」
「!!・・・な、なぜ・・・なぜまだ気持ちもわからない人に賭けるの?・・」
アロンはまだ頭を下げたままだ。
「あなたまだ好きってまでいってないんでしょう?裕美子の気持ちだって、わからないんでしょう?それなのになぜ!・・」
アロンは頭を上げてカーラを見つめた。その顔をまたカーラも見返した。その顔は決して涼しいものではなかった。後悔の念があるかのような、申し訳なさそうな、複雑な表情だ。が、カーラのところには戻らないという決意をしたことを目だけが語っていた。
「・・・俺はでカーラの心を砕かせることができなかった。カーラはもっと自由に振る舞える人のはずなのに、させてあげられなかった」
アロンは教室へ振り向いた。
「カーラが、酒の力を借りずにこれればよかったんだけどな」
教室へ戻るアロン。
がくと崩れるカーラ。クリスティンが支えに来る。
腕組をしたハウルがアロンの背中を見ながら言った。
「理想の高い奴。結婚できないんじゃないの?」
クリスティンがカーラを支えながらハウルを見上げてぽそっとつぶやく。
「カーラの心を砕かせることができなかった・・・」
「まるで役不足だったって言いたげね。でもやっぱり裕美子も気になってただって?」
「それならなぜ、あの夏の後もアロン君はユミちゃんとの仲を進展させなかったのかしら」
「見かけだけじゃ決定打にならないってことでしょ。裕美子は確かにかわいかったけど、それだけじゃだめなのよ」
「ほかにも何か求めてたってこと?」
「だから理想高い奴って言ってんのよ」
席に戻ってきたアロンを裕美子は見れなかった。
アロンはかばんを持つと、
「カーラを・・断わっちゃった」
ぼそっとそう言うと、帰って行った。
裕美子は廊下を見た。そこにはクリスティンに慰められつつも泣き崩れるカーラがいた。
通りかかったレソフィックがそれを気に留めて一緒に慰めているようだ。
『アロン君、選ばなかったの?・・・。カーラさん・・あなた大丈夫?大丈夫なの?ハウルさん、クリスティン』
裕美子は急にものすごい不安に襲われた。ふるえが来た。カーラは思いっきり振られたのだ。
ハウルがつかつかとやってきた。
「カーラは、勝負に負けたわ。次はあなた。決着をつけてほしい。彼女のためにも白黒つけてよね」
次回「決戦!(4):裕美子の気持ち」へ続く!
前回のお話「決戦!(2):告白!」
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こんばんは!
雨が降っていましたが、何とかミカン狩りも出来ました。
ドラえもんは全巻持ってますよ==(笑)
by やま (2010-10-31 19:38)
ヒロさん、xml_xslさん、takemoviesさん、やまさん、SORIさん、bitさん、HAtAさん、むじん君運転状態が続いている中いつもniceありがとうございます。(^^)/
やまさん、コメントありがとうございます。
ミカン狩りできてよかったですね。埼玉だと秩父でミカン狩りできたなー。
ドラえもんは偉大なマンガです(きっぱり)。
さて本編の方は、まさかまさかの・・カーラちゃん玉砕!
えー?!
by TSO (2010-10-31 21:35)
kuzeさん、よってさん、niceありがとうございます~
by TSO (2010-11-03 22:50)