<同棲(8):やっと就寝> [片いなか・ハイスクール]
東日本大震災被災地がんばれ!
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「片いなか・ハイスクール」連載第208回
<同棲(8):やっと就寝>
洗濯物を物干しに干し終わって、ひと段落つくともう23時である。
裕美子がとろんとした声で話しかけた。
「眠くなってきました。私寝るの結構早いんです・・そもそも今週は環境が変わりすぎてぐっすり寝られてない・・もう寝てもいいですか?」
その通りだ。裕美子の家族が引越し、裕美子一人寮に入り、なれない寮は無法地帯で、飛び出してきて今ここにいるのだ。この1週間、気持ちも体も休めてないだろう。
「もちろん。ソファーで大丈夫?疲れてるんだから本当にベッドで寝ていいよ」
「大丈夫です」
力ない返事は、横になるだけでどんなところでもすぐ寝られそうだった。
アロンはすぐに掛け布団を持ってきた。
「はい、毛布とか。これでも寒かったら言って」
「ありがとう」
寝床を整えるのを手伝うと、裕美子はすぐ横になった。
アロンは横たわる裕美子を見下ろした。
「どうしたの?」
「いや、なんでも。電気消すね。おやすみ」
部屋が暗くなった。
アロンがソファーの横に来たとき、裕美子が声をかけた。
「よかったら、しばらく横にいてもいいですよ」
「いや・・悪いよ」
「すぐ寝ちゃうと思うけど、それでもよければ・・」
「そ、そう?」
アロンはソファーの脇に座った。ほぼ目の高さに横になった裕美子の顔が照明を落としたなかに浮かぶ。本当に疲れたようで眠そうである。ボーっとしたような力ない声で裕美子が話し掛けてきた。
「本当は、一緒のお布団に寝てみたい。・・でも歯止めをかけておかないと、おぼれちゃいそうなんです。とってもアロン君のこと好きだから」
「そうだね・・・。それはお互いさまだね。とにかくまず2人の生活の仕方を確立しよう。変なことして感付かれたら、親御さんところに帰らなきゃならなくなるからね。慣れたら・・もっと、いろいろ挑戦しよう」
「はい・・・」
裕美子は目をつぶった。寝てしまう前にアロンは許可を取ることにした。
「キスはしてもいい?」
重そうな目をあけると問いかけた。
「キスって、毎日するものなの?」
「す、好きどうしならすると思うけど・・」
「じゃあ、いいよ」
うつぶせ気味に寝返りをして上半身を起こすと。片手でアロンを引き寄せ、裕美子から唇に吸いついてきた。
「・・・わたしからしたのも初めて」
「せ、成長したね・・」
うつぶせのまま裕美子は伏せって目を閉じた。そして目を閉じたまま眠そうな声でまた独り言のように言った。
「エッチも、毎日するのかしら・・」
『寝入りばなにそんなことゆうなー!寝らんなくなる!』
しかしそこはこらえて。
程なく裕美子は寝てしまった。
結局アロンも裕美子の顔を見ながら、ソファーの横で寝てしまった。
翌朝、目が醒めた裕美子は、最初どこで寝たのか思い出すのに時間がかかったが、ソファーの横にもたれて寝ているアロンを見つけて思い出した。
「アロン君。おばか。これじゃ別々に寝るって言った意味ないじゃない」
次回「同棲(9):隣人達」へ続く!
前回のお話「同棲(7):お風呂上り」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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「片いなか・ハイスクール」連載第208回
<同棲(8):やっと就寝>
洗濯物を物干しに干し終わって、ひと段落つくともう23時である。
裕美子がとろんとした声で話しかけた。
「眠くなってきました。私寝るの結構早いんです・・そもそも今週は環境が変わりすぎてぐっすり寝られてない・・もう寝てもいいですか?」
その通りだ。裕美子の家族が引越し、裕美子一人寮に入り、なれない寮は無法地帯で、飛び出してきて今ここにいるのだ。この1週間、気持ちも体も休めてないだろう。
「もちろん。ソファーで大丈夫?疲れてるんだから本当にベッドで寝ていいよ」
「大丈夫です」
力ない返事は、横になるだけでどんなところでもすぐ寝られそうだった。
アロンはすぐに掛け布団を持ってきた。
「はい、毛布とか。これでも寒かったら言って」
「ありがとう」
寝床を整えるのを手伝うと、裕美子はすぐ横になった。
アロンは横たわる裕美子を見下ろした。
「どうしたの?」
「いや、なんでも。電気消すね。おやすみ」
部屋が暗くなった。
アロンがソファーの横に来たとき、裕美子が声をかけた。
「よかったら、しばらく横にいてもいいですよ」
「いや・・悪いよ」
「すぐ寝ちゃうと思うけど、それでもよければ・・」
「そ、そう?」
アロンはソファーの脇に座った。ほぼ目の高さに横になった裕美子の顔が照明を落としたなかに浮かぶ。本当に疲れたようで眠そうである。ボーっとしたような力ない声で裕美子が話し掛けてきた。
「本当は、一緒のお布団に寝てみたい。・・でも歯止めをかけておかないと、おぼれちゃいそうなんです。とってもアロン君のこと好きだから」
「そうだね・・・。それはお互いさまだね。とにかくまず2人の生活の仕方を確立しよう。変なことして感付かれたら、親御さんところに帰らなきゃならなくなるからね。慣れたら・・もっと、いろいろ挑戦しよう」
「はい・・・」
裕美子は目をつぶった。寝てしまう前にアロンは許可を取ることにした。
「キスはしてもいい?」
重そうな目をあけると問いかけた。
「キスって、毎日するものなの?」
「す、好きどうしならすると思うけど・・」
「じゃあ、いいよ」
うつぶせ気味に寝返りをして上半身を起こすと。片手でアロンを引き寄せ、裕美子から唇に吸いついてきた。
「・・・わたしからしたのも初めて」
「せ、成長したね・・」
うつぶせのまま裕美子は伏せって目を閉じた。そして目を閉じたまま眠そうな声でまた独り言のように言った。
「エッチも、毎日するのかしら・・」
『寝入りばなにそんなことゆうなー!寝らんなくなる!』
しかしそこはこらえて。
程なく裕美子は寝てしまった。
結局アロンも裕美子の顔を見ながら、ソファーの横で寝てしまった。
翌朝、目が醒めた裕美子は、最初どこで寝たのか思い出すのに時間がかかったが、ソファーの横にもたれて寝ているアロンを見つけて思い出した。
「アロン君。おばか。これじゃ別々に寝るって言った意味ないじゃない」
次回「同棲(9):隣人達」へ続く!
前回のお話「同棲(7):お風呂上り」
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by TSO (2011-05-25 23:01)