<球技大会(1):C組女子バレーの秘密兵器> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第147回
<球技大会(1):C組女子バレーの秘密兵器>
11月のイべントといえば、本校・分校交えての校内クラス対抗球技大会であった。
本校は1クラス男女各2種目をやるが、人数が少ない分校は男女各1種目。アロンのCクラスは男子が野球、女子がバレーボールを選んだ。部活をやっている人は部活と同じ競技ができないという規則があるため、バリバリレギュラーのキャリーのいるCクラス女子はバスケを避けたのだ。しかしこの規則は人数の少ない分校には適用されないことが後程判明する。
開催1ヶ月前から体育の時間は球技大会向けの練習になっていた。
ここで裕美子は強烈なサーブと確実なレシーブで頭角を表しはじめた。裕美子は見かけガリ勉タイプだが、体育の成績もいいのだ。
あの事件以来、裕美子はカーラと目があうと、ぷいっとそっぽを向かれるようになった。
「あぁ・・」
しかし試合中カーラは特に避けているわけではない。コートではカーラと裕美子が一緒のチームでプレーしていた。
バム!
バカーン!
対抗チームのハウルのアタックが大きく外れて壁に激しく当った。
「あっちゃ~、力みすぎた」
「ハウル、力ありすぎよ~。壁に穴開くよ」
「サーブチェンジ!」審判が叫ぶ。
「だれだっけ?」ダーニャがきょろきょろした。
「裕美子でしょ?ハイ、遠慮なくね」
ボールを取ってきたカーラが裕美子へボールを渡した。
ばしっ!
ギュルルルルル・・
ドカ!!
その球は相手陣営のシャノンに命中して彼女はひっくり返った。
裕美子がシャノンに「大丈夫?」と声をかける。
「な、なにすんのよー!」
みんなから「すごぉ~い」と感嘆の声が上る。
サーブ権が変わるとシャノンはボールを構えた。
「くっそー、さっきはよくもやったな~。えーい!天井サーブ!」
ボム!
シャノンは高々とボールを打ち上げた。
シャノンの天井サーブはかなり曲者である。何しろ本当に天井すれすれまであがる上に、張りの鉄骨の間を潜り抜けてくるという器用さである。
しかしそれでも裕美子は簡単にさばいてみせた。
みんなが拍手する。
「すごぉ~い」
キャリーもまたスポーツウーマンらしくバレーもうまい。背が高いだけにこれまたスパイク・ブロックとも強烈である。
「うりゃー!!」
ドカーン!
「ちょっと美女!ボール追いなさいよー」
シャノンが指さして叫んだ。
「やだよ、キャリーのはおっかないんだもん」
それでも満足せずにキャリーはバックへ注文をつけた。
「この辺にトスしてくれると打ちやすいんだけど」
するとそこへうまく入れるのがカーラだった。
裕美子のレシーブした球をカーラが注文通りのところへトスする。
ドスーン!
美女はボールを取りに行くどころか、横っ飛びに逃げた。
「キャリー!あんた狙ってるでしょ!」
「だって、打ちやすいんだもん」
裕美子のレシーブ、カーラのトス、キャリーのアタック。3人のコンビでクラスの期待は高まる。うまくいけばシャノンの天井サーブまであるのだ。
次回「球技大会(2):対決!バレー部員」へ続く!
前回のお話「決戦!(5):裕美子かユカリか」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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<球技大会(1):C組女子バレーの秘密兵器>
11月のイべントといえば、本校・分校交えての校内クラス対抗球技大会であった。
本校は1クラス男女各2種目をやるが、人数が少ない分校は男女各1種目。アロンのCクラスは男子が野球、女子がバレーボールを選んだ。部活をやっている人は部活と同じ競技ができないという規則があるため、バリバリレギュラーのキャリーのいるCクラス女子はバスケを避けたのだ。しかしこの規則は人数の少ない分校には適用されないことが後程判明する。
開催1ヶ月前から体育の時間は球技大会向けの練習になっていた。
ここで裕美子は強烈なサーブと確実なレシーブで頭角を表しはじめた。裕美子は見かけガリ勉タイプだが、体育の成績もいいのだ。
あの事件以来、裕美子はカーラと目があうと、ぷいっとそっぽを向かれるようになった。
「あぁ・・」
しかし試合中カーラは特に避けているわけではない。コートではカーラと裕美子が一緒のチームでプレーしていた。
バム!
バカーン!
対抗チームのハウルのアタックが大きく外れて壁に激しく当った。
「あっちゃ~、力みすぎた」
「ハウル、力ありすぎよ~。壁に穴開くよ」
「サーブチェンジ!」審判が叫ぶ。
「だれだっけ?」ダーニャがきょろきょろした。
「裕美子でしょ?ハイ、遠慮なくね」
ボールを取ってきたカーラが裕美子へボールを渡した。
ばしっ!
ギュルルルルル・・
ドカ!!
その球は相手陣営のシャノンに命中して彼女はひっくり返った。
裕美子がシャノンに「大丈夫?」と声をかける。
「な、なにすんのよー!」
みんなから「すごぉ~い」と感嘆の声が上る。
サーブ権が変わるとシャノンはボールを構えた。
「くっそー、さっきはよくもやったな~。えーい!天井サーブ!」
ボム!
シャノンは高々とボールを打ち上げた。
シャノンの天井サーブはかなり曲者である。何しろ本当に天井すれすれまであがる上に、張りの鉄骨の間を潜り抜けてくるという器用さである。
しかしそれでも裕美子は簡単にさばいてみせた。
みんなが拍手する。
「すごぉ~い」
キャリーもまたスポーツウーマンらしくバレーもうまい。背が高いだけにこれまたスパイク・ブロックとも強烈である。
「うりゃー!!」
ドカーン!
「ちょっと美女!ボール追いなさいよー」
シャノンが指さして叫んだ。
「やだよ、キャリーのはおっかないんだもん」
それでも満足せずにキャリーはバックへ注文をつけた。
「この辺にトスしてくれると打ちやすいんだけど」
するとそこへうまく入れるのがカーラだった。
裕美子のレシーブした球をカーラが注文通りのところへトスする。
ドスーン!
美女はボールを取りに行くどころか、横っ飛びに逃げた。
「キャリー!あんた狙ってるでしょ!」
「だって、打ちやすいんだもん」
裕美子のレシーブ、カーラのトス、キャリーのアタック。3人のコンビでクラスの期待は高まる。うまくいけばシャノンの天井サーブまであるのだ。
次回「球技大会(2):対決!バレー部員」へ続く!
前回のお話「決戦!(5):裕美子かユカリか」
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2010-11-14 23:00
nice!(8)
コメント(2)
☆☆ 災害時 安否確認 ☆☆
xml_xslさん、bitさん、kuzeさん、ほちゃさん、takemoviesさん、釣られクマさん、HAtAさん、niceありがとうございます。
by TSO (2010-11-20 00:58)
K-STILEさん、niceありがとうございます。
ビブラム 5本指シューズさん、mbtさん、コメントいただいてますが、本サイトコンテンツの内容とは無関係のようなので申し訳ありませんが削除させていただきます。
by TSO (2010-12-01 23:11)