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<入学式(1)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第15回
<入学式(1)>

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話はオリエンテーリングより少し前、入学式まで遡る。
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日本と同じ4月、本校、第一分校とも入学式を迎えた。

ここは第一分校。少し田舎ののんびりとした高校。

この日は式典のみ。講堂で入学式が行われた。その後、入り口に貼られたクラス表で自分のクラスと教室を確認する。行事としてはこれで解散で、登校日は明日であった。
アロンはずっとつるんでいる仲間、勇夫とレソフィックとともに教室に行ってみた。

「どんなところか拝んどこうか」
「日当たり悪りいとこでなけりゃいいけど」
「あんまり日当たりがいいと眠くなるぜ」
「だいいち夏、暑ちぃよ」

教室に行ってみると何人かがいた。やけにモデルのようにすらっとしたのがいる。
その横にもやさ男がもう1人。
お分かりだろうか、モデルのようなのは実際モデルをやっているジョンだった。その傍らの優男はミシェルだった。
女子が何人かその周りにいた。アロンたちが入ってきたのを見て
「あなたたち、C組?よろしく」
と元気に声をかけてきた。全身にエネルギーが満ち溢れ、かわいい顔をした娘である。
が、なぜか危険な香りもした。
横には萌えなキャラクターを従えていた。そう、のちのちいろいろあるであろうハウルとその友達クリスティンであった。
「ういっす。いろいろよろしくたのんます!」
威勢のいい勇夫。
「クラス間違ってなけりゃよろしく」
とアロンとレソフィック。

黒板に向かって一人で立っているメガネの娘がいる。もわもわっとした髪のその娘は、落ち着いた雰囲気を通り越して見過ごしてしまいそうであった。その娘はアロン達を見つけると、しばらくじっと見ていた。のちのクラスの参謀、小泉裕美子であった。
「君もここの組?」
とアロンは声をかけた。
メガネの娘はぺこりとおじぎをしたのでどうやらC組らしい。
手を上げて
「よろしく、クラス間違ってなけりゃ」
とアロン。
すると、すたたたっと教室を出て行ってしまった。帰ったようである。

すると、入れ替わって飛び切りの美人が入ってきた。美人らしくつんとしてお高くとまった感。後の美女ことシャルロットである。同郷の友達ダーニャと一緒であった。
その美人の後ろから数人男どもが続いて入ってきた。美人に付いてきたという方が正しいかもしれない。
「えー?あなたもCクラスだったんだ?うれしいなー。よろしくお願いします」
と鼻の下を伸ばしている。アンザックとパウロであった。
「あら、よろしくね」
美人は愛想は振りまいているが、その2人にはあまり興味はないようである。窓際にいた美男を観とめたが、自分から言い寄るというよりは、相手から言い寄られる方が好みのようであった。ニコリとだけする。


次回「入学式(2)」へ続く!

前回のお話「オリエンテーリング (14)」
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コメント 1

TSO

「初回にインパクト・・」のため、入れ替えられていた入学式のエピソードです。
当初これが第1話の予定だったんですね。

この物語の設定は・・国籍不明です。いろんな人種が仲良く暮らしてます。
日本のように四季があり、温帯地方に違いありません。
しかも4月が年度初めですか。
ま、この辺は特にどうでもいいのです。書く側にとって書きやすければいいのです。

by TSO (2010-01-28 01:22) 

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