<第2部:第11章 ピクニック(6):回想、またまた裕美子の恥ずかしいシーン> [片いなか・ハイスクール]
「片いなか・ハイスクール」連載第346回
<第2部:第11章 ピクニック(6):回想、またまた裕美子の恥ずかしいシーン>
じゅわーっとお肉が焼けていく良い音が食欲を誘う。炭火で炙られたお肉は表面はかりっと、中は柔らかくてジューシーで、その期待を裏切ることはなかった。
「おいしー!」
「うまーい!」
ハウルは何食べてるんだか分かってるんだろうかと思うほど、素早い動きで焼き網の上のものを手当たり次第次々に口に放り込んでいる。が、よく見れば焼け焦げた切れっ端や、脂身ばっかりや筋ばっかりと切り分けに失敗したような肉はきれいに避けているところがいかにもハウルらしい。とにかく食いっぷりがいいから本当に美味しそうだ。裕美子は3種類のお肉を一切れずつゆっくりと食べ、味わっていた。
「お肉をあらかじめタレに漬けてあるんですね。とってもおいしいです」
『豚肉は甘くないチャーシューのようなタレ。八角の香りが効いてるわ。脂っこいバラ肉なのにぜんぜんしつこく感じない。でもこれ、カロリー高そうだから気を付けなくっちゃ。牛肉は酸味のある玉ねぎバーベキューソース。厚いお肉も中まで味が染みてる。ラム肉は果物の爽やかな甘味があるジンギスカン風のタレ。どれも良くできてるわ。』
「そのまま焼いて食うのも今日準備してあるけど、お薦めはやっぱこれだよ。これは今朝来る前に漬けたんだけど、時間経つと味濃くなりすぎるから、先に焼いてるんだ」
と勇夫がしょうゆ色に漬かった豚バラ肉を網の上に追加しつつ自慢げに説明した。
「まめですね。勇夫君がみんなやったんですか?」
「豚肉が俺、牛肉がアロン、ラム肉はレソフィックが準備した。みんな違うやり方なんだぜ」
「やべ!男どもの方ができるじゃん」
ハウルが焦ったように女の子達の方に向かって言った。
リーダーはまだすっきりしない顔をしているが、裕美子の横で気を使っていた。
「裕美子さん、肉取りましょうか。お皿ください」
「ありがとうございます。あ、豚肉はそんなにいらないです。・・美味しいんですけど、バラのところだからカロリー凄く高そうなので・・」
「そうなんですか?それじゃ僕もらっちゃおう」
「リーダーは何したの?」
カーラの問い掛けは、アロン達が肉を仕込んだとすると、リーダーは何の準備をしたんだろうという質問だ。
「いや、酒飲まされちゃって酔いつぶれて、朝起きらんなくって・・これには何も手伝ってないんだ」
「リーダー、酒弱すぎだっつうの!また昨日の夜も・・」
昨夜最も飲ませてたレソフィックが勢い言いかけたが、気を使ってそこで止めた。しかし裕美子が
「また吐いちゃったんですか?」
と何の気なしにその先を言い当てた。
「う!ゆ、裕美子さん、まだ俺にその印象を・・!」
その印象とは、レソフィックの家に広報の記事作りで集まった時、リーダーはしこたま酔っぱらって、裕美子の前で吐いてしまったことだ。この時も飲ませたのはレソフィックだったっけ。
「え?!いやあ・・ち、違いますよ」
裕美子はあたふたして取り繕った。
「わたしもほら、お酒弱かったから、よくわかるなーって思って・・」
裕美子もその時ワインを飲んで直ちに酔ってしまい、夜中まで寝込んでしまったのだった。
「そ、そうでしたか」
リーダーは裕美子の手を握った。
「あれはつらいですよねー。頭は痛くなるし、胃の中はたらふく食ったつまみが煮え繰り返って、すっぱいものが急に込みあげてくるし・・」
裕美子はその手を振りほどいた。
「や、やめてください。食べてるところなのに」
「がーん。し、しまったあ・・また余計なイメージに上塗りするようなことを・・・」
しかしアロンがクーラーボックスからビールを取り出してリーダーに差し出した。
「ほら、リーダー。焼き肉で飲むとうまいよ」
リーダーはブルブルブルと激しく首を横に振ってそれを拒んだ。
『うわっ、アロン君達、またビールとか持ってきてる。クーラーボックスたくさん持ってきてると思ったら、あれにはお酒が入ってるんですか』
「女の子も飲む?」
「くださーい」
「じゃあ、ちょっとだけ」
『えー、ハウルさん、カーラさん、飲んじゃうの?!』
レソフィックがポイポイと放ってよこした。ハウルはさっそくプシュッとプルタブを開けてカーラをせっついた。
「ほら、カーラ。乾杯乾杯」
「ちょ、ちょっと待ってよ・・」
「クリスティンも、ほれ」
「ありがとう。わぁ、よく冷えてるわあ」
「小泉、ほい」
レソフィックから放られたビールをキャッチしたが、開けるのは躊躇われた。
「はい、カーラ、かんぱーい」
「ど、どうも」
「くあーっ、きくーっ」
「ぷはっ。ああ、おいしい」
「わあ、苦いわぁ~」
『みんな飲んじゃって・・。大丈夫なのかな。こないだワイン飲んだ後は寝ちゃって、頭痛くなったし・・』
冷たいビールの缶を両手で持って躊躇してると、アロンが裕美子に声をかけた。
「ビールだからワインよりアルコール度低いけど、無理に飲まなくてもいいから」
『あ、アロン君、わたしのこと気に掛けてくれるんだ』
すると今度は少し恥ずかしそうに、赤くなりながら言った。
「小泉は酔うと寝ちゃうんだよね。寝ちゃうとさあ、あの連中がいやらしいことしてくるから・・・」
「!?」
『何の事?酔って寝たのはレソフィック君の家での事だろうから・・アロン君、な、何を見たの?』
「わたし、なにかされました?」
アロンはますます赤くなって言いにくそうに続けた。
「もみくちゃにされてて・・なんか直視できなかったんだけど・・」
『!!!?』
「・・そういえば服みだれてたんですよね・・」
『それって、直視できないって、ま、まさか・・』
恥ずかしさでカーッと上半身が熱くなった。
「脱がされた?アロン君、見た?」
『だ、誰がやったの?まさかアロン君達ではないだろうから、女子?』
「い、いやあ、さすがに脱がされてはなかったけど・・ハウルお尻とかもんでたぞ」
ボカーンっと頭の上で水蒸気爆発が起きた。
「ハウルさん!」
『お、お尻揉んでた?!そ、それアロン君見たの?!わたしのお尻?!!いやーっ!』
「大丈夫よ、胸まだちょっと小さいけど、これから成長するから」
ハウルはなんら悪びれる様子もなく、新たに焼けた大きなお肉をぱくっと食いつきながら言った。
『よりによってアロン君の前でお尻を、・・え?何ですって?胸?!・・胸元はだけてたと思ったら!!ハウルさん!!』
裕美子は缶ビールを盛大にしゃかしゃかと振ってプルタブを少しあけると、ブシャーっと吹き出したビールをハウルに向けて発射した。
「胸も触ったんですか?あなたって人はー!」
「ぶあーっ、ゆ、裕美子、ちょっと待って!」
「きゃあ、ユミちゃんが怒ったわぁーー」
「わわ、裕美子さん、落ち着いて!・・くそ、覚えてないぞー?そんなおいしいシーン」
リーダーは止めながら、その時泥酔していた自分を後悔した。
「お、俺はすぐ目を逸らしたからな!」
勇夫が防衛線を張る。
「あっぷ、あっぷ、私だけじゃなくて、カーラとかも・・」
「ごめん、足すべすべしてて気持ちよくって・・・てへへ」
「ユミちゃん、無駄なお肉付いてなくて羨ましいわぁ~」
「小泉、そんないい体なのか?見ときゃよかった」
レソフィックはその時、同じく酔っておかしくなっていたリーダーの方を相手してたので、裕美子は見てなかった。
「意外でしょ。裕美子、成長したら絶対エロくて良い体になるって・・ぶぶーっ、なんで私ばっか攻撃するの!」
さかんにビールを振って1m先のハウルに水鉄砲の様に飛ばしている手をアロンが掴んで止めた。
「小泉、俺見てないから。いや、見えてなかったから、肝心なとこは」
「ほんとうですか?ど、どこまで見えたんですか?下着とか?」
「大丈夫、スカートの下から手を入れてたから、中までは・・」
「何でそんなおいしいところ覚えてないんだー!」
「あれ?、でもリーダーはハウルを止めようとしに来たわよ。クリスティンに突き飛ばされちゃったけど」
「そうだったわねぇ。それでユミちゃんの替わりにハウルのお胸掴んだんだ~?」
「うええ?!何だそれ!・・あ、そういえばクリスティンに突き飛ばされて、なんか倒れたところにハウルがいて、起き上がったら手のところにちょうど・・・ああ!」
「そうだ!リーダーあの時こうやって3回くらい私の揉んだのよ!それも両方」
「何だと!リーダーちょっとこっち来て詳しく聞かせろ」
「ハウルがリーダーの下敷きになったとき、ハウルの手がユミちゃんのスカート派手に捲っちゃったけど、アロン君、見えちゃったかなぁ?」
「スカート捲れた?!アロン君やっぱり見たんですね!うわぁ、お嫁行けません。アロン君、責任取ってください」
「み、見てない!た、たぶん太ももくらいまで。だからセーフ!」
「お、俺はずっと目を逸らしてたからな!」
「惜しいことしたなあ、見ときゃよかった」
「でもさあ、殿方もいるところだったんだから、裕美子ももう少し色気のあるパンツ履いてきた方がいいんじゃない?あれじゃ中学生よ。ねえアロン」
「中学生だとああいうパンツなの?はっ!!」
「わああ!見たんですね?、やっぱり見たんですね?!」
「すまん小泉!、はい、ビール」
アロンから受け取ったビールを裕美子は盛大にしゃかしゃか振ると、第2次攻撃が始まった。
次回「第2部:第11章 ピクニック(7):あれは二人だけの思い出に」へ続く!
前回のお話「第2部:第11章 ピクニック(5):河原」
対応する第1部のお話「第1部:第15章 ピクニック(8):バーベキュー当日」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
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今回が本当の第1部バーベキュー当日とかぶるところのお話でした。
それにしてもこの裕美子ちゃんが酔って寝ちゃったときのシーン、回想するほどに派手になっていきますねえ。
最初は第1部「第9章(2)飲んだことないんですけど」、次は裕美子ちゃん視点になった第2部「第6章(13)裕美子の知らぬ世界」。
※片いなか・ハイスクール第2部は、第1部のエピソードを裏話なども交えながら本編のヒロイン裕美子の視点で振り返るものです。ぜひアロン目線の第1部のその部分と読み比べてみてください。「対応する第1部のお話」で飛ぶことができます。
ぽちっと応援してください。
<第2部:第11章 ピクニック(6):回想、またまた裕美子の恥ずかしいシーン>
じゅわーっとお肉が焼けていく良い音が食欲を誘う。炭火で炙られたお肉は表面はかりっと、中は柔らかくてジューシーで、その期待を裏切ることはなかった。
「おいしー!」
「うまーい!」
ハウルは何食べてるんだか分かってるんだろうかと思うほど、素早い動きで焼き網の上のものを手当たり次第次々に口に放り込んでいる。が、よく見れば焼け焦げた切れっ端や、脂身ばっかりや筋ばっかりと切り分けに失敗したような肉はきれいに避けているところがいかにもハウルらしい。とにかく食いっぷりがいいから本当に美味しそうだ。裕美子は3種類のお肉を一切れずつゆっくりと食べ、味わっていた。
「お肉をあらかじめタレに漬けてあるんですね。とってもおいしいです」
『豚肉は甘くないチャーシューのようなタレ。八角の香りが効いてるわ。脂っこいバラ肉なのにぜんぜんしつこく感じない。でもこれ、カロリー高そうだから気を付けなくっちゃ。牛肉は酸味のある玉ねぎバーベキューソース。厚いお肉も中まで味が染みてる。ラム肉は果物の爽やかな甘味があるジンギスカン風のタレ。どれも良くできてるわ。』
「そのまま焼いて食うのも今日準備してあるけど、お薦めはやっぱこれだよ。これは今朝来る前に漬けたんだけど、時間経つと味濃くなりすぎるから、先に焼いてるんだ」
と勇夫がしょうゆ色に漬かった豚バラ肉を網の上に追加しつつ自慢げに説明した。
「まめですね。勇夫君がみんなやったんですか?」
「豚肉が俺、牛肉がアロン、ラム肉はレソフィックが準備した。みんな違うやり方なんだぜ」
「やべ!男どもの方ができるじゃん」
ハウルが焦ったように女の子達の方に向かって言った。
リーダーはまだすっきりしない顔をしているが、裕美子の横で気を使っていた。
「裕美子さん、肉取りましょうか。お皿ください」
「ありがとうございます。あ、豚肉はそんなにいらないです。・・美味しいんですけど、バラのところだからカロリー凄く高そうなので・・」
「そうなんですか?それじゃ僕もらっちゃおう」
「リーダーは何したの?」
カーラの問い掛けは、アロン達が肉を仕込んだとすると、リーダーは何の準備をしたんだろうという質問だ。
「いや、酒飲まされちゃって酔いつぶれて、朝起きらんなくって・・これには何も手伝ってないんだ」
「リーダー、酒弱すぎだっつうの!また昨日の夜も・・」
昨夜最も飲ませてたレソフィックが勢い言いかけたが、気を使ってそこで止めた。しかし裕美子が
「また吐いちゃったんですか?」
と何の気なしにその先を言い当てた。
「う!ゆ、裕美子さん、まだ俺にその印象を・・!」
その印象とは、レソフィックの家に広報の記事作りで集まった時、リーダーはしこたま酔っぱらって、裕美子の前で吐いてしまったことだ。この時も飲ませたのはレソフィックだったっけ。
「え?!いやあ・・ち、違いますよ」
裕美子はあたふたして取り繕った。
「わたしもほら、お酒弱かったから、よくわかるなーって思って・・」
裕美子もその時ワインを飲んで直ちに酔ってしまい、夜中まで寝込んでしまったのだった。
「そ、そうでしたか」
リーダーは裕美子の手を握った。
「あれはつらいですよねー。頭は痛くなるし、胃の中はたらふく食ったつまみが煮え繰り返って、すっぱいものが急に込みあげてくるし・・」
裕美子はその手を振りほどいた。
「や、やめてください。食べてるところなのに」
「がーん。し、しまったあ・・また余計なイメージに上塗りするようなことを・・・」
しかしアロンがクーラーボックスからビールを取り出してリーダーに差し出した。
「ほら、リーダー。焼き肉で飲むとうまいよ」
リーダーはブルブルブルと激しく首を横に振ってそれを拒んだ。
『うわっ、アロン君達、またビールとか持ってきてる。クーラーボックスたくさん持ってきてると思ったら、あれにはお酒が入ってるんですか』
「女の子も飲む?」
「くださーい」
「じゃあ、ちょっとだけ」
『えー、ハウルさん、カーラさん、飲んじゃうの?!』
レソフィックがポイポイと放ってよこした。ハウルはさっそくプシュッとプルタブを開けてカーラをせっついた。
「ほら、カーラ。乾杯乾杯」
「ちょ、ちょっと待ってよ・・」
「クリスティンも、ほれ」
「ありがとう。わぁ、よく冷えてるわあ」
「小泉、ほい」
レソフィックから放られたビールをキャッチしたが、開けるのは躊躇われた。
「はい、カーラ、かんぱーい」
「ど、どうも」
「くあーっ、きくーっ」
「ぷはっ。ああ、おいしい」
「わあ、苦いわぁ~」
『みんな飲んじゃって・・。大丈夫なのかな。こないだワイン飲んだ後は寝ちゃって、頭痛くなったし・・』
冷たいビールの缶を両手で持って躊躇してると、アロンが裕美子に声をかけた。
「ビールだからワインよりアルコール度低いけど、無理に飲まなくてもいいから」
『あ、アロン君、わたしのこと気に掛けてくれるんだ』
すると今度は少し恥ずかしそうに、赤くなりながら言った。
「小泉は酔うと寝ちゃうんだよね。寝ちゃうとさあ、あの連中がいやらしいことしてくるから・・・」
「!?」
『何の事?酔って寝たのはレソフィック君の家での事だろうから・・アロン君、な、何を見たの?』
「わたし、なにかされました?」
アロンはますます赤くなって言いにくそうに続けた。
「もみくちゃにされてて・・なんか直視できなかったんだけど・・」
『!!!?』
「・・そういえば服みだれてたんですよね・・」
『それって、直視できないって、ま、まさか・・』
恥ずかしさでカーッと上半身が熱くなった。
「脱がされた?アロン君、見た?」
『だ、誰がやったの?まさかアロン君達ではないだろうから、女子?』
「い、いやあ、さすがに脱がされてはなかったけど・・ハウルお尻とかもんでたぞ」
ボカーンっと頭の上で水蒸気爆発が起きた。
「ハウルさん!」
『お、お尻揉んでた?!そ、それアロン君見たの?!わたしのお尻?!!いやーっ!』
「大丈夫よ、胸まだちょっと小さいけど、これから成長するから」
ハウルはなんら悪びれる様子もなく、新たに焼けた大きなお肉をぱくっと食いつきながら言った。
『よりによってアロン君の前でお尻を、・・え?何ですって?胸?!・・胸元はだけてたと思ったら!!ハウルさん!!』
裕美子は缶ビールを盛大にしゃかしゃかと振ってプルタブを少しあけると、ブシャーっと吹き出したビールをハウルに向けて発射した。
「胸も触ったんですか?あなたって人はー!」
「ぶあーっ、ゆ、裕美子、ちょっと待って!」
「きゃあ、ユミちゃんが怒ったわぁーー」
「わわ、裕美子さん、落ち着いて!・・くそ、覚えてないぞー?そんなおいしいシーン」
リーダーは止めながら、その時泥酔していた自分を後悔した。
「お、俺はすぐ目を逸らしたからな!」
勇夫が防衛線を張る。
「あっぷ、あっぷ、私だけじゃなくて、カーラとかも・・」
「ごめん、足すべすべしてて気持ちよくって・・・てへへ」
「ユミちゃん、無駄なお肉付いてなくて羨ましいわぁ~」
「小泉、そんないい体なのか?見ときゃよかった」
レソフィックはその時、同じく酔っておかしくなっていたリーダーの方を相手してたので、裕美子は見てなかった。
「意外でしょ。裕美子、成長したら絶対エロくて良い体になるって・・ぶぶーっ、なんで私ばっか攻撃するの!」
さかんにビールを振って1m先のハウルに水鉄砲の様に飛ばしている手をアロンが掴んで止めた。
「小泉、俺見てないから。いや、見えてなかったから、肝心なとこは」
「ほんとうですか?ど、どこまで見えたんですか?下着とか?」
「大丈夫、スカートの下から手を入れてたから、中までは・・」
「何でそんなおいしいところ覚えてないんだー!」
「あれ?、でもリーダーはハウルを止めようとしに来たわよ。クリスティンに突き飛ばされちゃったけど」
「そうだったわねぇ。それでユミちゃんの替わりにハウルのお胸掴んだんだ~?」
「うええ?!何だそれ!・・あ、そういえばクリスティンに突き飛ばされて、なんか倒れたところにハウルがいて、起き上がったら手のところにちょうど・・・ああ!」
「そうだ!リーダーあの時こうやって3回くらい私の揉んだのよ!それも両方」
「何だと!リーダーちょっとこっち来て詳しく聞かせろ」
「ハウルがリーダーの下敷きになったとき、ハウルの手がユミちゃんのスカート派手に捲っちゃったけど、アロン君、見えちゃったかなぁ?」
「スカート捲れた?!アロン君やっぱり見たんですね!うわぁ、お嫁行けません。アロン君、責任取ってください」
「み、見てない!た、たぶん太ももくらいまで。だからセーフ!」
「お、俺はずっと目を逸らしてたからな!」
「惜しいことしたなあ、見ときゃよかった」
「でもさあ、殿方もいるところだったんだから、裕美子ももう少し色気のあるパンツ履いてきた方がいいんじゃない?あれじゃ中学生よ。ねえアロン」
「中学生だとああいうパンツなの?はっ!!」
「わああ!見たんですね?、やっぱり見たんですね?!」
「すまん小泉!、はい、ビール」
アロンから受け取ったビールを裕美子は盛大にしゃかしゃか振ると、第2次攻撃が始まった。
次回「第2部:第11章 ピクニック(7):あれは二人だけの思い出に」へ続く!
前回のお話「第2部:第11章 ピクニック(5):河原」
対応する第1部のお話「第1部:第15章 ピクニック(8):バーベキュー当日」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆
Copyright(c) 2009-2015 TSO All Rights Reserved
今回が本当の第1部バーベキュー当日とかぶるところのお話でした。
それにしてもこの裕美子ちゃんが酔って寝ちゃったときのシーン、回想するほどに派手になっていきますねえ。
最初は第1部「第9章(2)飲んだことないんですけど」、次は裕美子ちゃん視点になった第2部「第6章(13)裕美子の知らぬ世界」。
※片いなか・ハイスクール第2部は、第1部のエピソードを裏話なども交えながら本編のヒロイン裕美子の視点で振り返るものです。ぜひアロン目線の第1部のその部分と読み比べてみてください。「対応する第1部のお話」で飛ぶことができます。
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