<同棲(7):お風呂上り> [片いなか・ハイスクール]
東日本大震災被災地がんばれ!
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「片いなか・ハイスクール」連載第207回
<同棲(7):お風呂上り>
風呂から出た裕美子はパジャマ姿だった。
まだ濡れた髪はいつもよりまっすぐである。あのおさななじみの顔だ。でもメガネをしている。
「ドキッ。パジャマ姿、かわいい」
「あ、ありがとうございます。洗濯機の中、結構いっぱいありましたよ。わたしので増えたし。アロン君がお風呂入っている間に洗濯しますね」
「そう?じゃ、初回は裕美子から。男もの抵抗ない?」
「平気です。弟やお父さんの扱ってますし」
「そっか、俺の方かあ。女の子の服なんてわかんないや。きっと畳み方もわかんないかも」
「いい。いいです。あの、洗濯はわたしがやります。泊めてもらってるのでそれくらいやらないと」
「ふーん。じゃあ任せちゃおっかな。」
「ぜんぜんいいです。さ、入ってきてください」
「はいはい。あ、洗濯機回しとくね」
「え?あ、だめだめ。あの、洗うのにネットとかあります?」
「・・・なんだっけ?それ」
「デリケートな洗濯物入れるものですけど・・・男の人使わないですかね」
「うん、思い当たらない。つくずく女の子はなんか大変だなー」
裕美子がうつむき加減に言った。
「寮においてあるから・・。今日はブラ手洗いにします」
「そ、そういうの入れるんだ・・」
真っ赤っかになって叫んだ。
「いいから、早く入ってきてください!」
脱衣所のドアを少し開けて、裕美子が中に声をかけた。
「もう脱ぎました?」
アロンが浴室から答えた。
「あいー。もう風呂場です」
それを聞いて裕美子はそろりと脱衣所に入ってきた。
「じゃ、入ります。脱衣所まで」
「見てもつまんないから、こっち入んなよ」
「入りません!」
『さっきのお返しのつもりだわ』
顔を赤くしてアロンが入っている浴室のドアを見た。擦りガラスなので中はまったく見えない。
裕美子は洗濯機を回して、下着と靴下は手洗いした。
リビングに戻ってテレビ見ているとアロンが出てきた。
「!!!」
なんとタオルを腰に巻いただけである。裕美子はびっくりして飛び上がった。
「ごめん、いつもの癖で着替え持って入らなかったんだ」
とアロンはいそいそと寝室へ向かった。
「あう!」
ドアノブにひっかかってタオルが取れそうになった。
「きゃあ!」
慌ててタオルを押さえながら寝室に入っていった。
裕美子はどきどきが激しいまま止まらない。
アロンはスウェットの下とTシャツのいでたちですぐ戻ってきた。
「はは・・、いつも寝室で着るんだよね」
「し、刺激強すぎます・・・」
洗濯機が止まった。洗濯物の山を裕美子がリビングへ持ってきて、ハンガーにつるし始めた。
「手伝おっか」
「そうやってわたしの服触りたいんでしょ」
ちょっと図星なアロンは一瞬手が止まった。
「あ、の、俺の服の内側に裕美子の干せるかなあ」
「女物が干してあると気付く人います?」
「勇夫やレソフィックは・・どうせ隠し通せないか・・」
わっしわっしとおおおざっぱに仕分けをしていると、すぐ見慣れない女物パンツを発見した。手に取ってみる。
「思ったより厚ぼったい」
バシッ!
だがすぐ裕美子にひったくられた。
「せ、生理用ショーツです・・」
「あっ、普通のと、違うんだぁ。いや、最初のうちは興味あっていろいろ気にしちゃうけど、慣れの問題だろうから、早いところ慣れとこうかと思って・・」
照れながらごちゃごちゃと言い訳をするアロンに、真っ赤な顔の裕美子が肩を震わせて迫った。
「な、なんなら一緒にお風呂入りましょうか?今ならもれなく血まみれにしてあげますよ」
ごごごごごっと裕美子の後ろで地鳴りがする。
「ご、ごめんなさい!!」
次回「同棲(8):やっと就寝」へ続く!
前回のお話「同棲(6):初夜(3)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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「片いなか・ハイスクール」連載第207回
<同棲(7):お風呂上り>
風呂から出た裕美子はパジャマ姿だった。
まだ濡れた髪はいつもよりまっすぐである。あのおさななじみの顔だ。でもメガネをしている。
「ドキッ。パジャマ姿、かわいい」
「あ、ありがとうございます。洗濯機の中、結構いっぱいありましたよ。わたしので増えたし。アロン君がお風呂入っている間に洗濯しますね」
「そう?じゃ、初回は裕美子から。男もの抵抗ない?」
「平気です。弟やお父さんの扱ってますし」
「そっか、俺の方かあ。女の子の服なんてわかんないや。きっと畳み方もわかんないかも」
「いい。いいです。あの、洗濯はわたしがやります。泊めてもらってるのでそれくらいやらないと」
「ふーん。じゃあ任せちゃおっかな。」
「ぜんぜんいいです。さ、入ってきてください」
「はいはい。あ、洗濯機回しとくね」
「え?あ、だめだめ。あの、洗うのにネットとかあります?」
「・・・なんだっけ?それ」
「デリケートな洗濯物入れるものですけど・・・男の人使わないですかね」
「うん、思い当たらない。つくずく女の子はなんか大変だなー」
裕美子がうつむき加減に言った。
「寮においてあるから・・。今日はブラ手洗いにします」
「そ、そういうの入れるんだ・・」
真っ赤っかになって叫んだ。
「いいから、早く入ってきてください!」
脱衣所のドアを少し開けて、裕美子が中に声をかけた。
「もう脱ぎました?」
アロンが浴室から答えた。
「あいー。もう風呂場です」
それを聞いて裕美子はそろりと脱衣所に入ってきた。
「じゃ、入ります。脱衣所まで」
「見てもつまんないから、こっち入んなよ」
「入りません!」
『さっきのお返しのつもりだわ』
顔を赤くしてアロンが入っている浴室のドアを見た。擦りガラスなので中はまったく見えない。
裕美子は洗濯機を回して、下着と靴下は手洗いした。
リビングに戻ってテレビ見ているとアロンが出てきた。
「!!!」
なんとタオルを腰に巻いただけである。裕美子はびっくりして飛び上がった。
「ごめん、いつもの癖で着替え持って入らなかったんだ」
とアロンはいそいそと寝室へ向かった。
「あう!」
ドアノブにひっかかってタオルが取れそうになった。
「きゃあ!」
慌ててタオルを押さえながら寝室に入っていった。
裕美子はどきどきが激しいまま止まらない。
アロンはスウェットの下とTシャツのいでたちですぐ戻ってきた。
「はは・・、いつも寝室で着るんだよね」
「し、刺激強すぎます・・・」
洗濯機が止まった。洗濯物の山を裕美子がリビングへ持ってきて、ハンガーにつるし始めた。
「手伝おっか」
「そうやってわたしの服触りたいんでしょ」
ちょっと図星なアロンは一瞬手が止まった。
「あ、の、俺の服の内側に裕美子の干せるかなあ」
「女物が干してあると気付く人います?」
「勇夫やレソフィックは・・どうせ隠し通せないか・・」
わっしわっしとおおおざっぱに仕分けをしていると、すぐ見慣れない女物パンツを発見した。手に取ってみる。
「思ったより厚ぼったい」
バシッ!
だがすぐ裕美子にひったくられた。
「せ、生理用ショーツです・・」
「あっ、普通のと、違うんだぁ。いや、最初のうちは興味あっていろいろ気にしちゃうけど、慣れの問題だろうから、早いところ慣れとこうかと思って・・」
照れながらごちゃごちゃと言い訳をするアロンに、真っ赤な顔の裕美子が肩を震わせて迫った。
「な、なんなら一緒にお風呂入りましょうか?今ならもれなく血まみれにしてあげますよ」
ごごごごごっと裕美子の後ろで地鳴りがする。
「ご、ごめんなさい!!」
次回「同棲(8):やっと就寝」へ続く!
前回のお話「同棲(6):初夜(3)」
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タッチおじさんさん、意馬心猿さん、くぼたんさん、HAtA.さん、bitさん、やまさん、あいか5drrさん、無人くん運転の中niceありがとうございます。
タッチおじさんさん、お久しぶりですね。
by TSO (2011-05-25 22:15)