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<初登校日(4)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第20回
<初登校日(4)>

翌日。
紙テープ、紙リング、万国旗で教室はきれいに飾られていた。

教壇の少し入り口側に天井から頑丈そうな櫓が垂れ下がっている。
その櫓の出来はとても女の子がやったとは思えない。
一応櫓には紙で作った花や紙テープ等が伸びていて、見かけはごつくないようになっている。ただちょっと位置が低いように見える。
ハウルは至極満足そうだが、クリスティンはひどく心配な顔をしていた。


教室の外に担任とキャリーがやってきた。

ニコニコ顔の担任は勢いよく教室のドアを開けると、大きな声で
「諸君、おはよう!」
と叫びながら早足で入ってきた。
それに合わせ教室の全員が

パーン!

とクラッカーを一斉に鳴らす。
担任はクラッカーの話しは聞いてなかったので、それに驚いて飛び上がった。
するとなんと、担任は教室に入った勢いを保ったままジャンプして櫓に勢いよく頭をぶつけた。

バリっという音とともに櫓が天井からはがれる。

さらに担任は落下してきた櫓の下敷きになるとともに、くす玉の紐を体に引っ掛けた。
くす玉の紐が引っ張られると、教室の窓寄りの天井に張り付いていたくす玉の留め金が外れ、教壇付近の上を支点に紐で繋がれたくす玉が勢いよく、もと櫓のあった方へ落ちてきた。

まさに鉄球で建物を破壊するアレと同じだ!

キャリーと鉄球s.jpg
担任の後に続いてキャリーが教室に入ってきた。そして哀れ、絶妙のタイミングでくす玉はキャリーの額に見事命中した。
「ギャッ」
と悲鳴を上げるとキャリーは教室のドアから廊下に飛び出して、仰向けに大の字で倒れてしまった。

教室は大騒ぎ。

一斉に鳴ったクラッカーの音に驚いた隣のBクラスが教室から顔を出す。すると廊下に大きな体のキャリーが倒れているのを見て、
「銃声だ!発砲だ!撃たれて誰か倒れてる!」
と騒然となり、校舎を飛び出す生徒でパニックになった。

銃撃でないことがわかっているCクラスは、2人が倒れたことや、櫓とくす玉の仕掛けのことや、ドジ担任のことで騒然となっていたが、アロン達が
「とにかく医務室に連れて行こう」
と言ってようやく行動に移った。

教室にはいまだ割れないくす玉が転がっていた。


次回「表彰式」へ続く!

前回のお話「初登校日(3)」
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<表彰式> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第21回
<表彰式>

-----

こうして出合ったC組の面々。
そのC組の結束を固めたオリエンテーリングも終わり、話は再び時系列へ戻る。

-----

オリエンテーリングのあった週の金曜日。C組は休み明けである。
この日、講堂でオリエンテーリングの表彰式があった。
A組、B組は全員リタイヤであったが、各班の班長が台上に呼ばれ、校長から班の結束を固めた労をねぎらわれた。

そしてC組へ。

「C組、A班およびB班。君達はこの過酷な条件の中、正確なルートファインディングによって中間点近くでランデブーすることができ、しかもそこでお互いの班の情報を交換し合うことによって、後半のルートを安全に早く移動することができた。まさにクラスのチームワークと知恵の結束がこの結果を生んだのだ。栄光の第1回クスス山オリエンテーリング、完走おめでとう。各班長は前へ」

わああ!とC組から歓声が上がった。
誇らしげなA班リーダーのチャンと、放っておいてもかっこいいジョンがガッツポーズしながら壇上へあがる。

校長はニコニコして2人を見た。
「クラス担任より記念の楯を進呈する。どちらか代表で受け取りたまえ」
ジョンとチャンは見合わせると、ジョンが
「クラスのリーダーはお前だろ。みんな認めてる、行けよ」
「そ、そうか?じゃあ」
チャンがドジ担任の前へ出た。

ドジ担任は満足そうに微笑むと
「C組代表、チャン・リーウェイ。君達の栄光をたたえ、この楯を贈る。おめでとう!」
「ありがとうございます!」
ドジ担任は楯をチャンに渡すと、C組みんなに向かってにやりと笑った。そして
「お前達・・・最高だぜー!!」
C組みんなが飛び上がって喝采したところで、ドジ担任は横っ飛びに移動すると、天井から垂れていた紐を掴んだ。
その先には・・・あのクス玉があった!

「ああー!!」

C組みんなが一斉に叫んだ。

ドジ担任が紐をぐいっと引っ張ると・・

やはり!クス玉は真下に向かって落下!
C組みんなが目をつぶる。

ごんっという鈍い音が講堂に響く。

2,3秒して、ばたーんという音が続いた。

C組みんなが目を恐る恐る開けると・・・

真っ青な顔になったドジ担任、および各クラスの担任。
そして、ひっくり返って気を失っている校長の大の字。
もちろん、クス玉は割れることなく、丸いまま校長のそばに転がっていた。

一瞬静まった講堂で、チャンが叫ぶ。
「C組、気を付け!!」
何事という感じで、それでも背筋がみんな伸びた。そしてなぜかチャンは言った。
「敬礼!!」
ザッ、と呼吸が合って、ぴしっとC組は敬礼した。
「C組、解散ー!」
リーダー、チャンがなぜか仕切って、C組はわああーっと一斉に講堂から走り出した。
全身激しい筋肉痛で動けないイザベルをアロンとダーニャが、靴ずれで足に包帯しているクリスティンをハウルが引きずって行く。

全責任をかぶったドジ担任が
「ああ!ちょ、ちょっとまってぇ!!」


次回「クラス委員」へ続く!

前回のお話「初登校日(4)」
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<クラス委員> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第22回
<クラス委員>

表彰式のあった翌週の月曜。ホームルームでクラスの委員決めが行われた。

教壇に立つドジ担任はクラスの面々の顔を見回しながら言った。
「そろそろクラスのお互いがどんな奴かわかり始めただろう。そこで各委員を決めてもらう。これだけあるから、それぞれ適人と思われる人を輩出してもらいたい」
そう言うと、ドジ担任は委員名を黒板に列挙した。

 生徒会委員(正)
 生徒会委員(副)
 体育委員:体育系行事のクラス代表役員
 文化委員:文化系行事のクラス代表役員
 広報委員:C組がいかにすばらしいクラスか宣伝と情報発信
 防災委員:安全衛生&災害時は先頭に立つべし
 保健委員:保健衛生&怪我病気の生徒を助けるべし

「アロン、レソフィック、勇夫、お前らは必ずどれかになるように。座席疑惑と引き換えだからな」
「ちょっと、前もって秘書に行っといてもらわなきゃ」
と勇夫が言うが
「なんなら座席シャッフルしてもいいぞ」と言われたので、仕方なく従う。

ドジ担任が司会を始めた。
「まずは生徒会委員だ。これはクラスの代表でありクラスの意見を生徒会に上げるとともに、いろんな決め事に参加する。うちの学校は生徒の自主性が高いのが有名らしいので、責任あってやりがいあると思うぞ」
「うちのクラスのリーダーはチャンで決定してまーす」とウォルト。
「確かにチャンはオリエンテーリング前後から率先してやってるよな。どうする?やるか?」
ドジ担任が聞くと
「もちろん。やります」
と力強くチャンは答えた。
「おーし、生徒会委員(正)はチャンで決定な」とドジ担任は黒板に名前を書いた。そして

「そしたら副は女子から選んでくれ」と言った。
するとチャンが席から振り返って後ろを向くと、
「副委員を推薦したい人がいます。小泉さんお願いします」
と言った。
裕美子は声こそ出さなかったが、びっくりしていた。
「そういえばオリエンテーリングでも頭いいところ見せてたもんね」
「わたしもいい人選だと思うわ」
とキャリーとカーラがそれを支持した。

「おーし、じゃあ小泉いいか?いいよな」
「え?・・・でも・・・」
チャンがだめ押しする。
「お願いしまーす!」
「・・は、はい・・」
ドジ担任は黒板に名前を書いた。
「あのリーダーがグウの根も出せなかったからこそ認めたんだぜ」
うつむいて妙にカチンコチンに固まっている裕美子にアロンは声をかけた。

「アロン、レソフィック、お前ら決めたか?」
レソフィックは考えるのも面倒に
「えー?ぜったいやるの?じゃあ、俺、広報。勇夫、体育。アロンは防災かな」
「ナニおまえ勝手に割り振ってんだよ!」
と勇夫が吠えるが、ドジ担任はすばやく黒板に名前を書き連ねた。
「決まりだ!」
「ああ!ほら決まっちゃったじゃねえか!」

「後の2つは女子から選んでもらおうか」
「保健委員は推薦したい人がいまーす」とウォルト。
「誰だ?」
「クリスティン。オリエンテ-リングのとき看護担当してもらってよかったなあ」
するとパウロが、
「そうなんだよなー。B班うらやましかったんだよなー、あれは。うちらシャノンだったから、ままごとみたいでサー」
「シャー!!!」
シャノンが筆箱を放って、見事パウロの頭に命中する。

「えーっと、保健委員はクリスティンと」
ドジ担任が名前を連ねる。
「あ、あの、本人は一言もこの件に発言してないんですけど・・」
とあわてるクリスティン。
カーラが冗談まじりに
「あきらめなって。推薦者は男子全員で過半数よ」
というと、クリスもとって返した。
「む!はーい、文化委員にカーラさんが最適です」
「ええ?」
ドジ担任はさっそく名前を黒板に書く。
「よーし、全部決まった」
「わあ!どういうことこれ?」うろたえるカーラ。

「クリスティン!サッカー部の練習でけがしても診てもらえるのかなあ!」
と患者第1号を目指すパウロ。
「そ、それはサッカー部の顧問やマネージャーでは・・」
「だ、だめっ?」

だが、患者第1号は男子ではなく、いまだオリエンテーリングの筋肉痛から解放されないイザベルが階段でつまづいてすねを打ち、クリスティンに保健室へ連れて行かれたのだった。


次回「イザベルのお礼アタック(1)」へ続く!

前回のお話「表彰式)」
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<イザベルのお礼アタック(1)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第23回
<イザベルのお礼アタック(1)>

「アロン君、このあいだはいろいろ助けてくれてありがとう。これ食べてね」

朝のホームルーム前のどやどやしているとき、アロンのところにやってきたイザベルは、紙袋をアロンの席に置いていった。
中身はクッキーだった。それも手作りのようである。
ハイエナ勇夫とレソフィックがそのにおいを嗅ぎつける。
「ナニ?それ。うまそうじゃん、ちょっと食わせろよ」
「え?食う?いいけど・・・いいのかな」
「アロン、お前にくれたものだからホントはあげたらまずいぞ」
レソフィックが袋に手を伸ばしながら言う。
「そ、そうだよな」
アロンは袋を引っ込めたのでレソフィックは食い損ねた。

「なんでおまえにくれたんだ?」勇夫が聞く。
「オリエンテーリングの礼だって」
「オリエンテーリングのとき何かしたのか?」
「うーん・・・ゴールまでの最後の道のりはずっと担いでたからかなあ。イザベル、疲労で足止まっちゃってたし。こないだの表彰式でも、体育館から出るときまた担いだぞ」

レソフィックはピンと来た。
「ははぁ、そうか。助けられたうえに、ずっと密着してたから、胸にズキューンってきちゃったんだろ」

イザベルの席はアロンの列の一番前(といっても1列3人しかいない)。
イザベルは振り向くことなく席につくと、ホームルーム中もずっと前を向いたままだった。

イザベルは身長168cmと比較的長身。オリエンテーリングでも自ら言っていたように、体力には全然自信がない。それを裏付けるように非常に細身のひょろひょろした体系をしていた。なかなか整った顔立ちをしているが、ちょっと険な眼つきが特徴である。性格はまだよくわからんが、あきらめ早そうな言動の割に、オリエンテーリング後半では、実は負けん気の強いところがあるのを覗かせていた。

その後ろ姿を見てアロン、
「純粋にお礼じゃないのかねえ?」


-----

翌日、ダーニャがやってきて
「アロン、イザベルのクッキー食べた?」
と聞かれた。

「え?なんで知ってんの?食べたよ。結局半分近く勇夫とレソフィックに食われたけど」
「え?なんでそんな連中に食べさせるのよ!これイザベルのあなたへの気持ちよ。だめじゃない!」
「わかってるよ。でも隙を見てかすみ取られてさ・・」
「そんなことする人たちとはもう絶交しなさい。それでどうだった?」
「別に腹壊してないよ」
「あたりまえでしょ。感想聞いてるの!」
「うまかったよ。でも甘すぎかなあ。あまりくどくない方が好みなんだよね」
「ふーん。はっきり言うのね。イザベルに感想伝えといてあげる」
「なんでダーニャが連絡員になってんの?」
「乙女心がわからないのねえ。はずかしくてこれないんじゃない」
「はあ?」

たしかにこの日含め数日イザベルはアロンとかち合わないように避けていたようで、話をした覚えがない。


次回「イザベルのお礼アタック(2)」へ続く!

前回のお話「クラス委員」
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<イザベルのお礼アタック(2)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第24回
<イザベルのお礼アタック(2)>

数日後、帰り際に再びダーニャを運び屋にしてクッキーが渡された。

「はいこれ。イザベルの愛第二段よ。今度は本人に直接感想言ってあげてね。あ、そうそう勇夫、レソフィック!こんどはつまみ食い一切禁止だからね!」
横に並んでいる2人にダーニャは釘を刺すと去っていった。
「えー?こっぴどく疲れてるときは効きそうな甘さだったのに」とがっかりする勇夫。

するとA組の男がやってきてアロンに声をかけた。
「すまんが君、ダーニャさんの彼氏?」
「はあ?なんでよ」
「違うの?何か彼女にもらってたし・・・」
「ダーニャは他の人に頼まれて、俺にコレ持ってきただけだよ」
「そっか!悪かったな、変な問いかけして」
その男子は去っていった。

レソフィックがその後ろ姿を見ながら言った。
「知ってっか?ダーニャって他のクラスで人気あるらしいぞ」
「ほお」
「あいつ美女とよくいるだろ。美女はハードル高すぎるってんで、ダーニャ狙いの男が結構いるって話だ」
すっかりシャルロットには美女のあだなが定着していた。身長170cmの美女に160cm前後のダーニャのコンピは、上級生が1年生のフロアに様子を見に来たりするくらい、学校ではそれなりな存在だった。
「ふーん。確かに美女の横にいても霞んでないよな」
「だろ?普通に見りゃあいつも美人の仲間だぜ。だろ?」
レソフィックは今度は勇夫に向って言った。
「そうかなあ・・」
「レソフィック、こいつに聞くのは大間違いってもんだろ。中身小学生なんだから」
「なにー!?」


帰る途中、苦みの強いコーヒーを買って帰った。レソフィックと勇夫もアロンの家に上がりこむ。
「少しは食わせろよ」
レソフィックが袋の中身に興味津々である。
「わかったよ」

コーヒーを入れて準備が整うと、アロンはポリポリ食べてみるが、
「今度はあまり・・というかほとんど甘みない。極端だなあ。バターを練りこんだ乾パンみたい。食う?」
「もらい。・・・うーん。栄養ありそうだから遭難したときの栄養食には使えるな。どこで買ったか教わろう」
山好きの勇夫であった。が、アロンがフォローする。
「これ手作りだろ。砂糖入れ忘れただけじゃねぇの?」
「見かけはよくできてるんだけどなあ。それでアロン、どうだイザベルの評価は」
レソフィックはアロンの反応に興味つつな様子である。
「なんでお前が気にするんだ。なんだっていいだろ」
「照れるなって!」
「照れてねえよ。・・でもあの険のある顔からはちょっと意外だったな、手作りクッキーとは」
また一つ頬張りながら勇夫が言った。
「俺これでいいからまた作ってもらってくれ」
「自分で頼め!」


次回「イザベルのお礼アタック(3)」へ続く!

前回のお話「イザベルのお礼アタック(1)」
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<イザベルのお礼アタック(3)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第25回
<イザベルのお礼アタック(3)>

翌日。このところ避けていたイザベルが遠まきにアロンをうかがっていた。

しかしこういったことには鈍感な男どもである。気付く様子もないので、とうとう隣にいた裕美子が諭した。

「アロン君、イザベルさん・・目で訴えてますよ」
「え?あっ!ホントだ。レソフィック、どうしたらいいんだ?」
「まあ少なくとも食ったってことは言った方がいいんじゃねえの?俺達が食ったことは言わなくていいぞ」

「や、やあ」とまずは手を上げてみる。
イザベルは赤い顔をして、そばにいるダーニャにかくれるようにしてしまった。が、ダーニャに前へ押し出された。
「ほら、勇気出していってきなよ」
アロンも立ち上がってイザベルの方へ行く。
ハウルのグループがそれに気付き、「お?お?」とその様子を面白そうにうかがっていた。カーラのみなんとなく不機嫌そうに見守る。

「ありがとう。食ったよ。あれだけ味を変えられるってことは手作り?」
「そ、そうなの。ど、どうだった?さっぱりした方がアロン君好きらしいってダーニャから聞いたので・・」
「前のと同じつもりで苦いコーヒー用意してたから、最初驚いちゃったよ。お茶受けには前のと足して2で割ったくらいがいいかもな」
「ご、ごめん。やっぱり変だった?私もなんか変かなとは思ったんだけど・・・こういうのが好みかもしれないと思って・・また作ってみたら食べてくれる?今度こそ外さないから」
「え?また作るの?いいけど・・」
「そ、それじゃあ今度の日曜に渡す。あの、ショッピングタウンで待ち合わせしていい?ついでに、か、買い物に付き合ってくれる?」
「ショッピングタウン?そっかー、そしたら俺も寄りたいところあるんだよね」
「じゃあ一緒に行こう。いいよね?」

ダーニャのところに戻ったイザベル。なぜかハウルのグループのカーラとクリスティンが横に来て報告に聞き耳をたてている。
「日曜日デートの約束した」
「やったね!イザベル」

一方ハウルは裕美子のところへ来たふりをしてアロンの話に聞き耳を立てている。裕美子の顔を見てハウルは
「にひひひ・・」
とへんな笑いをした。
「あんまりいい趣味とは思えませんね」と裕美子。

機嫌のよさそうなイザベルを見て勇夫が、
「なんかイザベルうれしそうだぞ。なに言ったんだ?」と聞く。
「日曜ショッピングタウンで買い物付き合えって。ついでに俺も例の買い出しするわ」
「おまえ、それデートに誘われたんじゃねえの?あの買い出ししたらそれどこじゃねえぞ」とレソフィック。
「買い終わったら電話するからさ、荷物取りに来てくれよ」
「デートに専念したほうがいいと思うけどなあ」
と大人な意見を言うレソフィックだった。


次回「イザベルのお礼アタック(4)」へ続く!

前回のお話「イザベルのお礼アタック(2)」
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<イザベルのお礼アタック(4)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第26回
<イザベルのお礼アタック(4)>

日曜。アロンは2つ隣の駅の大型商業施設「ショッピングタウン」でイザベルと落ち合い、イザベルの服を買うのに付き合った。

ここで2人はウォルトとアンザックにばったり会う。

「なーんだ、お前ら付き合ってたんだ」
ウォルトにそう言われて顔を赤らめるイザベルだが、
「たまたまここで買い物する都合がお互いあって、一緒に周ってるんだ」とアロンは何気もなく答える。
するとアンザックはニヤつきながら言った。
「そういうことする仲を付き合ってるって言うんだろ」
「うーん、よくわからんが・・」
腕組をしているアロン。すると
「行きましょ、アロン君」
とイザベルに手を引かれて2人は去っていった。

「ちぇ、そうそうにカップル誕生かよ」
「なんだウォルト、うらやましいのか?ダーニャが相手との仲介をする恋愛相談所ってのやってるらしいぞ。目当てのやついるんなら話してみたら?」
アンザックはどこかでダーニャの副業を聞いたらしい。

イザベルの買い物が終わったところで、甘み処で一旦休憩をした。

「このあいだのオリエンテーリングでは参ったわね。私ああいうの嫌いなのよね。テーマパークとかの方がいいな」
「ああ、大変そうだったもんな。でも完走してすこしは自身ついたんじゃないの?」
「そうね。かなり相当むちゃくちゃめちゃめちゃ無理すればあれくらいはできるってわかったし。でも1週間筋肉痛でロボットみたいになったわ。もうこりごりよ」
「へえ、俺好きだけどなああいうの。クスス山ではけっこうくやしい思いもしたからさ、来週はレソフィック達とリベンジとばかりにアパラ山行くんだぜ」
「ええ?!また山行くの?」
「あ、それで俺の買い物ってその準備なんだけど、ちょっといろんな店回るから歩くぜ。どう回るのがいいかな」


今度はアロンの方の買い物。アロンの買い出しとは、翌週末レソフィック・勇夫と行こうと計画しているアパラ山縦走の準備だった。

超大型のショッピングモール「ショッピングタウン」の案内図をインフォメーションから持ってきて、アロンがポケットから取り出した買い出しリストで店を決めると、効率よい店めぐりルートを決めた。それにもかかわらずショッピングモールじゅうを歩き回らなければならなかった。
ショッピングタウンの案内図に書かれた買い物ルートを見たイザベルは目を丸くした。
「こんなに回るの?見ただけで疲れてきた」
「ショッピングタウンの設計者に言ってくれよ。分散してんだもん」

そして体力不足のイザベルはこの3分の1もまわらず疲れ果ててしまい、買い出しは中止。アロンは勇夫に電話し、買い出しを引き継がせると、イザベルを家に送った。

帰路途中のコーヒーショップで休憩中のこと。
「ごめんね、買い物中途半端にしちゃって」
「勇夫に引き継いだから大丈夫だよ、気にしなくていいよ。でもショッピングタウンを歩き回れるくらいの体力はつけた方がいいんじゃねーかな。別に病気なわけでもないんだし」
「うん・・・考えとく」
「オリエンテーリングでは、はるかにもっと歩けたじゃん」
「ショッピングタウンじゃ、緊迫度ないからかな・・・あのときは帰れないかもって危機感あったし。ちょっと・・・悔しかったし・・」
アロンはにこりと返した。
「よくやったと思うぜ」
イザベルは日の暮れ始めた外の景色を窓越しに眺めていた。
「・・・あのさあ、もし俺と付き合うなら、俺外で遊ぶこと多いから、それも自然の中によく行くから、体力もそうだけど、都会じゃないところで遊ぶ趣味もないと続かないと思うよ」
「そうみたいね・・・なんとなく私じゃ無理かもって思ったわ・・」
「ごめん、なんか振っちゃったみたいで」
「・・・・」ちょっとしょげるイザベルだった。

「そうだ、クッキー食ってみなきゃ」
「ここで?」
「いいだろ?さて、できばえやいかに」
バリバリ頬張ってみる。
「うん、うまい。今度のはいい」
「本当?」
「甘さ具合だけじゃなくて、ほかの材料とのバランスとか、焼き具合も進歩してる。すごいね、数回作っただけなのに。・・俺も役に立ったってことかな」
「へへ」ちょっと涙ぐむイザベル。
「彼氏に作ってやんな。今度は最初からストライクで」
「ありがとう」
「そういや、こないだの甘くないやつ、勇夫に受けがよかったんだけど」
「勇夫君?う~ん・・・彼氏じゃないから、なんか気が向かないわ」
ひそかに振られた勇夫であった。


次回「ダーニャの恋愛相談所(1)」へ続く!

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<ダーニャの恋愛相談所(1)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第27回
<ダーニャの恋愛相談所(1)>

「アロン君、イザベルとうまくいかなかったんだって?なんで?」
「なんでダーニャが気にするんだよ。そもそも最初っからなんでおせっかいしてんの?」
「恋愛相談所ですから。アフターケアもしないとね」
「恋愛相談所?なんだそれ、金取るの?」
「学校で商売するわけに行かないでしょう、ボランティアに決まってるなじゃい。さ、答えてください」
「ちぇー、イザベルに聞けばいいのに」
「両方の口から聞くの!いーから!」
「こえーな。うーん、趣味が合わなかったんだよ。続けても共有する時間がないっての?」
「うんうん、なるほど。イザベルのこと嫌いってわけじゃないのね?」
「別に嫌いじゃないよ。眼つききついからもっとトゲトゲしてるのかと思ったけど、意外と普通な人だったしね」
「わかったわ。ありがとう」
「イザベルはなんて言ってた?」
「お客様の個人情報、心理情報は秘密です。まあ似たようなこと言ってたよ」
「ふーん・・・」

「ところでレソフィック君てどんな人?」
「今度はレソフィックか。え?あいつにアタックする奴がいるの?」
「秘密だってば」
「誰か教えるなら答えてやってもいいって言ったら?」
「それなら聞かない。お客様の秘密が優先だもの」
「へー。結構信用できそうだな。わかったよ、レソフィックのなんだっけ?」
「サンキュ!えっと、彼ってどんな性格?」
「性格ねえ・・・ませてるっていうか、あいつは考え方やとらえ方が大人なんだよな。めったなことじゃ怒ったり動じたりしないし・・」
その後もインタビューは続き、ダーニャはそれらを黒いノートに書き留めていった。

「しかし事前調査でちょっとバレバレ過ぎじゃねえ?」
「君は結構秘密守れそうだからね。サンキュ!レソフィックにも内緒よ!」
「あ、そう、言っちゃいけないんだ」
尋問が終わってダーニャは去っていった。
アロンはこの機会に注意深くダーニャを見ていた。
確かに美人な部類だなぁと思う。しかし美女とあだ名が定着しにシャルロットと一緒にいても存在が霞れることがないのは、その見かけよりも、こういった美女とは一線を隔した活動の場を持っているからという気がした。


次回「ダーニャの恋愛相談所(2)」へ続く!

前回のお話「イザベルのお礼アタック(4)」
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<ダーニャの恋愛相談所(2)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第28回
<ダーニャの恋愛相談所(2)>

数日後、アロンは例の黒いノートを持って廊下を行くダーニャの姿を見つけた。
角で立ちどまると、窓の外をながめて何か考えているようだ。窓の外の光を受けて、ダーニャの髪は妙に光って見える。
アロンはそばに行くと、ひょいとその黒いノートを取った。
「あっ、だめ!」
取り返しに飛びつくダーニャだが、それをひょいひょいと軽快にかわすアロン。こういった遊びにはなれているようである。
「これすごいこと書かれてるんだろうなー。落っことしたらえらいことだぜ」
「中見たらぶん殴るからね!!」
「情報の重さがノートの重さになって伝わってくるぜ」

すると後ろから気配を消してレソフィックが忍び寄り、アロンからそのノートをすばやく取り上げた。
「ちっ、俺の背後を取るとは、さすがレソフィックだ」
「アロン、それ多分しゃれになってねぇよ」
レソフィックが差し出したノートをひったくるようにダーニャは取り返した。ダーニャは息が荒くなっていた。
「わかってるよ・・目に付いたからちょっとからかってみたんだ。ごめんよ」

そう言うとアロンは、今度はレソフィックを親指で後ろ指指し
「わかったろ、こいつこんなやつだ。こうやって大人びてるんだ。大人びた振りしてるだけかもしれないけど」
一方レソフィックも腰に手をやって
「アロンは子供っぽいんだよ。でもこいつの場合わかっててやってるんだ。どこまでやったらいけないか見極めながらやるから、にくらしいんだ」
「二人ともお互いをよく知ってるんだね」
「まーな。長すぎる付き合いだし。もう一人勇夫ってもっと子供もいるけどよ」とアロン。
「あいつはとことん子供だよなー。見境なく子供だ」
レソフィックも応じ、けたけたと笑いあう2人。

「あっ!、ダーニャお前、俺の身辺調査レソフィックでやったな?」
「もしかしてダーニャ、俺のことアロンに聞いてるのか?」
「へっ、へへ」
ダーニャは引きつったような困ったような笑いを浮かべた。
「イザベルが来る前、こいつ俺のこと調べてた?」
ちらっとダーニャのほうを伺ったレソフィックだったが
「口外禁止って言われてたけど、もういまさらって感じだからいいよな。オリエンテーリングの後、お前のこと聞きに来たよ」
「依頼元がイザベルって知ってたのか?」
「それは知らんよ。イザベルだってわかってたら、やめたらって言ったかもしれない」
「それはどうして?」ダーニャが聞く。
「アロンはきっと自分の行きたいところへ彼女連れ出すだろうから、行動をともにできる人でないと。あいつじゃ体力足りないよ」
「こないだっから、なんでお前が俺の彼女の理想像を想像しなきゃいけねーんだよ」
「ありがとう、参考になったわ。メモっとこ」
ダーニャはしゃがんで黒いノートにメモを取り始めた。
「ちぇっ、秘密厳守で頼むぜ」
「ご心配なく」
アロンとレソフィックはメモを取るダーニャを残してそこを離れた。

「アロン、あいつが俺の身辺調査してたってことは、近々俺のところに誰かくるんだよな」
「ああ、まだ来てなかったのか。楽しみじゃん」
「こういうの来るってわかってて待ってるのってすげえ変だぜ。どんなのが来るかわかんないのに、かわいいのかブスなのか・・聞かなきゃよかった」
「なるほどねー。口外禁止ってのも意味あるんだな。ま、せいぜい楽しんで待つんだな。ひひひ」
「ちっきしょー」


次回「ダーニャの恋愛相談所(3)」へ続く!

前回のお話「ダーニャの恋愛相談所(1)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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<ダーニャの恋愛相談所(3)> [片いなか・ハイスクール]

「片いなか・ハイスクール」連載第29回
<ダーニャの恋愛相談所(3)>

その後、アロンはダーニャにしばらくちょっかいを出す。
-----
「ダーニャ、かばんにカギかけてるかー?」
アロンはダーニャのかばんをポンポンとたたいた。
「きゃー!やめてー!」
-----
体育のとき
「あれ、ノート持ってないの?どこに置いた?教室?更衣室?大丈夫かあ?取られないでくれよ」
「そんな四六時中肌身放さず持ってるわけないでしょ!」
-----
ダーニャの斜め後ろはアロンである。
ダーニャが席について黒いノートを広げていると、後ろからアロンが思わず声を上げた。
「うえ!あいつが依頼を?!」
「??!」
振り返るとアロンが自分の席で苦いものを口にしてまったような顔をしている。
「み、見えるの?そこから」
「視力、すごいいいんで・・」
パタン!とダーニャは勢いよく黒いノートを閉じた。
それ以来、ダーニャはノートを開く時、後方警戒が厳しくなった。
-----
そしてある日、ダーニャが自席でメモとろうと考えたその瞬間をアロンは逃さず、ペンケースをひょいと取り上げてくるくる回し始めた。

ダーニャはっと思う。

『こっ、これは、もしかして・・』

急に真っ赤な顔をすると、うつむきかげんに言い始めた。
「も、もしかしてアロン君・・私のことを?」
「え?」

「気を引こうとしている?このいたずらの数々は、好意の裏返し・・。そうならそうと言ってくれればいいのに」

アロンもカーッと赤くなる。
「ちっ、違うよ!」
しばしお互い赤い顔で向き合っていた。
囗を開いたのはアロンだ。
「ちょっと、やりすぎたな・・。いやその・・何も考えずにおもしろがってやっちまった。レソフィックが言った以上に俺子供だったな・・すまん。勇夫のこと言えねーや」
「え?違うの?・・もしその気なら・・OKしてもいいんだけど?」

アロンはもう少し大人になろうと思った。へたに間違い起こすと相手を不幸にし兼ねない。女の子は精神的に男よりずっと進んでいるのだ。

「わりい!」
アロンは手を合わせて謝った。

「そう・・。ちょっと期待しちゃった」

「お前、人の相談はともかく、自分はどうなのさ」
「ひ・み・つ。私もお客様かもねー」


その後しばらく経ったが、結局レソフィックのところには誰も来なかった。
待ちわびたレソフィックが疲れているのを見てアロンが
「俺がどうなったか聞いてやるよ」と言うと、
「まて、俺も行く」
というわけでアロンとレソフィックがダーニャのところへ行った。

「レソフィックがノイローゼになるぜ。いつくるかいつくるかーって気が抜けないらしいぞ」
「死刑囚ってこんな気持ちかな。なんか最近気になって寝れなくなってよ」
「あら、意外と繊細。メモっとこうかしら」
「やめてくれ」
「やっぱり本人に知られるのはよくなかったわね。次から気を付けよう。実は告白準備中ってことを知られてしまったとわかったら、依頼者の方が尻込みしちゃってね。断られちゃった。アロン君にも知られてしまって恥かしいって」
「なんだ、そうだったのか。ふー、釈放されたような気持ちだぜ。今夜はぐっすり寝れそうだ」
「悪かったわね、私の手際も悪くて」
「その子に言っといてくれよ。コソコソ隠れての恋愛じゃなくて、堂々と公にして恥ずかしくないようじゃなきゃ付き合う意味ないって」
「へえ、あいかわらず大人だなーお前は。言ってて恥ずかしくないか?」
「ま、お前が理解するのは10年先だな」
「じゃ勇夫は30年先かよ」
けたけたと3人は笑った。

「レソフィック君の考えもひとつだよね。でもそれが正解とは限らないし、すべてじゃない。あくまでも恋愛の考え方のひとつね」
「へえー、さすが恋愛相談所だな」
「だから恋は面白いんだって」
「そうかー。じゃ、その子にもうひとこと言っといてくれ。次がんばれって」
「ふふ、オッケー」

「で、お前自身はどうなの?」
レソフィックはまじめな顔をするとダーニャに聞いた。
ダーニャはしばらくレソフィックをじーっと見ると、
「・・・君ね、本気になったら言いに来て。からかってやるって目に書いてあるわよ」
「ええ!お見通し?!!」
ダーニャはニコッとすると黒いノートを抱えて
「ふふ、じゃあね」
とくるりときびつを返して去って行った。

「レソフィック、さっきのはからかったのかい?」
アロンが聞くと、うなずいた。そして、
「意外とすげーかもよ、あの恋愛相談所とやらは」


次回「俺の家は海賊(1)」へ続く!

前回のお話「ダーニャの恋愛相談所(2)」
☆☆ 「片いなか・ハイスクール」目次 ☆☆


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